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「何もしない時間」のための香りを作る / jigyeo SHOKOインタビュー(後編)

こんにちは、jigyeo です。

代表取締役SHOKOのインタビュー後編をお届けします。
後編では、香りを作る時のこだわりや、ユーザーとのコミュニケーション、将来jigyeoが目指していることなどを聞きました。
また、家でどうやって製品を使っているかなど、ざっくばらんな質問もしてみました。

(前編はこちらからどうぞ!)

話し手:SHOKO
リクルートで法人営業・事業企画を経験しながら、SNSで美容・韓国情報・資産形成などについて幅広く発信し、SNS総フォロワーが9.2万人以上のインフルエンサーとして活動するように。2022年2月よりフレグランスブランド「jigyeo」を創業し、2022年8月には株式会社baguniを設立。好きな香りは「namu」。

聞き手:えごま
jigyeoSNS担当スタッフ。好きな香りは「maum」。




譲れないこだわり


――jigyeoのプロダクトの特徴を教えてください。

jigyeoのキャンドルとディフューザーの特徴は、私が最初にキャンドルを作ろうと思ったきっかけでもあるのですが、やはり「香りの強さ」です。
香りがちゃんとわかるように部屋に広がるっていうところは、絶対に譲れない部分ですね。

あっこれ好きだな、って思う香りは作れるんですけど、やっぱりそれをキャンドルやディフューザーにしたときに、部屋にしっかり広がるかっていうのは全く別の話なんですよね。しかも、香りが広がらないから香料の比率を倍にすればいいのかっていうと、そういうわけでもない。香りの組み方にも相性があるみたいなんですよね。そこは調香師さんと日々試行錯誤しています。

―― これまでに商品化できないものもあったのでしょうか?

かなりたくさんあります。最近だと、ヒノキの香りがいいなと思ってキャンドルを作ったんですけど、香りはすごくいいのに、広がりに満足できなくて商品化できていないんですよね。ちゃんとわかるように広がる香料を作るのが本当に大変だなと実感しています。

jigyeoのキャンドルは香料にこだわっている分、安い訳ではないので、買うのに勇気がいると思うんですよね。プレゼントだったら思い切って買えるかもしれないけど、自分のためにキャンドルを5000円払って買うって、決して安い買い物ではないと思います。だから絶対に期待を裏切りたくないと思っていて、商品化のハードルはかなり高くしています。

本当に最後まで納得したものしか商品としては出してないんですけど、家にはもうたくさん試作品があります。ボツになったものもたくさんあるし、生み出したけどラインナップに入れなかったものもたくさんあります。

ただ、ヒノキについては「違う形でも商品にしてほしい」というリクエストもあって、実はネイルオイルとして出すことにしました。キャンドルでは弱かったんですけど、オイルにしてみたらすごく良くて。せっかく作った香料たちも、形を変えて今後ちょっとずつ出していけたらなと思っています。


金木犀とお茶


―― これまでに特に作るの苦労した香りはありますか?

作るのがすごく難しかった、というか悩んだのが金木犀の香りのkaulです。ブランド立ち上げ当初から金木犀のリクエストはすごくいただいていたのですが、いざやってみるとどうしてもお花というよりもお手洗いの芳香剤という感じになってしまうんですよね。チープな印象にならないように調整するのがすごく難しかったです。試作品もそれこそ本当にたくさん作りました。 

2022年秋に出したkaulはウッド要素を入れて、jigyeoらしい金木犀になったと思います。結果としてはすごくたくさんの人に手に取っていただくこともできたんですけど、違うアプローチがまだあったんじゃないかと、もう一度チャレンジしてみたい思いがありました。なので、2023年はまた違う形で金木犀の香りを出そうと思っていて、今ちょうど作っている最中です。今回はもうちょっとフルーティーな感じにしようかなと思っています。

―― 金木犀で違う香りが出るのは喜ばれそうですね。ほかに大変だったものはありますか?

あともうひとつ大変だったのはhongchaですね、お茶の香り。結構いろんな角度からお茶を作ったのですが、茶葉っぽさを出すのがすごく難しかった。茶葉感を出せても香りが薄かったりとか、香りが強いと茶葉っぽくなかったりとかバランスが難しくて、やっと納得いく香りができたのがhongchaですね。


 jigyeoの財産


―― ここまでのお話で、ユーザーの方とのコミュニケーションを大事にしておられる印象を受けましたが、実際の感覚としていかがでしょうか?

jigyeoのユーザーさんは、いつもたくさん反応をくださるので、本当にありがたいと思っています。最近は、自分の好みのど真ん中ではないけれど「こんな香りもどうかな?」と冒険してみたものに対して、お客さんが「これすごく良いです」って言ってくれることが増えてきました。
hongchaとchaiを同時に出した時も、私はどちらかというとhongcha推しなのですが、chaiの人気が予想以上で、POPUPでもびっくりしたんですよね。自分の好きな香りを追及し続けるのはもちろんですが、みなさんが好きな香りもたくさん探し当てて届けていきたいと思っています。

jigyeoのユーザーさんって本当にすごくて、みなさんレビューとかDMとか、本当によく私たちとコミュニケーションをしてくださるんですよ。商品の感想をいただくことももちろんあるし、「こんなディフューザーが欲しいんです」とか、「入浴剤を作って欲しい」とか、要望も言ってくれて。そんなことを言ってもらったら、やっぱり叶えたいんですよね。なので、実は結構水面下でいろんなプロジェクトが動いてたりします。

―― ユーザーの方の声でプロダクトが誕生しようとしているんですね! 

この一体感が本当に嬉しいですし、jigyeoの財産だと思うのでずっと大切にしたいと思っています。そして、私が好きなものを、みなさんも欲しいって言ってもらえて。そんな距離感でブランドとしても成長していきたいと思っています。


リアルイベントで実感したこと


―― 今年は待望のPOPUP EVENTも行われました。はじめてのリアルイベントはいかがでしたか?

製品ラインナップが増えてきて、2023年2月にやっとリアルイベントとしてPOPUP EVENTが実現しました。
ECサイトやSNSにはありがたいことに熱いレビューを本当にたくさんいただいているし、初めてjigyeoに触れる方にも、お手元に商品が届いたら気に入っていただける自信はあるんですけど、そもそもラインナップが増えてくると「どれを選んでいいかわからない」というお声はやはりあって。だから実際にリアルで体験できる場っていうのは、早くやりたいと思っていました。

香りってやっぱり言葉では100%伝えきることはできないし、誰しも自分の中で固定概念があると思うんです。でも実際嗅いでみたら、新たな発見があると思うんですよね。
POPUPでもそういう出会いがあったと話してくれる方がたくさんいました。「今まで使ってこなかった系統の香りを買っちゃいました」みたいなことをたくさん言っていただいて、そういう意味でもリアルで体験してもらえる場は必要だなと実感しました。

―― 現地ではお客さまと会話もたくさんされていましたが、どんなお話しをされましたか?

すごく嬉しかったのですが、「キャンドルを作ってくれて、香りを生み出してくれてありがとう」とか、本当にjigyeoのプロダクト好きなんだという熱量のある声を届けてくださる方ともたくさんお会いできました。生の声を聞けたのが、もっとやるんだ、いいものを作るんだっていう私にとってのガソリンになりました。 


jigyeoの未来予想図


―― jigyeoの将来の目標を教えてください。

まだ私たちが出会えていない、「こういう香りを求めてた」っていう人に届けていきたいと思っています。ただ、ネットでいきなり知ってもらって、買ってもらうってことって不可能だと思っているので、短期目標としては、みなさんとの接点を増やすという意味で、POPUPを今年はもう本当に全国行脚する勢いでやっていきたいと思っています。大阪、名古屋、福岡を回って、東京でも2回やります。

あともう少し先の目標としては、アトリエのような、そこでキャンドルも作ってるし、新しいなって思う香りができたらその場ですぐ出せるみたいな、場所を作りたいですね。遊びで作ったものもすぐ出せるようなラボのようなイメージです。

POPUPでも実感したのですが、jigyeoの強みはコミュニケーションなのかなと思っています。すごくお客さんと距離が近い形が当初から続いていて、本当に応援もしてくださるし、色んなご意見もくださる。だからプロダクトを作る時にも、待っていてくれるみなさんの顔が見えています。そんなみなさんの憩いの場になるような場所ができたらすごく面白いだろうなっていうのは思ったりはしています。

―― アトリエはとても楽しみです。いつ頃実現するイメージでしょうか?

ブランドが生まれてまだ1年ちょっとで、まだまだ組織やブランドの骨格が完成していないと思っているので、まずはそこが優先ですね。もっとたくさんの人と会って、仲間も増やさないといけないので、3年後、4年後ぐらいに実現できたら嬉しいなと考えています。

とにかく、今は出会いを増やしたいですね。
もしjigyeoの香りに興味を持ってくださったら、ぜひPOPUPに遊びに来てもらいたいです。きっと「あっ、自分ってこの香りが好きなんだ」っていう発見があると思うし、どんな香りを探しているのか、ぜひ直接お話して一緒に好きな香りを探せたらと思います。


余談:jigyeoとの過ごし方


―― SHOKOさんはいつも忙しそうなイメージですが、最近ゆっくりできる時間はあるのでしょうか?

経営者ってあまり仕事と休みの境目がないので、何もしない時間は作るようにしています。ブランドのアイデンティティでもあるので、そこは意識的に守っています。そういう時間があった方が、生活の質も全体的なパフォーマンスも上がると自分でも思います。jigyeoのキャンドルも毎日焚いています。自分が気に入ったものを出しているので、私が一番ファンなのかもしれない。かなりヘビーユーズしていると思います。

―― jigyeoのプロダクトはどのように使われていますか?

ディフューザーは、洗面所、ゲストルーム、寝室にそれぞれ置いていて、キャンドルは365日毎日1回はどこか焚いています。
一番多いのはやっぱり仕事が終わった夜ですね。Netflixを見ながらとか、休憩時間にはずっと焚いています。あっ、でも昼間の仕事中にも焚いているし…気が付くとずっと焚いているかもしれないです。

通年でずっと焚いているのはnamuだけど、最近は春夏なのでhanuelもよく焚きますね。冬になると、tang。あと昼間は、kkochiとかmaumのフローラル系で、爽やかな雰囲気にするときもあります。夜は…くつろぎたいのでやっぱりnamu。結局のところ、私はnamuが好きなんですね。
ユーザーの方には季節ごとの香りも楽しんで欲しいし、時間も場所もこだわらずに1つ「これが私の香り」みたいなお気に入りを見つけてもらえたら嬉しいなと思っています。




インタビュー後編をお読みいただきありがとうございます。
jigyeoでは今年、POPUP EVENTを様々な地域で実施します。
お近くの方はぜひお越しください!

jigyeo POPUP EVENT
・2023/08/18-19  大阪(肥後駅より1分)
・2023/09/24     東京(中目黒)
・2023/10/07-08  名古屋(鶴舞駅より4分)
・2023/11/03-04  福岡(場所未定)
・2023/12/02     東京(世田谷代田より1分)

また、jigyeo公式Twitter、Instagramもぜひフォローしていただけたら嬉しいです。(特にTwitterはまだまだ発展途上なのでなにとぞよろしくお願いいたします…!)
香り見本「ムエット」のプレゼントキャンペーンなども今後実施予定です。


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