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4/2 ニュースなスペイン語 Trastornos de la conducta alimentaria:摂食障害

ダイエットしなくちゃ(Tengo que ponerme a dieta)、もうありえない!もう夏が来るって言うのに!(no puede ser, ahora llega el verano...)ーー。

男女問わず、こんなことを思ったり、時に、口走ったりすることはあるが、実はこうしたメッセージが子供たちには大きなインパクトを与える(un impacto en los niños)という。

スペインでは摂食障害に苦しむ子供たちが増えている。

マドリード市のある小児科医院では近年、子供の摂食障害の入院患者が22%増加したらしい。

摂食障害の子供は平均で11歳~12歳、9歳の患者もいるという。

スペイン全体で、この12年間で摂食障害の患者は12%も増加し、現在、国内では、約40万人がこの病と闘っている。

こうした不幸な病気を未然に防ぐために、専門家たちは、子供たちのSNSの使用(su uso de las redes sociales)とネット上に蔓延する身体的な特徴によるパタン分け( patrones físicos)に対して、特別な関心(atención especial)を向けるべきと警鐘を鳴らす。

そして、ある専門家は次のように話す。

若者は多くの時間を家で、しかも、家族の誰とも交流もせず、ひとりで過ごすことで、痩せていることが成功ととらえてしまうことがあり、これこそが我々が考えなければいけない問題なのです(Que los adolescentes pasen mucho tiempo solos en casa, en que no haya una comunicación en las familias y esa idea de delgadez como fenómeno de éxito son los factores que tenemos que abordar)。

冒頭のような、何気ない、大人の一言が、特に、情報の偏りがちな少年少女たちにとって、太っていること=失敗、痩せていること=成功、という単純なイメージを与えやすくなるということだろう。

専門家たちは、 身体的な見た目とは切り離した自己肯定感を強化するために(se busca reforzar la autoestima desligada de la apariencia física)、小学校における早期教育(la enseñanza temprana en los colegios de primaria)で、ワークショップ(talleres)を導入している。

支援の輪を広げ、小さい時から美に対するプレッシャーに対して批判精神を育んでゆく(tejer una red de apoyo y desarrollar el sentido crítico hacia las presiones estéticas desde la infancia)ーー。ワークショップが目指すところのようだ。

美の基準(cánones de bellezas)について取り上げたワークショップに参加した子供たちの反応を見てみよう。

・もっと痩せるたいか、腹筋をめきめきにしたいから、食べるのをやめちゃうんだよね(Dejas de comer para ser más flaco porque tú piensas que tienes que ser más flaco o tener tableta)
・誰か知らない人を見たら、すぐ見た目で判断しちゃうかも(No conoces a una persona y ya empiezas a juzgarla por su físico)

いろいろ思うところがあったようだ。

とは言え、専門家たちによれば、摂食障害の治療のための外来はとても少ない(de pocas unidades)という。

それは、摂食障害がうつ(trastorno depresivo)や強迫観念(trastorno obsesivo compulsivo)といった、他の精神疾患と同時発症(comorbilidad psiquiátrica)するため、専門外来が設置しにくいためだ。

ただ、日本にはあるので、できなくはないんだろうけど…。

3月18日の小欄で、今、スペインでは、若者(というか子供)がアンチエイジングの化粧品を買いあさる現象が社会問題になっていると紹介した。

摂食障害と、多分、同じ根っこの問題だろう。

あ~あ、小じわが目立ってきたなぁ。何とかしないと・・・

なんて言わないで、大人たちが、しわは人生の生き証人、多少の太っちょは幸せの生き証人と意識を変えれば、子供も変わるかも。

写真は子供の摂食障害のイメージ画像。

摂食障害には大きく分けて拒食症(anorexia)と過食症(bulimia)がある。

ところで、本文中に引用した子供の表現に「tener tableta」というのがあった。

まさか、「タブレットを買ってもらう」じゃなかろうと思って、ちょちょいとググってみたが、はっきりとは出てこない。

何となく、強い体幹(core fuerte)とかシックスパック(six pack)関連の語かな・・・。

何かご存じの方、ご教示ください。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20240331/trastornos-conducta-alimentaria-aumentan-entre-menores-vemos-pacientes-incluso-nueve-anos/16038616.shtml