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U/VHF FM機が来ました

 APRSのためにオールバンド・オールモード機を占有するのはもったいないので、2mFM機で適当なものを物色していました。ネットオークションを眺めてみると、意外といい値がついているのはやはり需要があるからなんでしょう。そんな中で全く入札されていないICOM IC-2300がありました。外観も悪く、付属品も揃っていません。最低入札価格を入れてみたらそのまま落札してしまいました。
 商品が届いて開封してみると、いかにも使い込んで埃まみれの無線機と、自作のコンデンサーマイクが入っていました。電源ケーブルすらありません。もちろんそれを承知で入札したので、まずは動作チェックからです。ダミーロードを接続して出力を測定してみると2mで17Wくらい出ています。430MHzは測定器を持っていないし使う予定もないので確認はしていません。周波数UPスイッチをおしてみると154MHzくらいまで表示が増えていき、それから430MHzになります。警察無線がまだ傍受できた時代に受信周波数帯域を拡張したのでしょう。まずはこのあたりから元に戻すことにします。

IC-2300内部

 この無線機の回路図等は手に入らなかったのですが、出力調整の方法は取扱説明書に書いてありました。上限20%までは許容範囲なので12Wまで下げます。受信周波数の拡張は、基板を観察していくとダイオードをカットした跡が見つかりました。ここをはんだ付けしてリセットしたら144-146MHzに戻りました。電源ケーブルは、ホームセンターで車の配線用のコネクタを購入して作成しました。10W機なので3A程度しか流れませんので0.75mm²の並行ケーブルを使い、電源とは圧着端子で接続しました。
 液晶パネルの照明用電球が切れていて表示がむらになっているので、交換用に電球を手配してはみましたが、これを交換するのはかなりの手間であることがわかったので宿題として残してあります。電球は後回しにして、ぼろぼろになっている遮光用や緩衝用の樹脂材を除去し、清掃して交換しました。このあたりは中古カメラの修理とあまり変わりません。材料もカメラ修理用の遮光材を流用しました。フロントパネルは全部分解して中性洗剤をいれた洗面器に浸し、こびりついた埃を全部落としてやりました。内部の埃も適当な方法で除去してやります。電球以外に劣化している部品は外見上なかったので、清掃だけで組み戻しました。
 スケルチのボリュームが出力切り替えスイッチを兼ねていて、ここのロックが甘くなっていました。これは前の所有者が分解するときに破損したのでしょう。適当な交換部品があればいいのですが、いまどき手に入りませんのでごまかして使うことにします。
 あとは免許だけの問題ですが、この無線機が作られた時代と今では手続きの方法がかなり違っています。当時は保証認定番号というのを申請書に書くだけでよかったのですが、技適制度が導入されてからは、それ以前の無線機を使うためにブロック図と終段トランジスターの規格等を書いて技適相当である保証を受けて申請する必要があります。これらの情報はICOMのサービス窓口に問い合わせると資料をもらえますので、それを添付して申請しました。
 APRSの運用も、softmodemを使わずにTNCで行うことにしました。TascoのTNC-220という機種をやはりネットオークションで手に入れ、RS-232CでPCと接続します。私のPCは、マザーボードからRS-232C端子を外部に出してありますのでこちらは全く問題ありません。無線機との接続は少々てこずりました。説明書に従って配線したはずなのですが、PTTがONになりません。いろいろ試して分かったことは、音声入力があると、データが存在すると認識して送信状態にはならないということです。無線機側のスケルチを使って信号が入っていない状態にしてやれば、コマンドに従ってPTTがONになりました。これに気づくのに1ヶ月くらいかかりましたので、ここに備忘録として書いておきます。 de JM8SMO

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