見出し画像

9/27 ニュースなスペイン語 Discurso de investidura(1):施政方針演説(1)

国民党(PP)党首であり、首相候補(candidato a la Presidencia del Gobierno)でもあるアルベルト・ヌニェス・フェイホ(Albero Núñez Feijóo)が施政方針演説を26日に行い、首相の座を巡る決戦の火ぶたが切って落とされた。

今朝の国営放送(RTVE)のホームページは、当たり前だが、この話題で埋め尽くされていて、しかも、各党の代表質問の様子なども報じられているので、ちょっと、情報過多気味で、ムネヤケしそう(ゲフッ)。

今回参照した記事は、フェイホの演説から10個のキーフレーズを引用し、要領よくまとめてるので、これを参考に、施政方針演説をざっと振り返っておこう。

① 私はカタルーニャ独立派の恩赦は認めない。私には譲れない原則があり、超えてはならない限界も知っている。まずは対話からだ(No voy a defender la amnistía, tengo principios, límites y palabra)。

随分、言葉を足して訳したが、演説の最初に持ってきたところあたり、フェイホ自身の強い信念が伺える。しかも、

この要求された恩赦について、国民は一切の同意を求められていないので、結果として、国民が認めていないも同然である(Para lo que demandan, ni se pidió consentimiento a los españoles, y en consecuencia los españoles no lo concedieron)

と、恩赦は民意の審判を受けていないというところが主張の要。

② 私は首相になるための票にもう手が届いているが、首相と引き換えに代償を払うことは認めない(Tengo a mi alcance los votos para ser presidente, pero no acepto pagar el precio)。

これは①と合わせて、スペイン社会労働党(PSOE)党首であり、現臨時首相であり、そして、フェイホの最大のライバルでもあるペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)陣営との違いを見せつけている箇所。

サンチェスはカタルーニャ独立派の恩赦を条件にカタルーニャ州からの支持を得た(と思っているようだが、途中ではしごが外されるという、大どんでん返しがないとは言えない)。

③ 私は刑法の枠組みに「憲法に対して不誠実である罪」を導入することを提案する(Propongo incorporar al Código Penal un delito de deslealtad constitucional)。

ネット上には早くも「憲法に対して不誠実である罪」についての解説サイトが立ち始めたので、今後、いろいろ議論されるかもしれない。とりあえず今回は中身がよく分からないので、「憲法に対して不誠実である罪」という何ともスワリの悪い訳語を付けたが、追々、修正してゆこう。

サンチェス政権下では、暴動罪(sedición)が見直され、より量刑が軽い「公的混乱罪(desórdenes públicos agravados)」という刑罰が導入されたが、この度のフェイホの提案は、かつての暴動罪を復活する意図(recuperar el espíritu del de sedición)があるようだ。

④ 完全なる無料は何も良いことはない(El gratis total no hace ningún bien)。

サンチェス政権下では、映画やら交通機関やら図書券やら、いろいろな部門で無料(割引)チケットが大盤振る舞いされた。

その結果として、国民は42の分野に及ぶ様々な増税を耐えなければならなくなった(sorportar 42 subidas fiscales)と指摘した。

何をするのにも、やはり、財源が必要で、どこかを無料にすれば、そのしわ寄せは必ず他に出るーー。サンチェス政権のバラマキ体質を批判した形。

予定より8分遅れの12時08分から始まった施政方針演説だが、終わったのは13時51分。国民党の周辺筋によると、当初は「1時間半くらい(alrededor de hora y media)」の予定だったらしいので、20分ほど上回った形。

ふぅ、お腹がいっぱいになったので、続きは日を改めよう。

写真は演説中のフェイホ。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20230926/frases-discurso-debate-investidura-feijoo/2456844.shtml