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子どもオジサン・子どもオバサンが増えている(特にメディア)

年齢差マウントをとってくる人たち


「じゃね?」(方言ではなく)とか言っちゃう中高年のオジサンとか娘や孫が着るようなスタイルの中高年女性をたまに見かけます。ドクロ付きはちょっと…。タイムボカンにしか見えないしゲバラシャツも、ね。

私が中高生の頃、80年代・90年代は10代が大人のファッションを真似ていました。模試にイタリアンスーツという人も目撃したことがあります。しかし今は還暦過ぎでも若作り!

そう世は子どもオジサン・子どもオバサンの時代なのです。

たまに左界隈の人からTwitterで絡まれる時に「オッサン」とか年齢でマウントを取ってくるケースがあります。まあオッサンは事実だし誰でもオッサンに向かうものです。

話題のColabo代表理事の仁藤夢乃さんのこの画像は有名です。なるほど「キモいおじさん」ですか。そちらが年齢差を持ち出すならこちらも言いましょう。32歳でギャル感のニュアンスを出すけども

「アナタ様もしっかりおばさんだよ」

だからこういう醜い話になってしまうから年齢差やルックスは論評で持ち出すべきではないんです。面白いことに「キモいおじさん」という表現にシンパのおじさんまで小躍りしているのが不思議。

若さは能力や素養なのか!?

ここで重要なのが若い=カッコいい、イケてると考えている人が少なからずいることです。もっと言えば若さが一種の「能力」や「素養」になっていること。

そこをいくとマスコミ関係者や学者界隈、左翼活動家の面々は全力で時空の壁に抗い若作りをしているように見えてしまって。SNSのアイコンをお若い頃の写真やイラストに設定する傾向があります。

かといってこの手の面々は「大人」ではない。コロナ対策の尾身茂会長はあらゆる批判を受けても動じません。久しぶりに本物の「大人」を見ました。

確かに若く見える方が得な職種はあるかもしれません。本来は年齢を評価基準にすべきではないと思いますが、ただ現実問題として年齢差で有利不利が生じるケースは否めません。

以前のワイドショーで政治や社会を論評するのは年配の大御所さんが中心。社会批評はベテラン有利でした。

ところが最近は起業家と称するSDGSな若いお兄さん、お姉さんが雄弁に語ります。肩書きもふわっとしていて一見してはどんな職種なのか理解不能。

知識やスキルはむしろ経験に応じて高まりますが、若さはほんの一時期。年齢は「能力」ではないのに、なぜメディア関係者や学者さんたちは全力で若作りするのでしょう。

マスコミや学会に子どもオジサン・子どもオバサンが増殖中。
エビデンス? ねーよそんなもん(朝日新聞・高橋純子記者風)ですが。

なぜ若作り主義者が増えたのだろう?

社会の広い場面で子どもオジサン・子どもオバサンは見受けられるけどなぜメディアや学者まで若作りに向かうのでしょうか。いくつか原因を考えてみました。

①上の世代が詰まり過ぎている

88歳の田原総一朗氏がメディアでは第一線にいる。

この点は気の毒でもあります。一般的な業種だと還暦過ぎならもう一線を引いて百名山巡りというケースもあるでしょう。ところがメディア、学会はまだ現役バリバリ。どころか古希越えでも普通に登場するのがこの業界ですよ。
30代なんて小僧っ子。いわんや20代なんて。活動家肌の40代、50代あたりの新聞記者たちは「若者の代弁者」という感覚ではないでしょうか。「大人は汚い」という尾崎豊エピゴーネンという雰囲気すら伝わります。でも仕方がありません。その上の世代も多数で、しかもその世代も本物の「大人」ではないから。

左派活動家の中でも不良、ヤンキー感を出す向きがありますがこれも若作りの延長でしょう。加えてマスコミ関係者や文系学者と非常に親和性があります。SNSを見ても相互補完し合っている傾向が見受けられます。

マスコミ関係者や社会学者は不良活動家のファッション性を吸収し、一方で不良活動家はマスコミや学者の「知的部分」を共有する。これも若作り主義を高めている気がします。

②格差貧困論でワカモノ論が勃興

一時、活動家界隈でブレイクした制服向上委員会。ここまで世代を下げてきた。

08年頃に起きたいわゆる派遣切り騒動で就職氷河期世代を中心にしたワカモノ論が席巻しました。とりあえず派遣切りにあった元社員を引っ張り出してはマスコミや市民集会で窮状を訴える光景を何度も目撃したものです。様々な分野の元派遣社員が参加し、大手マスコミ記者の前で語ります。

その中に「ヘラルド朝日」(朝日新聞の英字新聞部門)元社員がいたことは私の心の中で諸行無常の鐘がなりました。朝日新聞の記者は何を思うか、です。話はズレましたがともかく「ワカモノ」がもてはやされるようになったのはこの頃でしょう。

街頭演説で「ボクら若者たちが」とスピーチする活動家もいましたが、どう見ても立派なオジサン、オバサンでした。

③古市憲寿という成功体験

なんだかんだ37歳。

若者感がある方が得。これはメディアよりも特に文系学者、社会学者といった人々に波及したのではないでしょうか。その根源が社会学者、作家の古市憲寿氏かもしれません。

彼の論評にロジックは無用。

「カッコ悪くないですか」。これで十分です。言われた側は確かにカッコ悪く映ってしまうから。政治家なり専門家がこれを言われたら反論のしようがないです。古市さんは37歳だからいうほど「若者」でもありませんが、「ワカモノ感」はあります。

社会学者として評価した場合、彼よりも業績が上の人は多いでしょう。しかしメディアの舞台では100の理論や知識よりもたった一言「カッコ悪くないですか」で十分です。文系学者の方を見ているとやはり全力で「若い」を演じている傾向が見られますが、古市氏にインスパイアされたかもしれませんね。ただその他の文系学者が真似ても無駄。これは古市氏の素養であり、ある意味の人徳で成り立っているから。

増殖する子どもオジサン・子どもオバサンたち。しかし殊にメディアや学会に限って言えば上が多すぎるという気の毒な事情もあります。かといって能力と無関係な「若作り演出」は安直ですよ。やがて限界が来た時に何が残りますか?

いつまでもハツラツと元気でいたいものですが、本当の「若さ」は見た目が問題ではなく「中身」だと思いますけどね。











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