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7/3 ニュースなスペイン語 Dejar el atril vacío:欠席する

「欠席する」と言っても、「授業」とか「会議」には使わない。

辞書には「atril」は「書見台(ショケンダイ)」とか「譜面台」とある。

譜面台は想像つくとして、書見台を画像検索すると、以下のような台が出てくる。

むむむ、小生は使ったことないが、まぁ、タブレットを使う時にあれば便利かな。

一方、atrilを検索してみると、以下のような台が出てくる。

まぁ、いわゆる「演台」というものか(ちなみにアマゾンで8万2000円で購入できる)。

さて、前置きが長くなったが、タイトルの「dejar el atril vacío」とは「演台を空にする」が直訳で、転じて、「講演会や討論会を欠席する」となるようだ(不勉強の小生は初めて見た表現だが、クグッて見ると、けっこう出てくる)。

勝算より負ける可能性が高い状況下では、人は普通、議論を避ける傾向にあります(se suele tener tendencia a evitar debates cuando los ves como una situación en la que tienes más que perder que ganar)

(ん〜、分かる、分かる!)

総選挙(elecciones generales)を今月23日に控え、スペイン国営放送(RTVE)が企画しているテレビ討論会(debates)のいくつかを、国民党(PP)党首アルベルト・ヌニェス・フェイホ(Alberto Núñez Feijóo)が欠席するとしていることについて(1日の小欄を参照)、ある専門家は上のように述べた。

これは、「今回の選挙戦で起っていることの縮図(es un reflejo de lo que está pasando en esta campaña)」というのは面白い見方。

5月末の選挙で辛酸をなめたスペイン社会労働党(PSOE)党首のペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)やスマール連合(Sumar)のヨランダ・ディアス(Yolanda Díaz)は、今回の総選挙で勝ちに行く気満々なのか、メディアが企画している全ての討論会に出席する意向を示している(han insistido en su voluntad de participar en todos los debates que planteen los medios)。

一方の国民党は5月末の選挙では大勝を収めたもののの、フェイホは内心、総選挙が怖くて怖くてしょうがない、ということになるか…。

討論会への欠席の決定は「le puede perjudicar(フェイホには不利に働くかもしれない)」との見解の他、同じ路線だが、次のような見方もある。

他の全員が出席する中、ひとりだけ欠席するのは危険です(dejar el atril vacío cuando todos los demás van es arriesgado)

今回のキーワードを使いこのように警告する。

事実、2012年のアンダルシア州選挙で討論会に参加しなかった候補者が選挙では不利になった(lo que le perjudicó electoralmente)という。

そして、先の専門家は次のようにも語っている。

行かない理由の説明をどうするかには大変気を遣わなければなりません(Hay que ser muy cuidadoso con cómo gestiona la explicación para no ir)

とし、今回の欠席については、説明が「難しい(es complicado)」という。 

欠席が吉にはならないのなら、果たして、凶となるか大凶と出るか…。

写真はフェイホ。

出典(討論会の役割や影響力についてもいろいろ面白いことが書いてあるので、また、とりあげるかも)
https://www.rtve.es/noticias/20230702/debates-agitan-precampana-importancia-elecciones/2450917.shtml