QNHと単位系

 無線通信ではQで始まる略号をよく使います。アマチュア無線では使いませんが、航空無線を聴いているとQNHというQ符号が頻繁に登場します。これは空港で測定した大気圧で、QNH2980と言えば、気圧が29.80 inch Hgであることを意味します。航空機はこの数値を基準として気圧から高度を知ることができます。
 物理学で重要な考え方に、人間が都合によって持ち込んだ便宜的なものと自然界は独立しているというものがあります。この場合では、気圧という物理現象はどんな単位を使って測ろうが同じであるということです。物理量は、数値と単位からなっていますので単位を変えると数値が変わるわけです。現在はヤード・ポンド法の単位系であってもSIによって定義されたものと等しくなるように決められています。1 inchは25.4 mmに等しいので。29.80 inch Hgは756.9 mm Hgと同じことになります。同様に1 気圧という単位は760 mm Hgと定義されていますから、0.9959気圧とも言いかえられるわけです。これらの単位はSIで非推奨なので、hPaを使うのが「正しい」のでしょうが、慣習というのはそう簡単に変わりません。日本でも尺貫法由来の単位がしぶとく生き残っているのは、お酒を飲むたびに感じることでしょう

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