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12/15 ニュースなスペイン語 Legítimo:合法的

昨日の記事では

カタルーニャ共和主義左翼(ERC)の党首ウリオル・ジュンケラス(Oriol Junqueras)が、とあるインタビューの中で、市民が自分たちの将来を投票によって決める「全ての方法(todas las vías)」は、たとえ、それが「一方的(unilateral)」であっても、「民主的(democrática)」であると語った――。

というようなことを書いた。

つまり、カタルーニャ州の主要政党の党首が、明言はしないまでも、同州の独立を問う住民投票(referéndum)を公の場でちらつかせたのである。

で、その続報。

ジュンケラスのこうした態度に対して、当然、中央政府の要人たちは、こぞって、断固(rotundamente)反対の表明を出す。

口火を切ったのが、大統領省(Ministerio de Presidencia)大臣のフェリス・ボラニョス(Félix Bolaños)だった。

ボラニョスは「いかなる場合も住民投票などありえない。交渉を通じたものであっても、一方的なものであってもだ(No va haber en ningún caso un referéndum ni por la vía pactada ni por la vía unilateral)」と住民投票を完全否定。

これに、財務大臣(ministra de Hacienda)のマリア・ヘスス・モンテロ(María Jesús Montero)も続く。

そして、カタルーニャ出身で、文化振興大臣(ministro de Cultura)のミケル・イセタ(Miquel Iceta)は、スペイン語で「住民投票はない(No va a haber referéndum)」と述べた後、同じ内容をカタルーニャ語でも「No hi haurá referèndum」と言い、念を押した。

こうした情勢の中で異彩を放っているのが、連立与党のポデモス党(Podemos)党首イオネ・ベラーラ(Ione Belarra)の、タイトルにも挙げた、住民投票は「合法的」との表明だ。

曰く

(住民投票は)議論しなければならないことで、交渉のテーブルに置くことは完全に合法的である(Es algo que hay que discutir y es muy legítimo plantearlo en una mesa de negociación)。

正確に読めば、住民投票を議論の俎上に乗せること自体が合法と言っているわけだが、まぁ、それすらも認めたくもないペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)政権にとっては、頭痛のタネであることに間違いない。ポデモス党は、連立パートナーだけに、ムゲには、扱えまい。

横領罪(malversación)の改定について、ベラーラは、スペインが「多民族(plurinacional)」であるためには「必要不可欠な道(pasos imprescindibles)」と述べた。

ERCは、この度、カタルーニャ州独立を問う住民投票の条件を挙げた。

① 投票率は50%以上であること(50% de participación)。
② 独立の賛成票が55%以上であること(55% a favor del "sí")。

5年前の騒動以降鳴りを潜めてきた独立派が、横領罪の減刑の公算が高まったことで、急に存在感を増してきた。

あのゴタゴタの再来か・・・・。

写真はボラニョス(左)とベラーラ。厳しい応酬が聞こえてきそうな画だ。

出典https://www.elmundo.es/espana/2022/12/14/6399a3cce4d4d8e5618b4575.html#amp_ct=1671049376114&amp_tf=%251%24s%20%E3%82%88%E3%82%8A&aoh=16710493684951&referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.com&ampshare=https%3A%2F%2Fwww.elmundo.es%2Fespana%2F2022%2F12%2F14%2F6399a3cce4d4d8e5618b4575.html