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7/22 ニュースなスペイン語 Accidente fortuito:偶発的事故

牛は動物、人は今回起きたような偶発的事故に敢えて挑戦している(El toro es un animal y la gente se arriesga al tipo de accidentes fortuitos que se han producido)――。

この度、発生した「偶発的事故」に対して主催者側(concejaría)が出したコメントがこれである。

何が起きたのか……。

この時期、バレンシア州(Comunitad Valenciana)では、バレンシア語で「ボウス・アル・カレール(Bous al carrer)」と呼ばれる牛祭り(festejo taurino)が開催される。

雄牛たちを市街に解き放つ――。こんな意味の祭りから想像もつくが、パンプローナの牛追い(Encierro)と同様、シロウトが荒れ狂う牛たちから逃げまくるイベントである。

このボウス・アル・カレールで今年は3人の愛好家(aficionado)が雄牛の角に突かれ、命を落とした。このイベントでは、過去にも死者が出ているので、主催者側は「安全ルール(protocolo;medida de seguridad)を徹底していたというが……。

亡くなったのは50歳、56歳、60歳の男性。

最後の60歳の男性はフランスからの観光客だったらしい。

この種の事故の報道は、日本ではまずないだけに普段、あまり、お目にかからない表現の宝庫だ。

今後、使うことはないかもしれないが、一応、メモはしておこう。

○ golpe fortuito「不意の一撃」
○ recibir una cornada「角の一突きを食らう」
○ Fue levantado「(倒れたところ、牛に、角で)持ち上げられた」
※スペイン語では、あまり、「ser+過去分詞」で「受身表現」は使わない
○ Fue pisoteado「(牛に)踏みつけられる」

ところで今回亡くなった人のうちのひとりは、祭り好きとして「近所でも評判(muy conocido por sus vecinos)」だったらしい。唯一、名前が公表されている男性で、ジョゼップ・アントニ・ガルシア・アルナウ(Josep Antoni Garcia Arnau)。

ジョゼップは幼いときから祭りに尽力してきて、「蚤男(El Poll)」の愛称(apodo)で街人から愛されていた(querido)。地元の市役所が、祭りの80年代・90年代の活動拠点の「魂(una de las almas)」などコメントを出すくらい有名人だったみたいだ。

7本のろっ骨(costilla)が折れ、うち一本が肺にまで達していて、これが致命傷になったという。

傷はかなり痛かったかもしれないが、祭り好きの本人としては覚悟の上、誰も恨んじゃいないだろう。

祭りバカの小生としては、ジョゼップはじめ、今回の祭りで亡くなった牛野郎たちに、心から哀悼したい。アーメン。

写真はボウス・アル・カレールの一コマ。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20220720/muertos-bous-carrer-comunidad-valenciana/2389902.shtml