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アラサーがたった6分弱でMrs. GREEN APPLEというバンドにハマってしまった

「好きな気持ちに年齢は関係ない」とよく聞くけれど、心のどこかで「そんなことないっしょ」と思って何かと制御してきたことってあると思う。

わたしは“メンバーもファンもとにかく若い”として勝手に括っていたMrs. GREEN APPLEというバンドにハマってしまった。

“ミセス”って何度も字面でも見てきたし、当然メディアで曲も聴いてきたけれど、“とにかく若い”からアラサーのわたしはあまりハマらないだろうなと思っていた。

それが、同僚に勧められて帰りの電車の中で聴いてみた「Soranji」という6分弱の楽曲で一気に心を持っていかれてしまい、今では毎日このバンドの曲を聴いている。

まずこの「Soranji」という楽曲、あまりにもスケールが壮大すぎる。
ギュッと拳を握りしめて、行ったことのない広大な大地に立っているようで、聴き終わったあとには一本の映画を見終わったような、そんな気分になる。
大森さん本人も、このように呟いている。

とてもじゃないけれど、20代で表現できることではないであろう“生きる”とか“愛する”とか“信じる”といったような、人生において必要不可欠でありながらも言語化することが困難なこれらのことの真意が詰まっている気がしてならない。
何度も聴いているけれど、あまりにも喰らいすぎて、何度でも目頭が熱くなってしまう。

生きている中で、絶望を味わいながらも一筋の希望の光を見出せたような、闇から抜け出せた先の景色が広がっているような。

後半に向かうにつれて色濃く重なっていくストリングス、コーラスといったアレンジも曲のテーマを更に際立たせ、わたしたちは“尊い”のだと全肯定してくれているよう。

そもそも“Soranji”という言葉、聞いたことないけれど何だかすごく魅力的だ。
曲調からしてとても神聖なもののように感じる。
意味を調べてみてもこれといったものは出てこないけれど、暗記する、覚えるといったような意味を持つ「諳(そら)んじる」という言葉が近いのではないかと思う。
真相は、出始めているであろうメディアで語られる本人の言葉で確かめたい。

この曲は、12月公開の映画『ラーゲリより愛を込めて』の主題歌でありながら、映画の内容の重さにまったく劣らない。
産声を上げた日から、何度も季節を繰り返して、人は生きるようとするし、愛するし、信じる。
絶望と希望が共存する“人生”という永遠のテーマを、極限まで煮詰めて歌ってくれていると感じで仕方ない。

そんな曲を心震える圧倒的な歌唱力で歌われたら、どストレートに突き刺さってしまって抜けなくなってしまい、今に至る。


その状態でミセスに関するいろいろなプレイリストを聴いていて、知識が浅いゆえ個人の感想丸出しで心が震えた曲も紹介させていただきたいと思う。
気付けばすべてバラードだった。

・「僕のこと」
リリースされた当時もいい曲だなと思って聴いていたけれど、今再燃している。
すべてがうまくいくような奇跡は続かないという現実も表現しながら、その中でやはり一筋の希望を与えてくれているような曲。
冬のひんやりした空気の中、青空を見上げながら両手を広げたくなるような開放感を感じる。

・「Circle」
丸という形は色々なものを想像させる。
宇宙という言葉が出てくるから、惑星なのかな?とか、血液の中にあるものなのかな?とか…
“夜はちゃんと寝てほしい”という歌詞が、不眠に悩んでいたからか刺さってしまい、うるっときた。
ボーカルとピアノというシンプルな編成だから歌詞がダイレクトに届いて、改めて巡り合いに感動し、大切な人が愛おしく思えるような曲。


・「Part of me」
現体制となって初のミニ・アルバム『Unity』の一番最後に収録されている曲。
“出会う”が”出遇う”、“すべて”が“総て”、“喜び”が“歓び”、“幸せ”が“倖せ”なっていたり、歌詞の中の漢字が少し独特なのだけれど、よくよく調べてみるとそれら一つ一つにも強い意義を感じて、“生と死”を意識せずにはいられない。
そして、“誰かに愛されたい”という誰もが抱える想いが叫ばれるように歌われるとき、涙腺が崩壊してしまう。


おそらく、友達と話しているような、寄り添ってくれているような感じがあるからか「〜だね」みたいな口語的な歌詞が好きなのかも。
人に会うことが明らかに減った今、求めているものはやはりこういった自分以外との繋がりなのかもしれない。

もはや涙腺刺激されすぎて「ダンスホール」の多幸感にも泣きそうになる。

普段感情が揺さぶられることなんてめっきり減り、毎日同じような日々の繰り返しだと人生を悲観しがちだけれど、こういう新しい出会いがあるから、たまにはいいことあるじゃんって、少し前向きになれるきっかけになった。
こういう気持ちは、残念ながら時間が経てばすぐにまた忘れてしまうけれど。
そのときには、これだけの感動を覚えたミセスの楽曲に立ち戻れたらいいな。

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