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もしかしたら、パラリンピックは見ないかもしれないあなたへ。

パラリンピックの観戦チケット抽選販売の申し込みが始まりました。

みなさんは見たい競技はありますか? 

私はぜひ会場で見てみたいと思う競技がいくつかあります。そのひとつは車いすテニスです。車いすラグビーやブラインドサッカーなども、会場で観戦したら迫力ありそうですよね。

競技の面白さを知るきっかけとなったのは、パラスポーツの競技団体で働く女性を追う連載を始めたことでした。

この連載では、パラスポーツの現場にたずさわる女性のライフストーリーを通して、パラ競技に興味や関心をもってもらえるようなコンテンツであることを意識しています。取材する側も毎回初めて知る驚きが多く、また “なぜパラスポーツに関わるようになったのか” の経緯や、“現在に至るまでの道すじ” が人それぞれ興味深いのも特徴です。選手のインタビューや競技の解説記事とは少し違ったものが見えてくるかもしれません。

そこで、さくっと読めるダイジェストをつくってみました。興味をひかれた方はぜひ、記事のほうものぞいてみてください。

初回はパラ競技の中でも人気の高い“車いすテニス”から、日本車いすテニス協会の佐々木留衣さんを取材。国枝慎吾選手や上地結衣選手も出場する国際大会の運営スタッフと、日本車いすテニス協会の職員を兼任されています。

▶︎前編

きっかけ:父と見に行った国際大会で、3歳にして車いすテニスと出合う

「3歳のときに父に連れられ、地元で開催される『飯塚国際車いすテニス大会』の選手食事会に参加したのが始まりでした。覚えているのは、“いつもと違う空気感”。目の前に車いすに乗った日本人選手や外国人選手が大勢いるという“異文化感”を子供ながらに感じました。思えば人生の初期にこうした機会に恵まれたことで多様性を自然に受け入れるベースのようなものができ、そのことが今の自分の生き方に大きく影響しているのだと思います」

現在:車いすテニスに関わる2つの組織で活動中

幼少時代から家族ぐるみで『飯塚国際車いすテニス大会』の運営にたずさわってきた佐々木さん。外国人選手への対応から選手食事会の司会、最終日は表彰式の進行までひとりで何役もこなす大会のエンジン的な存在です。31歳からはオファーを受けて日本車いすテニス協会の職員も兼任。こちらでは広報部次長と事務局を兼務しながら、未知なる業務に奮闘しています。

車いすテニスの魅力とは…?

「テニスは静寂と熱狂、選手の緊張感や瞬発力がダイレクトに伝わってくる競技です。車いすテニスにはさらに、チェアワークによるスピード感も加わります。想定外の動きに驚かされることも大きな魅力のひとつですね。また選手のみなさんはすごく“気持ちがいい”方ばかりで、礼儀正しくあたたかいんです。個人でツアーに参加して、個人でいろいろなものと闘ったり感謝をしながら世界を転戦されているんだろうなということが伝わってきます」

▶︎後編

ボランティア組織から出発するケースが大半という、パラスポーツの現状

「うちの協会も “車いすテニスの普及”に賛同する二足のわらじをはくスタッフの手で運営されてきた経緯があります。社団法人になったのも2015年。十分な財源もなく、草の根をかきわけるような進み方をしているからこそ、今後きちんとすそのを広げていける体力をつけなければと思っています」

ひと盛り上がりして忘れられたら悲しい

「かなり注目度が上がってきている中でこんな言い方をしてはいけないんですけれど、ひと盛り上がりして、忘れ去られてしまったら悲しいなと。競技にハマって観に来てくれる観客のみなさんが増えてほしいという願いは常にありますね。生で観ることの大切さってあると思います。選手たちの息づかいだったり、球を打つ音だったりをぜひ聞いてほしいです」

東京2020大会の先に見すえるもの

「日本車いすテニス協会としては2020年を目前に、今はまだもがいているような状況です。ですが大会終了後も協会同士の横のつながりをこれまで以上に強めたり、ほかの都道府県で行われている国際大会の情報を集めて、車いすテニス全体の底上げや普及活動に力を入れたいと思っています」


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