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12/10 ニュースなスペイン語 Acto coherente:首尾一貫した行為

今、ペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)政権で、左派勢力がゴタゴタしている。

7日の小欄でも紹介したが、スペイン社会労働党(PSOE)と連立(coalición)を組んでいるスマール連合(Sumar)から、ポデモス(Podemos)が5人の議員と共に脱退し、議員党派のグルーポ・ミスクト(Grupo Mixto)に合流した。

政権与党から、より小さな党派に移るのだから、まぁ、都落ちの感がある(失礼!)。

脱退の経緯や、スマールとポデモス両党の非難合戦は7日の小欄に譲ろう。

今回のお話しはスマール対ポデモスの第2回戦。

争点はスマールを離脱したポデモスが握っている議席(escaño)はどこに帰属するかという問題。

スマール連合の報道官マルタ・ロイス(Marta Lois)は議席はスマールに返還すべきとした(deberían devolver su escaño)。

そして、ロイスは、議席をスマールに返還することは「首尾一貫した行為」だとし、チクリと嫌味を付けた。

ロイスの脳裏にあったのは、かつて、ポデモスを脱退したある議員(メリ・ピタ(Meri Pita))が、(奇しくも)グルーポ・ミクストに合流したことがあって、当時の党首であったイレネ・モンテロ(Irene Montero)がこの議員に議席の返還を求めた(exigió su escaño)という点。

ピタに議席の返還を求めたのだから、5人分の議席もスマールに返還するー。

これが「首尾一貫した行為」となるわけだが・・・。

ポデモスに言わせれば、かつてのピタの離脱は、一個人による勝手な判断(decisión individual)で「鞍替えによる裏切り(transfuguismo)」であるのに対して、今回の5名の離脱は一致団結した皆の判断(medida colectiva)なので、ピタの一件とは違う(no se asemeja)らしい(だから、議席は返還しないということなんだろう)。

スマールとしては、5名の離脱議員こそ「鞍替えによる裏切り」としているわけだが、ポデモスとしては、その批判は「重大で誤解を招く(grave y engañoso)」と逆に批判している。

ロイスは、ポデモスのこうしたけんか腰の反応(confrontaciones)やこれまでの数々の個人攻撃(descalificaciones personales)に対して、国民はうんざりしている(están hartos)と指摘した。

ポデモスは現政権で大臣職をひとつももらうことができなかったこと(11月22日の小欄を参考)で、(かんしゃくを起し)政権の中核から自ら離脱した。結果、独自の理論で、議席の返還を拒む。

議席を持つことは、すなわち、採決・投票の際、党員拘束を受けるということ。

だから、スマールを離れれば、その議席権は、お返しするというのが、まぁ、スジなんだろうけどね。

こういうのを「貧すれば鈍する」というのかな。

まだ、スマール連合とポデモスの戦いは続きそう。

写真はこの度、スマール連合を離脱し、グルーポ・ミクストに合流した5人衆。

左からイオネ・ベララ(Ione Belarra)、リリス・ベルストリンへ(Lilith Verstrynge)、ハビエル・サンチェス・セルナ(Javier Sánchez Serna)、ノエミ・サンタナ(Noemí Santana)、マルティナ・ベラルデ(Martina Velarde)。

出典
https://www-infobae-com.cdn.ampproject.org/v/s/www.infobae.com/espana/2023/12/07/sumar-cree-que-los-diputados-de-podemos-deben-devolver-su-escano/?amp_gsa=1&amp_js_v=a9&outputType=amp-type&usqp=mq331AQIUAKwASCAAgM%3D#amp_tf=%251%24s%20%E3%82%88%E3%82%8A&aoh=17019448920866&referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.com&ampshare=https%3A%2F%2Fwww.infobae.com%2Fespana%2F2023%2F12%2F07%2Fsumar-cree-que-los-diputados-de-podemos-deben-devolver-su-escano%2F