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知らなきゃ損!個人事業主が事業承継する手順と抑えるべきポイント4つ

個人事業主が事業承継を行うケースも増えており、親族内承継やM&Aといった様々な手段で事業を引き継ぐ方も散見されます。

しかし、手順の煩雑さやかかる費用の大きさがネックとなり、依然として事業承継に対して意欲的な事業主は少数派と言わざるを得ません。

この記事では、個人事業主が事業承継を進めるために抑えておくべきポイントを大きく4つに分けて解説しています。
10分程度で読み終わるので、これから事業承継を行う個人事業主の方はぜひ参考にしてみてください。

個人事業主が事業承継する手順を紹介

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まず個人事業主の方に確認していただきたいのはM&Aに対する意欲です。
一般的には上場企業が事業や企業そのものを売却するための手順という意味合いが強いですが、中小企業や個人事業主であってもM&Aは行えます。

小規模な個人事業は資産価値を作りにくく、購入しようという企業や個人はそう多くありませんが、魅力的なサービスを提供していたり、他にはない技術が備わっていたりすれば買い手が見つかる可能性は十分にあります。

M&Aによって事業承継を済ませれば現金が手に入り、事業承継も果たせるので、親族外承継を考えている方はM&Aについて理解することから始めましょう。

また、事業の内容によってM&Aができなかったり、M&Aを行う意欲がない場合は事業承継を進めることになります。個人事業主が事業承継を進める際は以下のような手順を踏むことになります。

・後継者選び
    ・後継者への引き継ぎ
     ・前経営者の廃業手続き
    ・後継者の開業手続き
  ・屋号の引き継ぎ
     ・取引先への連絡・紹介

それぞれ詳しく見ていきましょう。

後継者選び

個人事業主の事業承継で始めに取り組むのは後継者選びです。
事業承継を成功させるには、現経営者と遜色ないパフォーマンスを後継者が維持し、事業をさらに発展させていかなければなりません。

業種や業態にもよりますが早めに後継者を早めに選び、教育していく期間を設ける必要があります。

基本的には親族内承継で事業承継を進めることになると思いますが、親族内に事業承継できる後継者が見つからない場合は親族外承継も検討しましょう。

後継者への引き継ぎ

後継者を見つけたら、引き継ぎを行うための教育を行います。
従業員や見習いという形で一緒に業務を行ったり、既存の事業や資産を活かした新たなビジネスモデルを提案させたりしながら経営者視点を養いましょう。

加えて、業種や業態にまつわる専門知識も蓄えなければなりません。
このような背景から、事業承継の後継者への引き継ぎには5年から10年の準備期間を設けるとスムーズに引き継げます。

中小企業庁が発布している事業承継ガイドラインも参考にしながら、事業承継の準備を進めていきましょう。

前経営者の廃業手続き

個人事業の引き継ぎ準備が完了したら、いよいよ事業を譲り渡します。
個人事業主が事業承継を行う際は、中小企業や大企業のように株式を譲り渡すわけではありません。

まずは前経営者がいったん廃業し、事業を手放します。
廃業手続きについて、国税庁の[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続を参考に進めるとスムーズに進められるでしょう。

後継者の開業手続き

個人事業主の事業承継では、前経営者の廃業が完了したのちに後継者が開業手続きを行います。

開業・廃業については税務署で手続きを済ませられますので、個人事業の開業・廃業等届出書を参考にしながら手続きを進めましょう。

屋号の引き継ぎ

個人事業の前経営者が登録していた屋号を、そのまま後継者が引き継ぐことも可能です。
取引先の混乱を防ぐためにも、屋号は引き継ぐことをおすすめします。
開業届に記載した屋号が適用されるので、開業時に引き継ぎたい屋号を記しておくと屋号の引き継ぎができるでしょう。

屋号には法的な制限はありませんが、商号登記がされていると競合阻止義務によって使用が禁じられている場合があるので注意が必要です。

取引先への連絡・紹介

事業の引き継ぎが完了したら、取引先へ連絡・紹介を行います。
前事業主から引き継いだことを紹介し、今後の取引に支障がないように努めましょう。

個人事業の事業承継で気をつけるべきポイントは?

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個人事業主が事業承継を行う際は4つのポイントに気をつけなければなりません。
スムーズに事業承継をすすめるためにも、よく理解しながら読み進めていきましょう。

個人事業主は贈与による事業承継がおすすめ


事業承継には「贈与」か「相続」という手段がありますが、個人事業主の事業承継については「贈与」が選ばれるケースがほとんどです。

相続は相続人の死後、被相続人に資産と負債が引き継がれる手続きですが、資産と負債の切り分けを被相続人が行わなければなりません。

個人事業はその特徴上、自分の資産と事業用の資産が混在しがちです。
その内訳をよく理解している前経営者が資産と負債の切り分けを行ったほうが効率的、という背景もあり、贈与による事業承継を選ぶほうがよいでしょう。

個人事業主はいちど廃業手続きをしてから再度開業し、事業承継をすすめる

さきほども紹介したとおり、個人事業の事業承継においては廃業してから新規に開業手続きを踏まなければなりません。
中小企業の事業承継は自社株式を受け渡せば経営権を委譲できるので、廃業せずに事業承継を進められます。
混同しがちなポイントなので、個人事業主の方は間違えないように注意しましょう。

特定事業用資産の範囲や承継後の扱いに要注意

事業承継を後押しする税制優遇制度として、特定事業用資産の相続や贈与にかかる税金を非課税にする「個人の事業承継特例」という仕組みがあります。

これは事業のために利用している施設や資産を承継する場合、相続税や相続税が非課税になる仕組みです。

承継者が資産ごとに異なっていたり、業種の転換も認められていたりと自由度が高いので利用しやすい仕組みと言えるでしょう。

個人版事業承継税制を利用して課税額をゼロにできる

先ほど紹介した特定事業用資産の委譲が非課税になる仕組みなどは、まとめて個人版事業承継税制と呼ばれます。
事業承継税制を利用しないと、事業承継を行う際に高額な贈与税・相続税がかかってしまうので注意が必要です。
また、事業承継税制を利用するためには条件をクリアしなければならないので、その点にも留意しましょう。

参考:個人版事業承継税制

個人事業主の事業承継はプロに相談するのがベスト

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個人事業主が事業承継を行う際に気をつけたいポイントを4つ紹介し、手順についても紹介してきました。

しかし、この記事を参考にしながら事業承継の手続きを進めたとしても煩雑な手続きや後継者の教育に手間取ってしまう可能性があります。
事業承継後の維持・発展も視野に入れた承継を果たすには、事業承継の専門家に依頼するのがおすすめです。

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