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社員に長期で働いてもらうために。中途採用で思うことを社長が語る

人が定着しない。
せっかく時間もコストもかけたのにすぐ辞めていく…。
こんな悩みをお持ちの採用担当者の方は結構いらっしゃるのではないのでしょうか。

新卒採用でも中途採用でも起こりがちな「すぐ辞めちゃう問題」。
根本的な解決方法はないのでしょうか。

そのヒントがここにあるかもしれません。
今回は中途採用に特化して、社長の成川さんに「今中途採用について思っていること」を伺いました。
                    (執筆:アンバサダー:みか)

社員はとりあえず一緒の船に乗ってもらえれば、あとは好きなことをしていい

以前このnoteでも社長の成川さんが中途採用市場での課題だと感じていることを記事に挙げています。

中途採用市場は「ジグソーパズルのピース」を探している

ざっくりいうと、中途採用が使われる現場は、今この仕事をやってくれる人が欲しい、つまりは即戦力が来てほしいっていうニーズが大きい。まるでジグソーパズルの抜けているピースをはめるような採用になる。

成川さんはここに異議を唱えています。

以下、成川さんのお話です。

このポジションでこういうピースになってほしいっていうのは、そもそも社員に対しては用意すべきじゃないと思っています。

社員は入社して1~2年で成果を出すようなポジションではなく、5~10年後にすごくマッチするよね、プラスになるよねっていうポジションで採用すべきです。

今のスキルや経験ではなく、この会社に対するエンゲージメントやミッションに対する共感などの精神的なつながりの方が大事。

一緒の船に乗って、会社がどのゴールを目指しているのか共感したうえで、一緒に考えながら進んでくれる人に来てもらいたいです。

その時の具体的な役割は、その人がその時に持っているモチベーションやスキルを基にしてやればいいし、いろんな仕事が会社の中にあるのでなんでもやっていい。
好きなのを選んでいいよと思っています。
「船の帆を張りたいです」
「敵が攻めてきてるから大砲打ちたいです」
やりたいならやればいい。

長くいてもらいたいなら本人の望む仕事を与え続ける

会社は長期雇用を前提として社員とお付き合いをしたい。
そのためには本人が望む環境を与え続けることが大事です。

「今は雑巾がけをしたい」ならすればいいし、「スキルが上がってきたから掃除担当のリーダーになりたい」っていうのであればやればいい。
やりたくないならずっと雑巾がけしてもいい。

長くいてくればいてくれるほど、その人が社内で人脈を作ったり、会社特有のルールをわかってくれたりするので、会社で活躍する下地がどんどん積みあがっていきます。

それは会社にとってウィンが大きいはず。

だからやりたいことは社員任せでいいし、キャリアプランを縛る必要もないです。

仕事の偏りをどうするか

社員がやりたいことだけをやると、社員が人気のある部署に固まったり不人気な仕事をやらなかったりします。
それは当然起きます。

例えば、ひたすらデータを打ち込む作業。でもそれは必要不可欠です。
社員の中でやりたい人がいないなら派遣の方なり業務委託の方なりで補うべきだと思います。それを生業にしている人はいる。派遣の方なら仕事とマッチングした状態で来てもらっているから本人にとっても嫌な仕事じゃないはずです。

そういう風にして社員には好きなことをやってもらう。
残ったものを埋めていくっていうスタイルです。

時にはやめる判断も必要

残ったものを埋めていくスタイルにはいくつかやり方があります。
先ほどの、業務委託で切り出し外注する、派遣の方に来てもらう。
自動化する。その仕事自体をやめる。

その仕事自体をやめると聞いて驚く方もいるかもしれません。
でもそういう選択肢もやらないといけないと思います。
それをしないとどんどん新しい仕事が増えるばかり。
何もやめられなかったらいつまでも楽にならない。

そしてやめるという判断ができるのはマネジメントだけです。下の人はできない。担当の人が「この仕事嫌だからやりません、やめます」とはできないんです。

それこそがマネジメントの仕事で、それを出来る人がチームを率いないと、仕事はどんどんジグソーパズル化してしまいます。

「この人とだったらこの仕事一緒に楽しめそうかな」という人になる

そもそも「この仕事絶対にやりたくない」っていう風に白黒ついている人はそこまでいないと思っています。

要は誰とやるか。
コミュニケーションの仕方ひとつで、やりたくない仕事でも、「この人と一緒ならいいかな」って思ってもらえる。
どんな仕事もどんな人と一緒にやるかによって、嫌な仕事も楽しくなる。

例えば草むしりだって、好きな人とやれば面白い仕事になるんですよ。
「あの人と一緒に草むしりをできる!」みたいな(笑)

最終的にはマネジメントする側にそういう力も必要だと思っています。

JPTはどうやっているか

JPTでは、チームで仕事はしません。それもパズルの考え方の1つとしてあります。
やっぱり人には合う人と合わない人がいる。
AさんとBさんは合うけど、AさんとCさんは合わない、みたいな。

特に精神障害や発達障害を抱えている社員が大半だとそういったことが顕著になりがちです。

社員の組み合わせを考えだすとキリがないので、どんな形の人が来ても周りを満たしてあげられる体制があればいいと思っています。
社員同士のピースの組み合わせはできないかもしれないけど、社員とやわらかいマネジメントとか、派遣の方・業務委託の方・ボランティアの方たちがいればどんな形の人が来ても成り立ちます。
隙間なく埋められるので、そういう体制にしています。

僕は隙間なく埋められる液体型の人間だと思っています。どんな人が来てもある程度合わせられる。この人と仕事をしたいと思ってもらえるようなパーソナリティ、強みを持っていると思ってやっています。
道半ばですが、楽しんでますよ。

以上が成川さんのお話でした。

奇しくもこのお話をお伺いした日、私は中途採用の面接日でした。
採用担当の方からは「このポジションでは少しスキルが足りない」というようなことを言われてしまい、ものすごく凹んでいました。(泣)
成川さんのお話を伺って、「こんな社長もいるんだ!」と元気を取り戻したところです。
採用ご担当者の方、ぜひ参考になさってください!!

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