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過去を振り返るその①(プロフィールの補足)

noteを開くたび、あまり力を入れずにとりあえず書いたプロフィールに少しずつスキが増えていっててちょっと驚いているまさかしですどうもこんばんは。

(スキを下さった皆さまありがとうございます!)

そこでふと、私のプロフィールの一体何に興味を持ってスキを下さったのだろう?と、晩ご飯の支度をしながら考えていたら、あれ?なんか計算がおかしい…。

え?ちょっと待って待って。
先斗町にいたのってもう26年も前の話しなん??

えーーーーーー!!!
(単純に年齢考えたらわかること)
さすが中学入ってすぐに数学を放棄しただけの事あるな…(アホ全開)

というか、アレですね。
なんか、自分がいつまでも若いつもりでいると言うとおかしいんですが、

なんか、ちょっともう途中から時間経過を忘れているというか…

歳を取ると記憶の時空が歪んで
昨日のご飯は覚えてないけど数年前のあの日の事はめっちゃ覚えてる〜!
…みたいな現象がしばしば起こる。
その瞬間と今の年月の経過がすごく短く感じるっていうかなんていうか…

いや〜、もう26年も前なのか…。


数年前に「舞妓はレディ」という上白石萌音さんが舞妓役で花街を題材にしたミュージカル風の映画があった。
ちょうど夫と付き合い始めた頃だったので色々説明するよりも早いかも?と、夫を誘って2人で観に行った。

架空の花街を舞台にコメディやミュージカルを交えつつ、舞妓と芸妓の心の描写や花街のあらゆる特徴をバッチリと捉えていてなかなかに面白かった。
何よりとても丁寧に花街の事を取材されているのが伝わり、内情を知っている私からすると、まるでヤマをかけたテストの様に、

わかるど〜〜!そうそうコレコレ!
これもわかる〜ぅ〜!!!フゥ〜!!

と、周りが真剣な顔で問題を解いてる中1人でニヨニヨしてしまうくらいわかりみが凄かった。

前半寝ていた夫に(オイ)映画館を出た後どうだった?と聞くと、

うん、面白かったね。


と言っていたので花街の事に興味がある方は是非一度ご覧になってみて下さい。
(注:夫は優しさの塊のような人ですが無口が過ぎて言葉のバリエーションがほぼ皆無ですご了承下さい)


17歳で先斗町に入り舞妓を4年。
その後襟替えをし芸妓を3年。


現在は長野におりますが、もともと京都出身だった私は親戚の叔母が当時現役で芸妓をしていたので、映画の中の萌音ちゃんよりはスムーズにその世界に入る事が出来たし、厳しい世界と言われる中でもかなり恵まれた環境だったと思う。(そういう部分も映画では良く表されていた)

花街の世界は今思い出しても普通に生活をしていたら到底出会わない様な貴重な体験と特別な空間だった。
浮世離れしていると言われるとそうかも知れないがだからこそあの世界が成り立つし、いつまでもなくなってはいけないひとつの文化が花街にはあると思う。

(それにしては最近街が変わりすぎていてちょっと悲しい。。)


華の若手芸妓がこれから飛躍!!
という時に、同志社卒のイケメンと出会った私はその彼と結婚して普通の生活に戻りたすぎて、叔母やお世話になったお茶屋のお母さんの反対を押し切って結婚し芸妓を辞めた。
(中卒の私が同志社卒のイケメンと出会える花街マジック)

先斗町にいた時は、
こんなに毎日しんどくて忍耐忍耐また忍耐の毎日を経験してるんやから(舞妓の時は休みは月1程度) 
辞めて普通の生活になったらもうどんな仕事でもやっていける自信しかない!
と思っていたけれど、実際に辞めてみるといかに花街でチヤホヤされて甘やかされていたのかという事を痛感する日々だった。

舞妓や芸妓はどこへ行ってもどんな人にもとても丁寧に対応してもらえる。
なぜなら花街という世界で常に自分を磨き、着物を着こなし芸術を見に纏って、京都の伝統文化の代表として日々精進しているからだ。

でも、辞めて髪を下ろし普通の洋服を着た私はただの人。

常に丁寧に大切に扱われてきた私はそのあまりにも違う「普通の生活」にどう対応して良いか分からず毎日のように泣いていた。

「ショーシャンクの空に」という映画の中で、刑務所に50年もいた受刑者が仮出所で刑務所を出た後に普通の生活ができず最後には首を吊って自殺してしまうというシーンがある。

大げさかも知れないが当時の私は自分でそう望んだにもかかわらず、慣れた環境から一気に変わった普通の世界になかなか馴染めず、
やっぱり花街でしか生きられないのかも知れない…
と本気で思って病んでいた。
ショーシャンクの空にのあのシーンは当時の自分と重なって今観てもとても印象深いし、慣れの恐ろしさを痛感するシーンだった。

それから数年後、惜しまれつつ辞めたのにもかかわらず(自分で言うな)同志社イケメンとは離婚し、結局花街には戻る事なくまたその数年後に大阪で日本酒のbarを経営する事になるのだが、このままでは永遠に終わりそうにないのでまたそれは次回に書くとする。

先斗町は、右も左も分からぬ17歳で社会に出た私を大人の世界へと導いてくれた人生のスタート地点であり、現在の私になれたルーツであると言える。(たぶん行ってなかったら見た目も中身も180度違う人になってたと断言できる)

でもやめた後からずっと感じている事は、花街はとても魅力的な世界であるとともにとてつもなく閉鎖的な世界だったのかもなぁということ。

どの仕事もそうかも知れないけれど、そこに身を置いているうちはその世界が自分の中心で当たり前に思う事も、そこから一歩外に出るとその常識が全くまかり通らない事がある。

いまだにちょっとそれを引きずっている私はそういう場面に出会すたびにちょっと落ち込む。

でも振り返るとそれももう20年以上も前の話しなのか…。
そろそろ解放しなくてはなぁ。


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