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魔法の絨毯

最近YouTubeでおすすめに上がってきた動画。

ディズニー映画「アラジン」の劇中、アラジンとプリンセス・ジャスミンが魔法の絨毯に乗って世界中を見に行く場面で歌われている有名な曲だ。

私はアラジンが大好きすぎて、16歳の時に映画館で見て、ビデオも持っていた(時代…)。ビデオも擦り切れるほど見て、セリフと歌のほとんどを覚えていたくらい大好き。

当然この歌も好き❤️(そういえばCDも持っていた)
この動画を見た時「アラジン、大好きな映画だったなぁ」と思い出した。この曲のオリジナルが素晴らしいことは言うまでもなく、私が偶然見た韓国のシンガーが歌う「A  Whole New world」が鳥肌ものだったのである。女性の方(이수현イスヒョンさんというのかな?)の声がとにかく綺麗で、彼女の動画を時々見るようにしている。

さて今回の記事は、この歌に関係あるようで全く関係ない、魔法の絨毯のお話だ。


家の近くに有名で大きな家具屋さんがある。
歩いて数分のところにあるため、引っ越してすぐにここで家具やカーテンを買い揃えた。
結構大きな買い物をしたためか、定期的に展示会のお知らせが来る。接客してくれた女性の方がいつも招待状を送ってくださるのだ。

その展示会が、絨毯なのである。

ペルシャ絨毯といえば、一枚数百万〜数千万はくだらない高級品。

前からペルシャ絨毯に興味があったし、帰りにお土産もくれるというので興味本位で一度行ってみることにした。

初めて見るペルシャ絨毯。シルクで織られたものは、なんとも言えない光沢があり芸術品の域だった。数百万円のものでもまだまだお手頃価格とのこと。実際に触ることもできるので、本物の触りごごちを体感できる。良い物に触れたり見るというのはいいものだ。しかし我が家にはちょっと高すぎる。

そんなこんなで半年が過ぎ、また展示会の案内状が届いた。今度はギャッベという絨毯らしい。買えないけど暇だから行ってみよう!くらいの気持ちで訪れてみた。(またお土産くれるらしいし)

ギャッベはペルシャ絨毯の独特のアラベスク模様ではなく、動物や草木などの小さな柄が施されている。一つ一つ意味があって魔除けにもなるんだとか。一方で大胆な構図のものもあり、非常にモダンで人気が高いらしい。

ただ見に来ただけなのに、最初から絨毯屋のおじさんと家具屋の店員さんにガッツリ囲まれ、色々と説明を受けた。そして表示してある価格をあまり良く見ずにこんなことを口走ってしまった。

「へぇ、2万円なら安いですね。」

「あ、これ月賦のお値段で、36回払いです。」

時すでに遅し。
絨毯屋のおじさんが本気モードで私に買わせようと動き始めた。奥からあれやこれやと出してきて絨毯を広げ始めたのだ。

これはやばい……。


家にこんな素敵な絨毯があったら生活がワンランクあがるかもしれん。犬も本物の気持ちよさがわかるんですよー!と沢山写真も見せられた。だが私の今の状況でこれを買ったら、ほんまもんのアホだ。

おじさんの猛烈セールスをいかに突破するか。徐々に絨毯を楽しむよりいかに断るかの勝負になってきて、どちらも一歩も引かない攻防戦となってきた。

絨毯の歴史や、織子さんたちの賃金、日本の湿度に耐えられるかなど色々質問攻めにして、ジリジリとようやく出口まで辿り着いた。

「いつか買えるようになったら、またお願いします。」

深々頭を下げるとおじさんはようやく諦めてくれた。そして帰りにギャッベ柄のエプロンをもらい家路についたのだ。


アラジンはあんな高級な絨毯に乗っていたのだろうか……。ふと「アラジンすげえ!」と尊敬の念を抱いた。

ペルシャ絨毯で空を飛ぶことはできないかもしれない。だがあの触りごごちは天にも昇る心地よさなのだろう。

私の場合、その前に財布が空へ飛んでいくのは間違いない。




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