見出し画像

団塊の二粒

 2024年5月6日は、われら団塊の二粒にとって、51回目の結婚記念日になるはずである。
 
 1973年ゴールデンウィーク明けの慶事。
 
 新婚旅行から戻った日、医師国家試験の合格通知を受け取った。
 映画のクライマックスシーンさながらに…青森駅の改札口で、葉書持参の家族と喜びあった情景は、今でも忘れられない。
 
 その二か月ほど前にうけた口頭試験は、更にドラマチックだった。
 内科系試験官の出題した心電図が、朝食後に友人と勉強したものと同じパターン。
 さらに外科系の試験でも、出題された人工血管について、臨床実習で見聞きしたことを話せた。
「受かった!」と感じて、私の第55回医師国家試験は終了。
 
 当時の国家試験は年に二回実施され、春の合格率が95%以上と、実にのどかな時代だ。
 若いカップルに『不合格』という予想はない。
 しかし後で合格率が88%だと知り、「一生分の運を使い切った」と思いつつ神様仏様に感謝した。
 
 今なら無謀な選択だったと思えるが、青臭い医学生は「医師としての人生を夫婦で歩き始めたい」と決意していた。
〈ノブレソブリージュ〉が、伴侶と共有しておきたかったフランス語だ。
「社会的地位において、より高い立場の人間に嫁せられたモラルコード」と、一般に言われてきた言葉である。
 しかし今や、「高貴な立場の人」というより、「恵まれた立場の人が自覚すべき義務」と捉えるのがしっくりする。
 
 お手本は、弁護士だった祖父の生き様である。
 〈明治〉の人間は、風呂敷包みを持つ着物姿で裁判所へ出かけた。
○インバネスコートの祖父が背に見き弁護士然たるノブレソブリージュ
 
 医師としては、当初の計画と違ったかもしれない。
 しかし、その時その時の状況に合わせて、二人で選択した結果に悔いはない。
 
 もう少しだけ〈団塊の二粒〉のままで地域医療を続けたいものである。


 この半世紀をChatGPTに振り返ってもらうと……。

1975年:経済成長と生活の向上:団塊世代はこの時期に社会進出を果たし、経済成長の恩恵を享受しました。日本を含む多くの国では、高度経済成長期のピークに達し、生活水準が向上しました。自動車や家電製品などの消費財が普及し、大衆化が進みました。
流行語:「セクシーパフューム」:菊池桃子が歌った同名の曲がヒットし、若者たちの間で流行語となりました。
ヒット曲:「セクシーパフューム」(菊池桃子):恋愛や夢見がちな若者の心情を歌ったこの曲は、若者たちの間で大きな支持を得ました。
世相:1975年、日本は高度経済成長期のピークを迎えていました。若者たちはバブル期の始まりを感じつつも、夢とロマンに満ちた日々を送っていました。菊池桃子の「セクシーパフューム」は、そのような若者たちの心情を代表するような楽曲となり、流行語としても広く使われました。社会全体が明るさに包まれ、未来への希望に満ちた時代でした。

1980年:バブル景気の始まり:団塊世代はこの時期に経済的な安定を得て、バブル景気の時代が到来しました。日本を含む多くの国で、不動産や株式市場が急激に上昇しました。個人消費が拡大し、高度経済成長期の余波が続きました。
流行語:「チェッ!」:お笑いコンビ、ダウンタウンの松本人志が使い始めた言葉が若者たちの間で広まりました。
ヒット曲:「Rusty Nail」(X JAPAN):日本のロックバンド、X JAPANの代表曲の一つで、重厚なサウンドと壮大な世界観で多くのファンを魅了しました。
世相:1980年代初頭、日本経済はバブル景気の真っただ中でした。若者たちは大衆文化や新たなテクノロジーに e追いつくように、日々刺激を求めていました。ダウンタウンの松本人志が使い始めた「チェッ!」という言葉は、若者たちの間でカジュアルな挨拶として広く使われ、流行語となりました。また、X JAPANの「Rusty Nail」は、ロック音楽の新たな時代を切り開く一曲として多くの若者たちに愛されました。1980年代は、成長と豊かさの象徴として、バブル期のピークを迎えていました。

 1985年:バブル経済の拡大:この時期には、バブル景気がさらに拡大しました。株式市場や不動産市場での投資が盛んに行われ、多くの人々が経済的な豊かさを実感しました。一方で、地価の急上昇や資産バブルの形成が懸念されるようになりました。
流行語:「シュワちゃん」:映画俳優のアーノルド・シュワルツェネッガーの愛称が、若者たちの間で使われるようになりました。
ヒット曲:「Up Way Down」(木村カエラ):ポップでキャッチーなメロディと、斬新な歌詞で多くの若者たちに支持されました。
世相:1985年、日本経済はますます活況を呈し、バブル景気は全盛期を迎えていました。若者たちは夢と冒険を求め、大衆文化に熱狂しました。映画俳優のアーノルド・シュワルツェネッガーが「シュワちゃん」として親しまれ、若者たちの間で使われるようになりました。木村カエラの「Up Way Down」は、若者たちの心を揺さぶるメロディと斬新な歌詞で、多くの支持を集めました。1985年は、バブル期の活気あふれる時代の象徴として、若者たちの間で大いに盛り上がりました。

1990年:バブル崩壊:団塊世代はこの時期にバブル景気の崩壊を経験しました。日本を含む多くの国で、株価や不動産価格が急落しました。多くの企業が倒産し、失業率が上昇しました。この時期から、日本経済は長期にわたる停滞期に入りました。
流行語:「ブームに乗れ」:投資や消費に関して、成功するためのスローガンとして使われました。
ヒット曲:「LAST CHRISTMAS」(岩崎宏美):クリスマスソングとして愛されるこの曲が、多くの人々の心を温かくしました。
世相:1990年、日本経済はバブル景気から一転して、バブル崩壊に直面しました。若者たちは不況の影響を受け、将来への不安を抱えるようになりました。投資や消費に関する言葉が「ブームに乗れ」というスローガンとして使われ、成功への道を示すようになりました。岩崎宏美の「LAST CHRISTMAS」は、クリスマスの季節に多くの人々の心を温かくし、希望を与えました。1990年は、経済的な不安定感が漂う中で、人々が互いに支え合いながら、希望を見出そうとする時代の始まりでした。 

1995年:地下鉄サリン事件(1995年3月20日):日本の団塊世代を震撼させた事件の一つです。オウム真理教が東京の地下鉄でサリンを散布し、多数の乗客が死傷しました。この事件は日本社会において、宗教団体の過激化やテロの脅威に対する警戒心を高めるきっかけとなりました。
流行語:「いてもたってもいられない」:何かを成し遂げるために、行動を起こす意志を表す言葉として使われました。
ヒット曲:「LOVE LOVE LOVE」(DREAMS COME TRUE):恋愛や友情をテーマにしたこの曲が、多くの人々の心を打ち、大ヒットしました。
世相:1995年、日本はオウム真理教の地下鉄サリン事件に揺れ動きました。この事件は、社会に大きな衝撃を与え、人々の間で不安や恐怖を呼び起こしました。しかし、若者たちは「いてもたってもいられない」という意志を持ち、困難を乗り越えるために前進しようとしました。DREAMS COME TRUEの「LOVE LOVE LOVE」は、恋愛や友情をテーマに、人々の心に温かなメッセージを届けました。1995年は、困難に立ち向かう決意を持つ人々が、希望を見出すために共に歩もうとする時代の象徴でした。 

2000年:ITバブルの崩壊:団塊世代がIT産業の成長期を経験しましたが、その後、ドットコムバブルが崩壊しました。多くのインターネット企業が倒産し、株価が急落しました。これにより、多くの投資家や従業員が影響を受けました。
流行語:「ドットコム」:インターネット関連の事業や投資が盛んになり、多くの人々が「ドットコム」に関心を持ちました。
ヒット曲:「CAN YOU CELEBRATE?」(安室奈美恵):感動的なメロディと歌詞で、多くの人々の心を打ち、大ヒットしました。
世相:2000年、世界は新たなテクノロジーの波に乗り、インターネット産業が急速に成長しました。若者たちは新たなビジネスチャンスを求め、多くの人々が「ドットコム」関連の事業や投資に参加しました。一方で、ドットコムバブルの崩壊も起こり、多くの企業が倒産しました。この時期、安室奈美恵の「CAN YOU CELEBRATE?」は、感動的なメロディと歌詞で多くの人々の心を打ち、時代の感情を象徴する曲となりました。 

2005年:東京都知事選挙(2005年4月):この選挙では、団塊世代の政治的影響が示されました。石原慎太郎が再選され、都政に影響を与えることとなりました。
流行語:「ネットショッピング」:インターネットを利用したオンラインショッピングが急速に普及し、多くの人々が「ネットショッピング」を楽しむようになりました。
ヒット曲:「Precious Love」(山下智久):キャッチーなメロディとポジティブな歌詞で、多くの若者たちに支持されました。
世相:2005年、インターネットの普及が進み、ネットショッピングが一般化しました。若者たちは自宅から手軽に商品を購入し、新たな消費のスタイルを楽しんでいました。山下智久の「Precious Love」は、キャッチーなメロディとポジティブな歌詞で多くの若者たちに支持され、この時期の若者の気分を反映しています。 

2010年:東日本大震災(2011年3月11日):団塊世代も被災した一つの大きな事件です。東日本を襲った地震と津波により、多くの犠牲者が出ました。この災害は日本のみならず、世界中の人々に大きな衝撃を与えました。
流行語:「インフルエンサー」:SNSなどを通じて影響力を持つ人物やコンテンツが注目され、彼らを指す言葉として「インフルエンサー」が広まりました。
ヒット曲:「UP」(中島美嘉):前向きなメッセージと美しいメロディで、多くの人々の心を打ち、大ヒットしました。
世相:2010年、ソーシャルメディアの普及が進み、インフルエンサーと呼ばれる影響力のある人物やコンテンツが注目されるようになりました。若者たちはSNSを通じて情報を共有し、新たなトレンドを作り出すことが増えました。中島美嘉の「UP」は、前向きなメッセージと美しいメロディで多くの人々の心を打ち、この時代の若者たちの共感を得ました。 

2015年:安倍政権の経済政策(アベノミクス):団塊世代も影響を受けた日本の経済政策です。アベノミクスは、アベ政権(安倍晋三政権)が打ち出した経済政策であり、景気の回復やデフレ脱却を図りました。
流行語:「オンライン会議」:テレワークやリモートワークの普及に伴い、オンラインでの会議が一般的になりました。
ヒット曲:「Shape of you」(エド・シーラン):壮大なメロディとエモーショナルな歌詞で、世界中の人々の心を捉え、大ヒットしました。
世相:2015年、テクノロジーの進化が加速し、オンラインでの活動がますます普及しました。オンライン会議が一般的になり、テレワークやリモートワークが一般的に行われるようになりました。エド・シーランの「Shape of You」は、壮大なメロディとエモーショナルな歌詞で世界中の人々の心を捉え、この時代の感情を代表する曲となりました。 

2020年:新型コロナウイルスパンデミック:団塊世代も影響を受けた世界的な事件です。COVID-19の世界的な流行により、経済や社会生活に大きな影響を与えました。ロックダウンや感染拡大防止のための規制が世界各地で行われ、経済活動が鈍化しました。
流行語:「コロナ禍」:新型コロナウイルスの世界的な流行に伴う社会的混乱や不安を表す言葉として、「コロナ禍」が使われるようになりました。
ヒット曲:「Blinding Lights」(The Weeknd):パワフルなサウンドとエモーショナルな歌詞で、多くの人々の心を揺さぶり、大ヒットしました。
世相:2020年、世界は新型コロナウイルスパンデミックの影響で大きな変革を迎えました。人々は自宅に留まり、経済や社会活動は大きな影響を受けました。コロナ禍の中、多くの人々が不安や孤独を感じつつも、音楽やエンターテイメントを通じて希望を見出そうとしました。The Weekndの「Blinding Lights」は、パワフルなサウンドとエモーショナルな歌詞で多くの人々の心を揺さぶり、この時代の感情を代表する曲となりました。


 もはや人口ピラミッドとは名ばかりだが、国立社会保障・人口問題研究所の推定はさらに続く。


西暦二〇四八年の医療


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?