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夫に ありがとうを言った

先日、電子ブックで「はざまのコドモ」というタイトルの本を購入した。
沖田✖️華さんと 君影草さんの 著書。

君影草さんの お子さんの小学校時代の様子が 漫画で描かれていて
友人から この本を薦められた。

読んでみて、驚いた。
これは 息子だ。殆ど同じと言っていい。
赤ん坊の時、寝かしつけに 2時間以上 掛かるのは当たり前だったし。
知能指数で言うと まさしく境界型なので 支援級に通級することを
教育委員会にねじ込むのに、嘆願書を書いたわ…

読み進めるうちに 自分がこれまでしてきた事が 一気に思い出されてしまい
泣きながら読んだ。

最近、夫が 少しずつ変わってきているのを 感じる。
先日、peopleというラジオ番組で 編集長!お時間です。というタイトルの
番組を聞いた、と教えてくれた。
島耕作でお馴染みの 弘兼憲史さんの番組で choco laboという
全国初の、福祉事業所としてチョコレート工房を作った 伊藤紀幸さんの
ことを聞いたそうだ。
そこで初めて、お父さんが本気になって 子供の将来を思わなくては
子供とお母さんが不幸になっていく現実に、やっと気づいた という事らしい。

障害を持つ子の親たちは いつも 考えている。
自分が亡き後、この子は どうやって生きていけるのだろうか、と。
お金なんて残したって、世の中には悪い奴は山ほどいて 
騙されて 身包み剥がされて 路上生活の末に無縁仏になってしまう、
なんて事は 想像に難くない。
だから 道連れに心中する事件は絶えないし、苦しい悲しい思いで
虐待してしまう親も 居なくならない。
綺麗事で片付けられないほど 障害のある子供を育てるのは 苦難の連続だ。
私も このところ、ひどく嫌になっていて もう逃げ出したい、と思ってきた。

この本を読んで 辛いと思ったのは 
障害を持つ子供が居る 殆どの家庭が 離婚するという現実だ。
お父さんが一人で育てているケースもあるけれども
多くは お母さんが一人で育てているケースだ。
離婚に至るまでには 色々な事があるだろう。
大抵は 手の掛かる子供の 療育や病院通いや 支援や福祉の手続きなどで
必死になっている間に お父さんは寂しくて 浮気してしまって家庭崩壊、
または ギャンブルやお酒にハマり過ぎて 借金ができて離婚。
大まかに言えば そんな感じだ。
知り合いの家では 旦那さんがゲームにハマって 課金しまくって借金作った。
辞めてほしいと言ったら「お前が子供たちを施設に捨ててくるなら可能だ」と
恐ろしい返事が返ってきて、離婚を決意した と話してくれた。
余りのことに 言葉を失って ただ泣いた。

それを思えば 夫は なんだかんだ言いながら 息子を大事にしてくれて
仕事に打ち込み過ぎて帰ってこない事もあったけど それ以外は 品行方正。
ちゃんと家族を見捨てないで居てくれた。

今日は 面と向かって 小っ恥ずかしかったけれど 感謝を伝えた。
「私と息子を 見捨てないでくれて、ありがとう」と。
そしたら 意外な答えが返ってきた。
「俺の奥さんで居てくれて、ありがとう。俺の子供を見捨てないでくれて
ありがとう。二人の子供だ、なんて 綺麗事いったって、俺は何の役にも立てて無かったから、みんな Yに任せてきちゃって 本当にゴメン。今からでも
一生懸命 一緒に取り組むから これからも一緒に生きて行って欲しい。」と。

実は つい先日、義父が無免許運転の現行犯で逮捕されたのだ。
90歳の義父は 昨年 免許更新のハズだった。のだが、
家族には「更新できた」と嘘をついていて 免許更新は出来ていなかった。
物盗られ妄想が激しくなって 自ら警察署に 軽トラで相談に行った時
そこで お巡りさんに「お父さん、今日は どうやって来たの?」と聞かれ
「それは言えねぇ」と 怪しい答え。お巡りさんは ピンときて
「はい、免許証 確認させてね」と言ったら 断固拒否。もう 本当に怪しい。それで、調べて 更新できてない免許証だから、これは無効です。つまりは
無免許運転です。これは違法です。だから 逮捕します、となったわけだ
けれども そういう事案が頻繁に起こっても 対処するのはいつも 私。
15年も前に家を追い出されたはずの私が いつも 不貞腐れている義父を
迎えに行って 警察に頭を下げたりしてる。
今回ばかりは 息子である夫が会社から呼び出されて、事情聴取を受けた。
1時間半 みっちり絞られた。
義父は3時間半だった。警察の方も 大変ですね、お疲れ様です。
軽トラの中には 大きなナタとノコギリが乗っていて、それは銃刀法違反。
考えるだけで 恐ろしい。
しかも 酒瓶まで入ってた。中身は 水だと分かって安心したけれど。 
いっくら良い瓶だからって 松竹梅の酒瓶に お水は入れないでよね、
父ちゃんって感じだ。
こんな状態の毎日が続けば 私じゃなくたって 気が変になりそうでしょ?

そういう毎日を 誰にも話せず、自分だけで処理しながら
自閉症の息子の事で学校へ呼ばれたり、福祉関係の事務所に呼ばれたり
療育のこと、放課後デイサービスのこと、長期休み中のこと、学校のこと
義父母のデイサービスや福祉の手続き、金融機関に迷惑かけてることの謝罪、
あれもこれも 毎日ずっと一人でグルグル走り回っているのに
家に帰って来れば 掃除、洗濯、食事の支度と後片付け、明日の準備などなど
必死に頑張って 平穏な毎日を過ごせるようにと 努力してるってぇのに
お前ら、何してくれとんねん😩って日々になっていく。
疲れたって 座れるのは トイレと、お風呂と、ご飯の時だけ だよ。
誰か代わりにやってちょうだいって言えたら どんなに楽だろうって
何度も思ったし 今でも思ってる。
でも 現実問題、誰も手を貸してもくれないし、誰も助けてくれない。
そんな時、それでもね 「今日も ありがとう。助かったよ。」と
いたわって ねぎらってくれる一言があれば 家庭は崩壊しないんだよ。

小さい頃は 今でいうヤングケアラーだった。
頭痛持ちで 病弱で オツムも弱めだった母に代わって 
掃除、洗濯、炊事、妹の世話をしたけど、
学校で先生に言っても「あなたなら出来るわよ」と鼻であしらわれた。
だから 大人になっても 誰かに助けを求めることが出来なくて
一人で抱え込んで苦しくなっても 弱音を吐けずにいた。

今は、そうだな。
少しだけ 思ったことを言える。
「もう、限界に近いよ。手伝って。休ませて。助けて。」と。
そういう夫婦で良かった。そういう家族になれて良かった。
これからも よろしくお願いします。

 

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