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10/29 ニュースなスペイン語 Manos manchadas de sangre:血に染まった手

かなりショッキングな表現である。

これが第二副大臣(segunda vicepresidenta)が記者会見の席で言った言葉となれば尚更だ。

第二副大臣であり、労働大臣(Ministra de Trabajo)のジョランダ・ディアス(Yolanda Díaz)は27日、記者会見を開き、20日に施行(entra en vigor)した「民主的記憶法(Ley de Memoria Democrática)」に基づき、フランシスコ・フランコ(Francisco Franco)らにかつて授与された功労勲章(medalla al mérito)をはく奪する(retirar;desposesión)と発表した。

民主的記憶法については、また、機会を改めて紹介するが、ひとことで言うと、フランコによる独裁政権下(dictadura franquista;regimen~)での様々な汚点を総清算するための法的枠組みである。

会見で、ディアスは、フランコをはじめとする独裁政権の首脳陣らを、タイトルにあげた「血に染まった手」の人々と呼び、彼らにかつて(1900年代の中盤頃)授与された功労勲章をはく奪するのに、これほどまでに時間がかかったこと(tiempo tardado)を詫びた(pedir disculpas)。

今回の勲章剥奪は、新法である民主的記憶法の第42条(artículo 42)に基づく執行という。

第42条は概ね、次のようなことを定める条項である:

政府によって授与された勲章は、被授与者がフランコ政権の抑圧に関与していること、もしくは、民主主義の価値と人権の尊重にそぐわない行為を犯したことが判明した際に、再検討することができる(la opción de revisar precios y galardones concedidas por el Gobierno cuando el beneficiario haya formado parte del aparato de represión franquista, o por incurrir en conductas incompatibles con los valores democráticos y el respeto a los derechos humanos)。

この条項を踏まえ、ディアスはフランコ独裁政権の首脳陣にこうした功労勲章を授けること(esos reconocimientos a dirigentes franquista)は「恥ずべき行為(infamia)」と認定した。

政府が自らの責任を認め、これを正すのに、少なくとも80年くらいの年月が経過したか。何と時間のかかることか・・・。

写真は会見の場で功労勲章のはく奪を発表するジョランダ・ディアス。感極まっている(emocionada)様子がうかがえる。フランコ独裁政権の残した、様々な負の遺産を正す一歩がようやく動き出す。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20221027/gobierno-retira-medalla-trabajo-franco-franquistas/2407148.shtml