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昭和47年に裏岩手を縦走した

スキャンしているうちに、50年前の山登りがシリーズ化になりそうだ。

高校を卒業した初秋、八幡平行きのバスに乗って終点の見返り峠に着いた。
この広い駐車場のどこかに裏岩手縦走路の入り口があるはすだが、なかなかみつからない。どん詰まりの南端に、ささやかな入り口があったと思うが?
これまでは、町の山岳会主催の「焼石岳」と、会社の集まりで「早池峰」に登った。山に登ったのは、この二つだけである。
みんなでワイワイとのぼる山は楽しいけれど、一人で歩いたらもっと楽しそうな気がして本屋でガイドブックを探したら、「東北の山」という本によれば、裏岩手縦走路は山小屋もあるし、アップダウンも少ない、初心者向きの静かな山旅ができると書かれてあった。
登山道の最初だけは、笹薮みたいだったが、藤七温泉の方から上がってきた道と合流すると、とても歩きやすい登山道になり、すぐに畚岳分岐に着くので、頂上まで往復する。あいにくの曇り空だが、どこまでも続く山並に圧倒される。

気に入ってしまい何枚も写真を撮った
いま思い出しても夢のような世界だった


山という感じがないまま諸桧岳を過ぎると、疎林の中の石沼の脇を歩く。
あまりの美しさにうっとりとして、長居してしまった。

木の感じが寂しくていいねえ


細い尾根歩きなどを過ぎ、嶮岨森を過ぎると大深山荘に着いた。
こんな山の中で泊まれるようになりたいなあと、休憩しながら思う。
ゆっくりとしすぎてバスの時間が迫っていた。

大深山荘
このころの山小屋はこんな感じが多かった


天気が悪くなってきたので、子畚山、三ツ石山を足早に通り過ぎて、写真が残っていない。

いつかかならずあの山にのぼるぞ
まさか冬にも登るとは

疲れと気が急いているせいか、途中で何回も転んだ。
長い下りに飽きたころに、松川温泉に着いた。
風呂に入る暇もなく、もちろん地熱発電所を見ることもないまま、バスに乗って帰った。

あの辺におふくろの実家がある

モノクロの写真をみていると、はじめてのひとり山歩き、初級者コースとはいえ、だれとも会わない山の良さ、そんなことが思い出されてしまう。
同時に、あらためてカメラを好きでよかったなあと、スキャンしながら、しみじみと思う。
50年以上前に登った山が、写真のおかげでリアルに蘇ってくる。
写真を撮っていた時は、デジタルスキャンして、小さくて軽いノートパソコンに何千枚、何万枚の写真が入る時代になるなんて、すごい時代を生きてきたもんだなあ。

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