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「差し出された手を取れる」ということ

それは覚悟であり、それが実力なのだと思う。


手を取れる状況じゃないもどかしさ


昨年の12月に母が亡くなった。
膵臓がんだったので、きっと長くはないだろう、という覚悟をしていて
いつ何があってもいいように、何ヶ月も先の予定は入れなかったし
新規のお客様に対して大きな仕事を「やります!」とも言えない日々が
2年以上続いていた。

母が緩和ケアに入った頃
誘われて、オンラインのビジネス交流会に出た。
たくさんの方が私の仕事に興味を持ってくれているのに
積極的に「やります!」「ぜひ!」と言えなかった。
いただくアドバイスも、全て心に留めていたけど
すぐに実行できる時間がどこにもなかった。
かと言って、初めて話しかけてくださる方に
「実は今母が…」
と反応しにくいことを話すわけにもいかず
曖昧に笑顔を返すことしかできなかった。
その会自体を欠席するという選択肢もあったけど、個人事業主が
何ヶ月も動きを止めるのは怖くてできなかったのだ。

病院や実家の手伝いに通いながら家庭と仕事を回す
毎日を過ごすだけで精一杯で
ずっとやりたかったメニューの見直しも、ホームページの整備もできず。
完全に仕方のないことで、後悔もない、むしろあるとすれば
もっと母のそばにいたかった後悔なのだけど

あの時期の、重荷を背負いながら走り続ける感覚はもどかしかった。
そして、そう思うことが、すごく冷たい人間みたいで嫌だった。

12月に母を見送って、1月2月はリスケした予定をこなしていたら終わっていて、3月に家族で体調を崩して、4月になって、やっと
ホームページが今の仕事に合わせてリニューアルできた。
動けなかった時期にいただいたアドバイスも全部盛り込んで、アドバイスをくださった皆さんにお礼の報告をした。

ホームページは、仕事を始めた8年前から運用しているけれど
仕事の内容が少しずつ変わるたびに、2年おきくらいでリニューアルしている。大きな改訂は今回で4回目だ。

https://shaoillust.com/

(タイトスケジュールの中、構築を手伝ってくれたつっかさん、なかじまさん、ありがとう!)


これでやっと、胸を張って仕事します!と言える。

応援、紹介、仕事の依頼、手伝うよ!という声。そんな

「差し出してもらった手を取る準備ができている」

手当たり次第に仕事取らなきゃ!と思う前に
これが本当に大事だと思っている。


手を取る方法は2つある。


自分を紹介するツールがある


これが、どんな人にもできる方法。

ホームページやポートフォリオ
名刺、リーフレット。

そういうものを用意することは、集客のため、という側面もあるかもしれないが、仕事を振ろう、紹介しようと思ってくれる相手への誠意であると思う。

時間をかけて信頼関係を築ける相手には、口頭や、実際の作品を見てもらって仕事を知ってもらい、依頼してもらうことができる。

でも、その人が他の人に自分を紹介しようとしてくれた。
「うちの交流会においでよ!」「セミナーに登壇してみなよ!」
と言ってくれた。

そんな時に、自分をみんなに知ってもらうツールがないのは、致命的だ。
よほどのコミュ強で、その場で仲良くなった人に直接メールを送ったり
自分のできることを説明したりできるなら良いが
それだって、仕事の広がりに限界がある。

だから、自分を紹介するツールを最優先で作ろう。
「この人はちゃんと作れる人だ」という信頼にも繋がる。

オススメは、作る時には他者を巻き込んで、自分にも締め切りを発生させること。
1人だと本当に永遠に後回しにしてしまう。
頑張れば、時間をかければ自分でできることを
お金を払って他の得意な人にお願いしたり
1週間ごとにお互いの締め切りを作って少しずつでも進めたりする。

それでも、日々の業務に押されてなかなか進まないが、少しずつでもやっておけば「いざという時」…つまり、宣伝をしなければいけない機会、自分の実績を見せなければいけない機会が来た時に
ある程度の土台を持って、ラストスパートをかけることができる。

WEB制作を一緒に受けているなかじまさんとのユニット(?)「なかしゃお」のホームページも、急遽新規のご紹介があって、紹介者から「急いで自分たちのホームページ完成させてください!!」と言われたことで完成した。

これもコーディングはつっかさん。きっと彼ももうすぐポートフォリオサイトができるはず。

準備できていなくても手をとり、やりきる覚悟


これが、難しい。

やろう!と決めて発信したり、動き出したりすると
自分とは違う世界にいるような人から
「手伝うよ」「応援するよ」という手が差し伸べられることがある。
無料だったり有料だったり色々だけど
この手を取ることには、すごい覚悟がいる。

なぜなら、この手を取ることに対するお返しは、
お金や言葉でのお礼などではなく

「やり続けること」
「結果を出すこと」
「嘘をつかないこと」
「我を捨てること」

そういうことだからだ。

ホームページも、事業内容すら決まっていなくても
自分に動ける十分な時間がなくっても
自信がなくってもその手を取る。
我流やプライドなんて捨てて、成功するために素直になる。
相手と誠実に関わり続ける、感謝の気持ちを忘れずにいる。

手を取っておいて、相手に何の言葉もなしに
スッと離れたり、動くことをやめたり
感謝を忘れて自分の手柄かのように振る舞ったりしていたら
一気に信頼をなくすことになる。
そんな不誠実なことをして、相手の堪忍袋の尾が切れたなら
関係性はほぼ終わりだ。

正直、高額のセミナーを受けるよりも怖い。
自分の力でホームページを完成させるよりずっと難しい。

それでも、その手を取って、やり続けると決めた人が周りにたくさんいる。
全員のことを紹介することはできないけれど、身近な2人を。

まず、WEBの相方、なかじまさん。
WEB制作のお仕事を一緒にやっているけど、なかじまさんにはもう一つ大きな目標がある。

「洋服が市場に出るまでの環境負荷を測定できるシステムを作り
気候変動や環境破壊を少しでも食い止め、こどもたちに平和な未来を残すこと」

ずっと抱えてきたその想いを隣で聞いていて
でも、想いを広げているだけでは実現できないし。
諦めるにも、やってみないとダメだし。
SUNABACOのなかまこさん猫山課長に一度相談してみたら?」
と伝えた。
なかじまさんは前日、緊張しすぎて息ができなくなって
一緒に深呼吸したりして笑
当日も、周りの人に背中を押されて、なかじまさんは、お2人に相談した。

そこでもらった真摯なアドバイスを受けて、動き出した。
WEBのお仕事とワンオペ育児をしながら
noteを毎週更新して、なかまこさんに紹介してもらった課題図書を時間をかけて全て読み、SUNABACOのアントレプレナーシップ育成講座を受講し、ビジネスコンテストの話を受けて挑戦し、最近は周りの手を借りて実践に踏み出した。

なかじまさんの「受け取る力」をすごいなと思っている。
私も、こんな人がいるよ!会いに行こう、一緒にやろう!とお手伝いさせてもらっているのだけど、それを受け取るって勇気がいると思うのだ。
自分のペースや考えを捨てて、相手の提案に乗る勇気。
関わる人が増えて、止まれなくなっていくことを背負い続ける根性。
そして、いつも心を寄せてくれる人たちに感謝を忘れない心。
こういう人が応援されるんだろうな、っていつも思う。

受け取るって、与えるよりずっと難しい。

手を差し出す方にも勇気はいる、でも、その手を取るには覚悟がいる。


そして、地元・北海道江別市の農家さん、宮川農園の、育美さん。

Xでは時の人となっており、宮川農園のお米は本当に美味しくて爆売れしている。

初めて出会ったのはもう、10年くらい前、私が市役所の農業振興課で働いていた時。しかも1回だけ。
あれから10年…こんな苦労をしてきたなんて知らなかった。

昨年の4月、育美さんがさらに踏み出そうとしたタイミングで、SUNABACOで再会した。
現在、宮川農園は、SUNABACOのなかまこさん・若林さんを顧問に迎え、猫山課長を財務の先生として、経営の再建と新事業に取り組まれている。
周りには、応援したい!という人がたくさんいる。
その声に応えるべく、日々学びと行動を積み重ねて、先生たちのアドバイスを真摯に受け止めて、発信している。

育美さんのすごいなと思うところはたくさんあるけど、自分の未熟さや本心を隠さずにさらけ出せるところ。

プライドを捨てられずにいると、自分の手の内を人に見せるなんてできないし、声も出せない。外用に作った自分を演じてしまう。

それも悪くない。でも、リスクを避けて、プライドを守って隠せば隠すほど、他者と関わるチャンスを逃し、人生は遠回りになる。

育美さんがチャンスを掴んでいるのは、性格でも、声の大きさ(大きいって言ってるわけじゃないwすみませんw)でも、恵まれているからでもない。

背負って進む勇気と覚悟。

人はそれを敏感に感じ取る。

「応援したい!」のいう気持ちのもっと底には
応援される人がちゃんと自分の人生を背負っている、というのを感じ取って
「この人のこと、応援してもいいんだ!」という安心感がある。

私はできてるかな


冒頭の自分の話に戻る。
今の私に、心配することは何もないはずだ。
母をちゃんと見送った。
父も弟も、何とかやってる。
4歳と8歳の育児は大変だけど、育児はこれから先もずっとついてくることだから、これがあるからできない、とは言えない。
夫のブロックは、いつの間にかなくなった。

私を止めるものは何もない。

私が極めていきたいこと…
「人とちゃんと関わること、自分と違う人たちと仕事をしていくこと」
そのためのメンターについて、まずは数年、やっていくと決めた。
今年一年で地盤を固めたら、自分の積み上げなんてなかったような気持ちでまっさらにして、新しいステージに挑戦しようと思っている。

SUNABACOでも、経営や財務のことを引き続き学びながら実践に落としていく。
そして私に足りないのは、自分の全てをさらけ出したり、差し出されるもの全てを受け取り感謝するような気持ち。

それでも、いざという時に勇気が出せるように、毎日コツコツ進んでいこうと思う。

チャンスを掴むには、掴んでやりきる力をつける準備と、準備ができなくても飛び出す勇気、どっちも必要だ。

あなたには、それがありますか?




まっとうにやる、ということの大切さを教えてくれて、同時に、自分として堂々と生きることを思い出させてくれたSUNABACOのサイトはこちら。
今は、LP制作という名の、事業に必要なこと全般を学べる「LP基礎コース」
というおばけみたいなコースで学んでいます。
(講座は、全8回中の3回目に突入したけど、まだアーカイブ追っかけて滑り込むの間に合っちゃうかもよ……)


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