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11/9 ニュースなスペイン語 Gases lacrimógenos:催涙ガス

昨日の小欄でも紹介したが、スペイン社会労働党(PSOE)がフェラス通り(Calle Ferraz)に構えるマドリード本部に、数百人を超える人々が押し寄せ、同党が成立を目指している「恩赦法(ley de amnistía)」に対して抗議活動を行った(protesta)。

この抗議活動を直接招集したのは「レブエルタ(Revuelta)」という若者の集団だが、彼らに裏で糸を引いていたのは、極右政党のボックス(Vox)だった。

だから、と言う訳ではないが、今回の抗議活動に参加した輩は、何かと、気性が荒い。

極右の恰好をした約200名(unas 200 personas de estética ultra)が治安部隊(fuerzas antidisturbios)に対してもの(objetos)を投げてきたため、部隊は彼らに対して、催涙ガスで応戦した(estos respondieron en momento lanzando gases lacrimógenos)という。

この事態に対して、国民党(PP)と、何より、ボックスは猛抗議。

ボックスの党首サンティアゴ・アバスカル(Santiago Abascal)は催涙ガスが、参加者の家族(familias)や未成年(menores)、それに、平和的に抗議している人々(gente pacífica)に投じられたと指摘。

その上で、これは、ペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)臨時政府が、抗議活動をつぶすために周到に仕組んだ決定だ(ha habido una decisión deliberada del Gobierno para destruir esta convocatoria)と持論(a su juicio)をはさみつつ、非難した。

当局の発表によれば、最初は(en un primer momento)、警告の意味も込めて(a modo de advertencia)、無毒の煙(humo inocuo)の出る発煙筒(bote)を投げて応戦したという。

あくまでも、催涙ガスの使用(cargas)は「バランスが取れていた(proporcionadas)」、つまり、適切だったというのが当局の主張。

小生は幸い、催涙ガスを投げられたこともないし、そういう場面にも遭遇したことがないので、どんな威力なのか分からないが、相当のものらしい。

クロロベンジリデンマロノニトリル(clorobenzilideno malononitrilo)という化学物質を含んだガスのようで、目や皮膚にもチクチク・ヒリヒリした痛み(picor)、焼けるような痛み(ardor)などを引き起こし、涙を誘発(lacrimación)するという。

このガスを吸い込むと(al inhalarse)、咳(tos)や窒息感(sensación de ahogo)の他、唾液を分泌させ(salivación)、胸の圧迫感(opresión en el pecho)などの症状が出るらしい。

ここまでは野外(espacios abiertos)での使用のお話し。

これが、室内(espacios cerrados)や過度な使用(uso abusivo)だと、嘔吐(vómitos)や下痢(diarrea)、目に重大な損傷(daños oculares graves)が発生する。

スペインではその使用は認められていて(permitido)、群衆を解散させるため(dispersar aglomeraciones)に使われるという。そして、サンチェス政権では、少なくとも、30回(al menos 30 ocasiones)の使用が確認されているという。

こんなガスが撒かれそうなイベントには参加しないのが身のため・・・。くわばら、くわばら。

写真は対峙する治安部隊と抗議活動に参加した人たち。

どうやら、この催涙ガスは第一次世界大戦(I Guerra Mundial)の時に使われ始めたそうだが、後に戦争での使用が禁じられた(tras ese conflicto se prohibió su uso en guerras)という。

むむむ、戦争で使っちゃいけないものを、平時に、しかも、(暴徒と化したとて)丸腰の一般市民に使えちゃうのは、いかがなものか。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20231107/gases-lacrimogenos-efectos-produce-regula-uso/2460346.shtml