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5/1 ニュースなスペイン語 Hijo en apuro:困った子

ペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)首相 の続投宣言については、分析記事やら、野党からの批評やら、たくさんの記事が発信されているが、ちょっと、食傷気味。

なので、別の話題と思ったのたが、これはこれで、気は晴れないし、しかも、かなりの既視感があるお話し。

スペイン語では「困った子方式(el método del hijo en apuros)」と呼ばれる手法で、238人から85万ユーロ(約1億4000万円)以上を騙し取った詐欺グループが治安警備隊(Guardia Civil)によって壊滅に追いやられた(desmantelan)。

「困った子」を何とかしたい親心に漬け込んだ詐欺のお話し。

つまり日本でいうところの「オレオレ詐欺」とか「特殊詐欺」の類。

被害者からカネを振り込ませた(transferencia)500以上の銀行口座(cuenta bancaria)が特定(localizado)された。

被害者は少額でも800ユーロ(約13万4000円)、多額の場合、5万5000ユーロ(約920万円)を振り込んでしまったようだ。

男性74人、女性28人の犯行グループ。

年齢層(edad comprendida)は下は20歳、上は60歳。

逮捕者は、アンダルシア州のグラナダやマラガ、バレンシア州のアリカンテ、カタルーニャ州のバルセロナ、そして、マドリードと、北部を除く地域で、出ている。

日本では、近年、もっと劇場的で、複雑になっているが、スペインはまだ原始的な手法。

詐欺グループは、こどもが実家を出ていて、一人暮らしをしながら学業をしているか、旅に出ているという共通の特徴をもったターゲットとする人の身の上を調べ上げる(los estafadores estudian el perfil de las potenciales personas perjudicadas, cuya característica común es la de tener un hijo emancipado, estudiando fuera o de viaje)。

そして、子どもになりすました(haciéndose por hijos)詐欺グループは、携帯に問題があって(tienen un problema con su teléfono)、いつもとは違う番号であることを正当化する(Para justificar el número de teléfono)。

詐欺グループの会話はたくみで、まず、いつもの挨拶(un saludo personal)をすることで、瞬時に信頼を得る(una conexión emocional instantánea)。

そして、自分が今すぐ解決しなければならない問題を抱えていて(se encuentran en un problema que deben resolver inmediatamente)、そのためにはすぐお金を振り込まなければならない(y para lo que necesitan un pago)という、日本でもおなじみのテクニックが続く。

親が子を思う気持ちは、残念なことに、日本でも、スペインでもカネになる。

この度、(特殊詐欺先進国である日本から見ると)非常に原始的な手法を武器に約1億4000万円を騙し取ったグループが摘発されたが、恐らく、今後は、登場人物が次々に出てくるような、日本的な劇場型の詐欺も今後流行るかも。

写真は「困った子」に成りすました詐欺グループからのメッセージのイメージ画像。

子:お願いがあって…
親:言ってみなさい。
子:ちょっとした支払いがあるんだけど、手元にクレジットカードがなくて…

とある。

これに、「代わりにお金を振り込んでもらえないかな。カードが戻ってきたら、すぐに返すからさ(Me podrás hacer una transferencia y te lo devuelvo al tener la tarjeta en mano)」というお馴染みの文句が続く。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20240430/100-detenidos-espana-estafar-metodo-hijo-apuros/16082846.shtml