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朝礼をしても会議を開いても、リモートワークで充分なコミュニケーションが取れないと感じている人へ

多くの人がリモートワークをする機会が増えたこの数年。
メリットもたくさん見えたものの、デメリットを感じる人も少なくなかったようです。

中でも半数近くの人が感じている課題に「社内コミュニケーションが減った」というものがありました。
(参考:「テレワークを巡る現状について」厚生労働省

でも、どうしてなのでしょう?
リモートワークでも朝礼や会議を開くことはできます。
業務連絡がチャットツールでできるようになったことで、わざわざ上司を捕まえなくてもよくなったという利点もあるでしょう。

それなのに社内でコミュニケーションが取りづらくなった理由は何なのでしょう?
JPT人事のあやこさんにお話をうかがうと、その鍵が「雑談」にあることが見えてきました。

▼全3回でお届けします
朝礼をしても会議を開いても、リモートワークで充分なコミュニケーションが取れないと感じている人へ(本記事)
フルリモートで働く人事に訊く「社内コミュニケーションの現状」
仕事のモチベーション&効率が上がる「ちょうどいい雑談の場の作り方」~フルリモートVer.~

(執筆:ミッションパートナー ちひろ)

緊急度も重要度も高くない会話の行き場

(ちひろ)
あやこさん、今日はありがとうございます。

リモートワークによって社内コミュニケーションが減ったというデータがあるのですが、このご時世、ビジネスチャットツールやオンラインミーティングツールがたくさんありますよね。

そういった場で話せばいいのではないか、と思ってしまうのですが、なぜコミュニケーションが減ったように感じてしまうのでしょうか。

(あやこ)
たしかに、文字でやり取りするチャットはお互いの都合のいい時間に確認できるメリットがあります。
オンラインミーティングは画面共有などの機能のおかげで、むしろ対面会議よりもスムーズにやり取りが可能な側面もありますよね。

でも、他の人との共有が必須ではない内容が、コミュニケーションから消えているようです。
厚生労働省の統計でも、このような結果が出ています。

テレワークにおけるコミュニケーションの変化ー厚生労働省

「上司への報告、連絡、相談の機会」はほんの少し増えているものの、
「ちょっとした問題や困りごとの相談」
「同僚と、お互いの仕事の進捗を気にかけ、助け合う機会」
「雑談や思いつきレベルのアイディアの共有」
「感謝の言葉をかけたり、かけられたりする機会」は、減ってしまっています。

まとめると、緊急度や重要度の高くない「雑談」が減っているようなんです。
この背景には、リモートワークでは近くに人がいないぶん、わざわざ話しかけるハードルが上がっていることがあると思います。

雑談はあったほうがいいの?

(ちひろ)
なるほど。業務連絡以外にも、みんな意外と話をしていたんですね。
実は私は雑談が苦手なんですが、そもそも仕事の場で雑談って必要なんでしょうか?

業務連絡以外の仕事の相談ってどうすればいいのかわからないし、仕事の時間にプライベートなことを話す罪悪感もなんとなくあるし、うっかり相手の気に障ることを言ってしまったらどうしようという気持ちもあるし。

(あやこ)
実は私も雑談が苦手なんです!
特に自分から話しかけるのがとっても苦手です。
よく知らない相手との程よい話題や距離感をチューニングするのが苦手で、考えすぎて硬くなってしまうことが多いです。 

ただ、雑談でも人の話を聞くのは大好き。仕事をする上でもヒントになったり、励みになることがよくあります。

(ちひろ)
あやこさんが考える雑談の効能みたいなものについて、教えてもらえますか?

人間関係づくり・会社や同僚への愛着

(あやこ)
雑談には、人間関係をスムーズにする効果があると思います。

世の中にはいろいろな仕事があるので、もしかしたら人間関係がまったくいらない仕事もあるかもしれません。
でも「誰かと働く」という前提に立てば、1%~99%まで幅はあったとしても、何らかの人間関係はどうしても避けられないものでもあり、必要なことでもあるはずです。

「この人と一緒に働きたい」と思えるかどうかは、その人の成果物だけではなく感情的な部分も大きいと思うし、苦手だと思っていた人も話してみたら意外な一面や発見があったり。

前職の話になりますが「仕事の考え方は全く合わないけど飲みに行ったり雑談すると楽しい」という人がいて、 働く上でさほどストレスにならないという経験がありました。
雑談がなかったらギスギスしていたと思います。

息抜きになる

(あやこ)
多くの会社では、7~8時間が一日の所定労働時間になっています。
お昼休憩があるとはいえ、ずっと仕事モードでいると効率も落ちるし、疲れてしまいます。

特に一人暮らしでフルリモートだと、一日誰とも話さないこともあるという社員さんもいます。
PCとにらめっこ、MTG続きの合間に、実務から少し離れて人と笑ったりすることで、ふっと肩の力が抜けたりします。

長期的な視点で見れば、ちょくちょく雑談や休憩を挟むほうが、効率的で健康的だと思います。

仕事のヒントになる

(あやこ)
今の仕事で行き詰まっていることなどを共有することで、自分の中で整理ができたり、ヒントがもらえたりすることも多いです。
自分だけでは見つけられなかった情報を教えてもらえたり、新しい仕事のアイディアが生まれることもあります。

社内での雑談中にも、「わからないことを聞いて解決した!」「思いもよらない企画に発展した!」の場面が何度かありました。

(ちひろ)
たしかに、私も「雑談苦手です」とJPTで公言しておきながら、アンバサダー・ミッションパートナー仲間や成川さんとの雑談1on1をするとアイディアがどんどん浮かんできた経験が何度もあります。
「あかん、ネタの宝庫や、早くアウトプットしたい!」と、2週間くらいそわそわしたりして。

(あやこ)
note記事、いつも楽しく読んでいます。
人事担当として応募者に知ってもらいたい情報も載っているので、応募を考えている人にはぜひ読んでもらいたいです。

(ちひろ)
雑談の大切さがわかったところで、次回はJPTの雑談事情を教えていただきたいと思っています!
フルリモートで避けがたく減ってしまう雑談タイムをどのように作っているのか、楽しみにお待ちください。

→次回「フルリモートで働く人事に訊く『社内コミュニケーションの現状』」に続く

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