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6/22 ニュースなスペイン語 Zódiac:ゴムボート

ゾディアック社が開発・販売しているモーター付きのゴムボートの商標が「ゾディアックボート」だったらしいが、いつの日か、ゴムボート全般を指すようになったらしい。

ホチキスが紙止め全般を指すのと同じか(最近は「ステープラー」という表記も見かけるが…)。

記事では、ゴムの小型船(lancha neumática)という表現も出てくる。

スペイン語では女性名詞扱いだが、例えば、フランス語では男性名詞のようだ。

さて、西サハラのボジャドール岬(Cabo Bojador)から出発したとみられるゴムボートがグラン・カナリア島(Gran Canaria)の南方の沖合約162キロメートル付近で、スペインの救難捜索機(avión de Salvamento)によって発見されたにもかかわらず、その後、スペインが救援活動をしなかったことが問題となっている。

ことの一部始終が救援に関してはスペインの責任管理下にある海域であったにもかかわらず(todo ocurrió en aguas bajo responsabilidad española en materia de salvamento)だ。

ボートには女性5名、幼児1名を含む約60名が乗船していたというが、結局、モロッコからの救援を一晩待ったものの、ついに難破し、幼い女の子1名が死亡、35名ほどが行方不明となった。

モロッコの救援隊が現場海域に駆け付けるまでのあいだ、付近を航行中のコンテナ船(portacontenedores)が救援信号(petición de ayuda)をキャッチし、ボートに接近して、サポートしていたが(permaneció  junto)、介助の甲斐なく、ボートは難破した。

今回の救助チームの対応について、人権団体はスペインは重大な「怠慢(una negligencia)」を犯し、「救援の義務を省略した(omisión del deber de socorro)」と批判している。

ちょうど一週間前、ギリシア沖でリビアからの難民70数名が死亡した事故が大きく日本でも報じられたが、実は、今回のような小規模な遭難事故は、残念ながら、スペインでは頻繁に起きている(が、日本では報じられることは、まず、ない)。

写真は今回難破したと見られるゴムボート。大海原にポツンとある感じ。

本家のゾディアックボートは軍事用にも使われるくらい性能も強度も高いのだろうが、今回のようにアフリカなどからスペインを目指してやってくる人々が乗っているボートは粗悪なものだろう。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20230621/menor-muerto-treintena-desaparecidos-naufragio-canarias/2450171.shtml