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爺医の外付け脳

パソコンは言はば外付け補助脳で老医師われの頭脳の杖なり(医師脳)

 まだ平成も初めの頃。
 全ての資料(文書・画像・表計算・スライドなど)をパソコンに詰め込んでいた。そのパソコンのトラブルで、全財産を喪失したことがある。
 それに懲りて、バックアップ用に外付けのハードディスクを接続したものだ。
「これで安心!」と思ったものの、新旧のバージョン管理が面倒で、ついうっかりミスで知らぬ間に上書き保存されたりもした。
 それが今や、インターネット上のクラウド(雲)に、いつまででも保存可能である。

吾輩は杖である

―「リーホー(你好)! ワーシー(我是)ツエ」
―「I am TSUE 」
―「ワタシツエアルヨ」
―「吾輩は杖である」
 日本語変換がビミョーかもしれない。でも台湾から 来た私に多くを望んではいけない。
 それに〈杖〉と言っても、御主人の散歩にお供す るわけではない。だって、いつも机の上に置かれて いるのだから……。
 吾輩のOSは、ウィンドウズ10である。
 いわゆるクラウドとの連携が便利になって、各種ファイルをオンラインストレージに保存可能だ。
「最近のパソコンは本当に賢い。それにしても、便利な世の中になったものだ」と呟きながら、御主人は吾輩を 立ち上げた。
 そしてナント、今更どうしようもない昔の駄文をアップロードし始めた。
「ここに保存しておけば、書斎でも職場でも著作活動ができるぞ!」などとハシャイデいらっしゃ る。
「Garbage In, Garbage Out. GIGO」とも聞く。
「集めたデータがごみならば、いくら立派に分析しても、出てくる結果はごみでしかない」という社会調査方法論の世界で使う警句らしい。
 御主人には申し訳ないが、つまらない文章を収集しておくことに何の意味があるのだろう。
 とは思うが、吾輩は〈脳の杖〉なので御主人を支えて一歩づつ歩むことにしよう。
―「ドオシャーリー(多謝你)!」

AIは磐戸の陰におはします天照らす知とまで言ふ人さへ居る(医師脳)

 クラウドストレージを持っていれば、どこでもいつでもデータにアクセスでき、アップロード・共有・転送などができる。
 これまでは〈ワンドライブ〉の無料分を利用していたが、その容量が縮小されたので、最近は〈グーグルドライブ〉も併用している。
 それぞれ特徴はあるらしいが、同期速度は〈ワンドライブ〉が優れているようだ。
 ということで、頻繁に使うファイルは〈ワンドライブ〉に置いておき、単に保管しておきたいファイルは〈ドライブ〉がよかろう。
*ワンドライブ(マイクロソフト) 
*ドライブ(グーグル) 
 〈ワンドライブ〉と〈グーグルドライブ〉の間でデータ移行するには、両者間でダウンロードしたファイルをアップロードするのが簡単である。が、転送に時間がかかるかもしれない。
 もっとスマートな方法を望むなら、ダウンロード・アップロードせずに、クラウド上でデータを移行できる、複数のクラウドサービス管理ツール〈MultCloud〉がお勧めである。もちろん、これも無料である。
*ワンノート(マイクロソフト)
 ブラウザーでネットリサーチを行う際、〈OneNote Web Clipper〉を使用すると、いつでも簡単に情報のキャプチャ、編集、注釈付け、共有ができる。この機能も無料だ。

仮想『健生病院医局』の提案

 健生病院医局アカウントで〈ワンドライブ〉を作ってはどうだろう。
 医師全員に連絡する場合、メイリングリスト(一斉メイル)は便利だ。が、画像などサイズの大きなファイルを添付するのはトラブルのもとになる。
 そんな時は、添付したい画像ファイルなどを、あらかじめ〈ワンドライブ〉に保存しておき、そのURLをメイルで送信すればよい。
 見たい人だけがリンク先を覗きにゆけばよいし、全員のパソコンのメイルボックスに(添付ファイルの)ゴミがたまることもなかろう。 

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