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朝日、毎日新聞が社説で共産党批判が話題ですが→もともと距離がある

超左翼おじさんこと松竹伸幸氏が共産党除名


『シン・日本共産党宣言 ヒラ党員が党首公選を求め立候補する理由』などを著書に持ち、共産党に党首公選制や自衛隊・日米安保条約容認などを要求してきたジャーナリスト、松竹伸幸氏が今月6日、党から除名処分を受けました。

7日のしんぶん赤旗に処分理由が掲載されていました。4つの理由をあげています。

①松竹氏が訴える「党首公選制」は「党内に派閥・分派はつくらない」という民主集中制の組織原則と相容れない。しかし著書で党が異論を許さないかのように主張していること。
②党の安全保障政策を批判したこと。
③出版活動は分派活動。
④党内で意見をしないで外部で党を批判したこと。

やはり①の党首公選制が最も党幹部を激怒させたと予想できます。

松竹氏除名はメディアにも波及。

朝日新聞8日 (社説)共産党員の除名 国民遠ざける異論封じ

毎日新聞10日 共産の党員除名 時代にそぐわぬ異論封じ 

ともに旧態依然の左派仲間の朝日、毎日両紙も社説で苦言という事態。これに対して共産党側からも反論が起きています。

また一連の共産党批判について、読売新聞が
共産党政策委員長、毎日新聞社説に「見識欠く」…言論への過剰反応に左派から苦言も

と左派文化人からの批判も紹介しています。なにやら共産党をめぐる状況が「異例」のような扱いですが、いくつか疑問があります。

旧社会党の滅亡とともに共産党アゲ

安倍さんは左派の緩衝材だった。

もともと進歩的メディア、特に朝日新聞は旧社会党と蜜月でした。細川連立政権でも非自民非共産というのが当初の目的であり、昭和・平成の左派のメインストリームは「非共産」ではなかったでしょうか。旧社会党の消滅によって逆に共産党アレルギーも薄まったようにも思えます。

しかも今では野党共闘、国民連合政府というスローガンが飛び出すまでに。

旧社会党系、民主系野党との融和は一つに故・安倍首相の存在が大きかったかもしれません。安倍晋三という「共通敵」によって連携強化、アレルギー弱毒化に成功。安倍さんは左派の緩衝材、そして結着剤だったのです。
しかしもうこの世にいない。緩衝材&結着剤を失った左派の連携はやがて崩れるでしょう。

あの社説が狼煙だとしたら面白い。

フラットしぐさは鼻につく

私と同世代の出版関係者なら理解してもらえるかもしれません。この分野の方は割とリベラル志向な人が多いんですが、すごく「フラット」という言葉が好きなんです。私はどういう状況がフラットか分かりません。

セクトの人よりもこういう「フラットしぐさ」の人が鼻についた記憶があります。最近では「どっちもどっち論」(メディアにおける両論併記)が槍玉にあげられますがこの場合、議論が分かれる問題について双方の顔を立てる、まあ一種の逃げ、保身。しかしフラットしぐさは「スタイル」「ファッション」に通じており、この辺りが鼻についたと自己分析しています。

同時に「共産党は嫌い」というタイプが多かったような。つまりこの場合、共産党は「極左」の記号で、共産党嫌いという表明によってリベラルだけど偏った極左ではないというアピールだと思われます。

左派リベラルにとって共産党批判は別段、珍しいことではありません。

朝日、毎日が社説で共産党批判というのは言うほどインパクトでもない。単純に左派業界が先鋭化してしまい、左派内の相互批判が無くなったため「異例」に見えるだけです。もともと共産党は左派内部でも距離感があります。

それよりも今後、共産党はどうなるでしょうか。今回の除名騒動はイメージを落としました。もし安倍さんが健在だったらアベガーで矛先をそらすことはできたかもしれません。しかし安倍カンフル剤はもう使えない。

除名の代償は大きいでしょう。


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