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仕事のモチベーション&効率が上がる「ちょうどいい雑談の場の作り方」〜フルリモートVer.〜

業務効率化のツールが世の中にどんどん出てくる一方で、人間にできる仕事のあり方が問われ直しています。
人間らしい仕事のあり方のひとつに「雑談」を加えるのはどうでしょうか?

前回までの記事で、雑談が仕事にもたらす効能や、フルリモート勤務ゆえの雑談のやりやすさ・やりにくさ等を、JPT人事のあやこさんに聞いてきました。

最終回の今回は、JPTで今後目指していきたいとあやこさんが考えている雑談のあり方をうかがいます。

リモートワーカーのみなさんはもちろん、精神・発達障害の方が働く会社における雑談のあり方のヒントにもなればいいなと思います。

▼全3回でお届けします
朝礼をしても会議を開いても、リモートワークで充分なコミュニケーションが取れないと感じている人へ
フルリモートで働く人事に訊く「社内コミュニケーションの現状」
仕事のモチベーション&効率が上がる「ちょうどいい雑談の場の作り方」~フルリモートVer.~(本記事)

(執筆:ミッションパートナー ちひろ)

社員同士のちょうどいい距離感

(ちひろ)
JPTでは、1人1プロジェクトが基本で、チームで仕事をすることって少ないですよね。
その理由は、精神障害や発達障害を持つ方たちの特性も踏まえて、メリットが多いからだと理解しています。

自分のペースで仕事が進められたり、コミュニケーションの齟齬をできるだけなくしたり。
そんな中でも、雑談の場が求められているというのが意外でした。

(あやこ)
私はむしろ、仕事で関わることが少ないからこそ、雑談が必要なのだと思っています。
エンジニア同士で技術的な情報交換をしたり、プライベートの話をすることで仲間意識も生まれるようです。

障害の特性ゆえにマルチタスクが苦手だったり、スケジュール管理や報告・相談のタイミングを図るのが苦手な人はいますが、
みなさん決して人嫌いなわけではないな、というのが私の印象です。

不意に話しかけられるとペースが乱れてしまうかもしれませんが、オンラインで毎日決まった
時間に雑談が始まることや、自分の休憩時間にチャットを見たりするのを楽しみにしている人もいます。

(ちひろ)
なるほど。
いきなり話しかけられるのは苦手だけれど、人嫌いではない。
すごく腑に落ちました。

JPTで目指したい「ちょうどいい雑談」とは

(ちひろ)
前回の記事で、今の雑談の場に対してあやこさんが感じている課題感も教えていただきました。
・時間が長くなりがち
・テーマなしのフリートークが苦手な人が入りづらい
・話してみたい人と気軽に話せない
・1対1の会話が生まれにくい
などの課題に対して、今後のアイディアはありますか?

1回の雑談時間を決める

(あやこ)
一旦雑談を始めてしまうとダラダラ続いてしまうので、できれば1回の雑談時間を決めて切り上げるように声掛けしあえるといいなと思います。
その場で最後まで話してしまおうとせず、「続きはまた明日~」くらいの方がいいかもしれないです。

(ちひろ)
そのお話を聞いて、ちょっと紹介したいスウェーデンの文化を思い出しました。話してもいいですか?

(あやこ)
もちろん。

(ちひろ)
大学の頃にスウェーデンに留学していたんですが、そこで「FIKA」という文化を知りました。
一言でいうと「同僚や友人とコーヒーやおやつを囲んで話す」ということなのですが、ただのコーヒーブレイクとは全然違っていて、ひとつの文化を形成していました。

スウェーデンには経営学を学びに行ったんですが、FIKAの文化にあまりにも魅了されまして。
勝手に裏プロジェクトとしてFIKA文化の探索をすることに決め、市内のカフェをほぼ制覇して、寮で非営利のカフェも開いたりしていたんです。

実はスウェーデンでは、FIKAの時間を取ることが法律で決められているんです。
スウェーデンは、労働時間が短いわりに生産性が高く、幸福度ランキングでもいつもトップ層に入るのですが、FIKAがそれに大きく貢献していることを、政府が認めているんだと思います。

コロナ禍でリモートワークが増えたことで、このFIKAが世界で注目されています。(参考:Fika: A Coffee Break For Productivity

「ほんまかいな」と自分でFIKAの効能を実験した方の記事も面白かったので、よかったら読んでみてください。

FIKAには、単なる息抜きの他にも、生産性を上げたり、上司と部下が対等な関係で話ができる場という側面もあります。
おやつとコーヒーを片手に30分、というのが典型的なFIKAパターンなので、JPTでもよかったら取り入れてください!

(あやこ)
面白い文化ですね~。
たしかに雑談の場では、上司も部下も関係なく、仕事の能力や成果も関係なく「人と人」として話せるので、JPTの目指す「対等」のイメージに近いなとは感じていました。

温かい飲み物片手に30分。
時間が決まっていると、かえって参加のハードルも下がりそうですね。
社員のみんなに提案してみます!

雑談以外のコミュニティができればいいな

(ちひろ)
時間のこと以外にはいかがでしょうか?
フリートークのハードルや、話してみたい人と話せないなど、改善できそうな案はありますか?

(あやこ)
「雑談すること」という目的以外のコミュニティがあるといいなと思っています。
例えば部活とか(←阿渡さんの影響です)、AI 会・WEB アプリ会とか。

共通の趣味や興味ごとがあると共感しやすいし、あちこちで自然な雑談が生まれたらいいなと思います。
そうやって小さなコミュニティがどんどん増えていけば、それぞれにとっての「ちょうどいい雑談」も増えていくのではないかと思います。

JPTも3期目に入ったので、同期会とかがそろそろあってもいい気がします。
前職で 1988 年生まれの「88会」というのがあって、多忙の中にある「88飲み」が癒し&ガソリンでした。
すごい仕事ができる人なのに、話すとアホだったり。 
今度の長期休暇の旅行先のヒントをもらったり。
お互いねぎらったり、目標を言い合ったり。

「色々大変な事もあるけど、また明日から頑張ろう」と思えるそんな場ができたらいいなと思っています。

(ちひろ)
そういうの、私も好きです。
なんだかんだ言って、人間ってこういうところで仕事のモチベーションを保つんだなって気持ちになります。

フルリモートで、個人プレイが多いJPTだからこその「ちょうどいい雑談」が生まれていくことを期待しています。
今回はありがとうございました!

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