マガジンのカバー画像

ちいさなブランドのつくり方

14
ちいさなブランドを運営する上で考えてきたことを、このマガジンにまとめます。
運営しているクリエイター

記事一覧

ちいさなブランドを生業にするために必要なことを、1つ選ぶとしたら。

「自分のブランドを生業にするために必要なスキルってありますか?」 というご質問をいただいて、こんなふうにお返事しました。 とても月並みな返事ですが、これさえできるなら他の必要なスキルは後から身につけられるので、こうお答えしました。 ただ、最近になって「あ、こうお返事すればよかったな」と思った切り口があって。 それが、こちら。 「一番のファンである」とはどんな状態か「自分が一番のファンであること」は、スキルというよりも "自分の在り方" という感じもしますが、とにかく

「誰が、どうやるのか」が大事

個人がブランドを立て、それを生業にしていくには、「何をやるか」よりも「誰が、どうやるか」が大事だなと強く感じます。 例えばわたしの運営する『じぶんジカン』で言えば、ノートの販売が「何を」に当たります。ノートの販売って、すでにやっている人がたくさんいて。文房具メーカーもそうだし、個人でもそうだし。何なら今から誰でも始められるような、イージーなタイプの事業です。 でも、この「ノートの販売」を生業の軸にできている人は、きっとそんなに多くない。つまりは「ノートの販売」自体に収益性

個人ブランド継続の3つの壁と、その乗り越え方

「松岡さんがこういう取り組みをするの、めちゃくちゃ意外でした」 わたしをよく知ってくれる人達から驚かれたり、わたし自身も「まさか自分がやるとはなあ」と感慨深かったのが、昨年『ちいさなブランドの学校』というものを始めたことです。 コミュニティとか、所属とか、そういうものがあまり得意でないわたしが『学校』を始めることにしたのは、「もっと想いが溢れるブランドが増えたらいいのにな」という願いからでした。 大量生産/消費じゃなくて、想いも手渡すような人間らしい営みが増えること。自

不完全体をさらす修行と、SNS継続のコツと。

「SNSをちゃんと更新していてすごい」と言ってもらうことが、かなり多い。 特に自分でものづくりやサービス提供をしている方、つまりちいさなブランドの運営者さんや、フリーランスの人達から、よく言われます。その言葉の裏にあるのはきっと「ちゃんと更新したいけど、なかなか続かない」の悩みなのかな。 わたしの周りの影響力のある人たち(SNSの発信を継続していて、端的に言えばファンが多い人たち)に「どうしてそんなにSNS頑張れるの?」と聞いてみると、だいたい同じような答えが返ってきます

「やること」よりも「やり方」を見直す

ちいさなブランドをつくり、それを生業としていると、「どうしたらそんな生き方ができるんですか?」と聞いてもらうことが結構ある。 この質問に一言で答えるとしたら、これだ。 シンプルだけど、これが一番しっくりくる。 能力やセンスやコツよりも何よりも「続けたこと」が、大きな要因だと思っているから。 自分で何かを始めたいと思ったとき。種を蒔いてから実がなるまでには、ほとんどの場合、思っている以上の時間がかかる。 わたしが『じぶんジカン』を立ち上げたのは2019年のことで、もう

ちいさなブランドの学校、はじまります。

自分の「楽しい」で、誰かの日々を豊かにできたら。 好きでつくったものを、誰かに受け取ってもらえる。喜んでもらえる。 そしてそれが、自分にとっての生業になっていくーー。 自分でブランドをつくる楽しさを、そしてそこから世界が広がる喜びを、味わえる人が増えたらいいな。そんな想いから。 ちいさなブランドの学校、はじまります。 「ちいさなブランドの学校」とはちいさなブランドの学校とは、個人でブランドを始めた人たちが、自分の「楽しい」や「好き」をちゃんと生業にできるように学ぶ場

ちいさなブランドを楽しく続けるには

ちいさなノートブランド「じぶんジカン」の運営を始めて、4年半が経った。 まだまだ運営者としてはひよっこだけど、一応これを生業にできているからか、「ブランドのつくり方」について聞いていただくことが、ありがたいことに増えてきた。 と質問をもらった時にいつも思うのは、 ということ。 つくるのは、難しくないんです。「始めました!」と宣言すれば良いだけです。 でも、楽しく続けるのは簡単ではないと感じます。 ブランド運営を楽しく続けるには、ふたつの要素があって。 このふたつ

はじめてのマルシェ主催&出店の記録

昨日5月21日に中目黒で開催した、mybestday marche。 ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました! my bestday noteのお届け数1000冊越えを記念して、「じぶんの暮らしをもっと好きになる小さなマルシェ」をテーマに、主催の古性のちさんとともに運営としていっしょに場づくりをさせてもらいました。 当日に感じたのは、このマルシェが「ここにいるみんなにとっての居場所」であったこと。 出店側もお客さんもとてもやさしい気持ちでお越しいただいていて

個人でエッセイ集をつくる方法

「個人でエッセイ集をつくるのって、めちゃくちゃ楽しい」 文章を書くのが好きで、それを誰かに受け取ってもらえることが嬉しくて。 このnoteに毎週エッセイを更新しているのですが、やっぱり「紙の本」で一冊にまとめること、そしてそれを誰かの日々の中に迎えてもらって、お部屋の本棚に並べてもらえることは、Webに更新するのとはまた違った喜びを感じます。 「個人でエッセイ集をつくってみたい」と思っている方はきっといると思うし、この楽しさをもっと多くの人に味わってほしい。 そんな想

ちいさなブランドの、目的地の描き方

お店やブランドというのは生き物で、"現状維持" はないのだと、ノートブランド『じぶんジカン』を4年営んできて思う。 それなのにここ数ヶ月、わたしは「現状維持」を望んでしまったがゆえに、先の見えない霧のなかへと突き進んだ。 「現状維持」を望むことのもっとも大きな弊害は、熱量を失うことだと思う。わたしが熱を持てなくなることは、運営ブランドが熱を失うことでもある。わかりやすいもので、それは注文数などの数字に反映する。 とはいえ、売上を拡大したいわけじゃない。数値目標はわかりや

「自分と向き合う時間」をともに過ごす場づくりの試み|じぶんジカンメンバーシップOPEN

人と関わるのが苦手だ。 けれど本当は、人とのつながりを感じたい。 この矛盾した気持ちを、ずっと抱えてる。 「みんなと合わせて動くこと」が得意じゃなくて、どうしても一人になりたくなってしまう。たくさんの人と継続的な関係を築くのも苦手で、コミュニティに入ったりすると息苦しくなってしまう。 それでもやっぱり、誰かと関わりたい。誰かの視点をすこし覗いてみたい。ゆるやかに、つながっていたい。 心地よい距離感で、でも同じ方角を向いて、息苦しくならないぐらいの「ゆるやかなつながり」

ただ「きっかけ」を届ける存在であれたら

誰かに自分の本音をさらけだして、相談したとき。 話している途中から「なんか自分に時間使ってもらっちゃって悪いな……」という気持ちがむくむく膨らんで、気持ちが晴れてなくても、納得できてなくても、相手が望むであろう「相談して悩みが晴れた自分」を装ってしまうことがある。 それは友達や先輩などの身近な人もそうだけど、お金を払って受けたカウンセリングでもそうだったりするから、よっぽど重症。 でも自分ひとりでは、どうしても思考が同じところでぐるぐる留まってしまうことってある。だから

個人事業主に必要な「プロデューサー」の視点

『じぶんジカン』を立ち上げて、あっという間に4年目となりました。 ものをつくるのも自分、ブランドを運営するのも、これからの動きを考えるのも自分。ぜんぶ自分、っていうとこが "個人事業主ならでは" だなあと思います。 このブランドを大事に育てるなかで、最近特に必要だと感じるようになったのが「プロデューサー」の視点です。 『じぶんジカン』のような個人ブランドや、フリーランスで仕事をしている人もそうだと思うのですが、闇雲に目の前のことをやる時期も大切だけれど、自分の意志で「舵

無名の個人ブランドの商品を手に取ってもらうには

『じぶんジカン』というブランドを立ち上げて、早3年目。 大切にしているこのブランドを続けるために重要なのが、「お客さんに来てもらうこと」「商品を手に取ってもらうこと」です。 わたしは有名人でもインフルエンサーでもない "ふつうの個人事業主" で、そんな "よく知らない人" がつくったものを知ってもらうには?手に取ってもらうには?を、いつも考えてます。 今回は、これまで考えてきた「無名の個人ブランドに人を集める方法」を4つ、まとめてみました。自分の知識が広がったら、また更