見出し画像

BURN のギター(1)・ギター編

半世紀も経つのに、スタジオ盤BURNのギターを再現した人を見たことがないのは不思議なことです。
なんで再現されないのか、いくつかの仮設を考えてみます。


  1. ギターが違う

  2. ギターのセッティング/調整が違う

  3. アンプが違う

  4. エフェクターが違う

  5. 耳コピが違う、譜割りが違う

  6. 弾き方が違う

  7. 遅回し録音である


1.ギターが違う

まあ、ギターはストラトキャスターでしょう。
可能性があるとすれば、Rainbowで使い始めたローズ指板のストラトキャスターである可能性はあるかもしれない。これは検証する必要があるかも。
(1973年にローズ指板を売っていたかどうかは不明。自分の記憶では1975年にはローズ・デカヘッドが販売されていた)

1973年のMarkⅡのNew York公演のビデオをみると、サンバースト・メイプルのストラトキャスターをメインで使い、最後にちょっとだけナチュラルのストラトキャスター(カリフォルニアジャムのもの:木目が同じだった)が登場しているので、1973年のNew Yorkと1974年のカリフォルニアジャムの間でのレコーディングなので、この2本のどちらかが使われたと推測されます。
BURNのレコーディングは、1973年の11月頃らしく、まさにちょうど50年前です。

MarkⅢ レコーディング

自分は、カリフォルニアジャムのナチュラルでレコーディングされたと信じて(大袈裟な)、Fender Japanの1972モデル・ナチュラルを20年くらい前に買いました。こいつでなんとかBURNのイントロを再現してみたいところです。

2.ギターのセッティング/調整が違う

ピック

言わずと知れた、べっ甲のホームベース型でしょう。これはリッチーブラックモア共通で、BURNの特徴ではありませんが。

0.10~0.47くらいの太め。これも共通でしょう。

スキャロップ

これもBURNのレコーディングの特徴ではなく、リッチーブラックモアのギターの共通セッティングですが、浅めのスキャロップ加工がされているでしょう。ただし、削った後にラッカー仕上げをしてあるのは、この時期のメイプル指板だけのようで、音が少し丸くなるらしいです。
再現のために、自分は手で軽く削り、ラッカーフィニッシュしました。

スキャロップ + デカフレットに打ち替え

デカフレットへ打ち替え

1978年に発売されたリッチーブラックモア奏法という本によると、フレットがジム・ダンロップの少し太いやつに打ち替えられてると書いてあったので、昨年リフレットの際に、戸塚の「ぎたべー」さんにお願いしてできる限り近いものに打ち替えてもらいました。
これもリッチーブラックモア共通の内容なので、BURNの音にならない問題に直接関係はないかもしれないですが、できるだけ再現していくためのこだわりです。

ブリッジ駒下の謎のプレート

ブリッジ駒の下の謎のプレート

この謎のプレートは、おそらくストラトのバックプレートをカットしたものです。実は1973年のNew York公演のサンバーストのストラトにも挟まっていて、こちらはもっと露骨にバックプレートのねじ穴まで確認できます。
(ちなみにピックアップの高さも、この画像を元に調整。)

1973年の謎のプレート
バックプレートがカットされている

この謎のプレートトがついていることを確認できたのは、1973~1974で、まさにBURNのレコーディングの時期だけに一致します。これは再現してみる必要があるでしょう。

リッチーと同じように、バックプレートをカットし(弦交換を容易にする)その余りプレートをブリッジの駒下に挿入してみます。

バックプレートをカット
ブリッジの駒下に挿入

こうすると弦高が高くなりすぎるので、ネックの取り付け角度を調整する必要があります。これでテンションも少し変わるのかな。
その後の情報では、ネックの角度を変えてると音色が変わるらしく、リッチーはネックの取り付け角度を変えるために、プレートを入れたらしいです。
これは重要なセッティングのようです。

ネックの取り付け角度を調整

アルバム「BURN」からリッチーはスライドギターも多用するようになったので、弦高はやや高めなのだろうと予想し、弦高はすこし高めでセッティング。

ストリングガイド

この写真は、1973年のレコーディングスタジオでのものらしく、着ているものから冬であると推測されますが、興味深いです。

1973 レコーディングスタジオ

例のナチュラルのストラトですが、ブリッジの駒下には、謎プレートが入っています。
興味深いのは、「ストリングガイドが1個」の点です。
カリフォルニアジャムのツアーでは、ストリングガイドが2個になっていますが、2個目のストリングガイドは、6弦ペグの横ぐらいという一般のストラトとはかなり違う位置に後付けされたものだということでしょうか。
だから通常のストラトの2個のストリングガイドの位置とは違う場所についているのでは。

カリフォルニアジャムのストリングガイド

自分は、1ストリングガイドだったストラトに、わざわざ1つガイドを追加してしまいました。Burnのレコーディング時には、1ストリングガイドだったのでは?ということになり、、、早まった!と反省。
3弦4弦のストリングガイドの有無なので、Burnのイントロの音には影響が出そうです。とりあえず、3,4弦は、ストリングガイドに引っ掛けずにやってみます。

こちらも1ストリングガイドに見える

ギターの生音がBURNの音に近くなった?

ここまで調整すると、ギターの生音自体がBURNの音に近くなった気が…いや、近づいたと信じたいだけかもw
でも少なからずや、BURNの再現には、謎のプレートが大きなカギなのかもしれません。

ギターセッティングのまとめ

スタジオ盤「BURN」のギターを再現するための、ギターに関するまとめ。

  • 72年頃のメイプル指板のストラトキャスター

  • 指板を軽くスキャロップ+ラッカー仕上げ

  • フレットをやや太めに打ち替え

  • ストリングガイドは1個

  • バックプレートをカットして、ブリッジの駒の下に挿入

  • それに合わせて、ネックの取り付け角度調整。弦高やや高め

  • PU切り替えスイッチは3点式(ビンテージでない場合は5点式が付いてる)

  • 弦は、0.10~0.47くらいと太め


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?