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東京でそろそろ桜が開花しそうな頃、以前通っていたフランス語スクールからお知らせが届いた。

コロナによって3年間開催できていなかったお花見を予定しているので、現生徒さんだけでなく元生徒さんもどうぞ、という内容だった。

私はそのスクールに10年以上前に通っていて、2年前にオンラインで再開したのだが、体調を崩して通えなくなっていた。だから幽霊生徒と言っていい。

知り合いもいないのにこんな私が行ってもいいのか??


いや待てよ。


フランスのfêteパーティーなんて、知らない人だらけだったじゃないか?

※fête …フェット。フランス語でパーティーの意味。

秒速で不安を吹き飛ばし、すぐにお花見の申し込みをした。

パーティーはちょっとずつ持ち寄りで

事務局からの追加のお知らせでは、100名以上が集まる盛大なお花見になるとのこと。飲み物やお料理は先生が用意してくれるようだが、少しずつ持ち寄るのがフランス流。
きっとワインを持ってくる人が多いと見込んで、近くのケーキ屋さんでメレンゲのお菓子を購入。そのお菓子はフランス人や生徒さんにも大好評だったようで、「どこで買えるの?」と質問されるほどだった。


集合時間には絶対に遅れて行け

フランス人のパーティーは絶対時間通りに始まらない。
だいたい予定開始から1時間くらいかけてダラダラ集まるのが通常運転だ。
だから私も1時間遅れて会場に向かった。

会場までの途中。新緑が美しい。気持ちいい!

だがさすが我ら日本人。
私が会場に到着すると、すでに半分以上が集まっていた。遅刻してごめんなさいという人に対して思わず先生と口を揃えて言ってしまった。

C’est la France!!それがフランスだよ

私は全然知らない人たちの輪に自分からグイグイ入っていく。

シールに名前を書いておくよ。

まずこんな名前を書いてるもんだから、「どちらのご出身ですか?」と色々な人から聞かれる。えっと、顔見てわかるように日本人です。(理由はプロフィール参照。)
ひとしきり説明すると、フランス人の先生から「それはいいアイディアだ!」と褒められる。私もzoéって名前は気に入っている。

あとどれくらい勉強されているのですか?と質問されて、「かれこれ20年です。」という恥ずかしさよ。
現役で文法をきちん学んでいる人たちと、フランスで働きながら学んだ人(zoé)ではなんか違う。私のフランス語は現地の人が使う言い方が多いので、あんまりきちんとしていないから恥ずかしい。

それでもそんな私の留学経験を面白い!と言ってくれる20代と30代の女の子たちと楽しくお話することができた。フランス語を学んでいる理由は様々だけど、若い人たちからたくさん勇気と元気をもらった。私の経験も彼女たちの背中を押せたらいいな。

ケークサレ、クスクスのサラダ、チーズはフランスパンと一緒に。全部先生の手作り。


昨日はエイプリルフール

お花見が開催されたのは4月1日、そうエイプリルフールの日だった。
フランスではエイプリルフールのことを、Poisson d’avrilポワッソンダヴリル(4月の魚)と言って、魚の形に切った紙を誰かの背中に気付かれないようにそっと貼り付けるという風習?がある。

こんな感じ。ちなみに自分で貼りました。

だいたいの人の背中に魚が1〜3匹ついていたので、誰かにそっと貼られたと思われる。私は危うくこのままバスに乗りそうになった。
これ以外にも先生たちがたくさんのゲームを用意してくれていて、お絵かきゲームやフランス版ダルマさんが転んだ、ペタンクなどに参加できる。

フィンランドのモルックというゲームも。


一年前のあのフランス人に再会した!?

一年ほど前にこんな記事を書いたのだが…

なんとお花見でこの先生を見つけたのである!
思い切って「一年前に声をかけたよ。」と話しかけたら、呆れた顔をして、「君で3人目。」と言われた。しかも私が声をかけた先生とは別人だったようで、「彼は髪がないけど僕はあるよ!」と強調していた。
そんな間違いからフランス語で会話が弾んで、それはそれで楽しかった。

またフランスに行きたい

久しぶりにフランス語で話したり、フランス式のパーティーに参加してみて、私は本当にフランスが好きなんだなぁと改めて実感。少しだけど自分の体にその文化が染み付いている。

そしてフランス語を学ぶ人の多さに驚いた。
レベルの差はあるけれど、フランス語を理解したい、使いたいと思っている人がこんなにもいるのだなぁ。
難しい言語ではあるけど、同時に美しい言語でもある。
今回勇気を出してお花見に参加してよかった。若い人たちとの会話も刺激になったし、私も近い将来またフランスに行きたい。

風に舞うトリコロール

桜の花びらが舞い散るエイプリルフール。
花吹雪はなんと言うの?と先生に質問してみた。

pluie de pétales。
フランスでは花びらの雨と表現するらしい。快晴に舞う花びらの雨。来年もまた見れますように。

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