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納期のない仕事は存在しない

私は仕事柄、「データを出してほしい」という依頼を受けることが多いのですが、その際に困ることがあります。
それは、「いつまでにできますか?」と聞かれるパターンです。

希望納期がわからないと調整のしようがない

依頼者が「いつまでにできますか?」と聞くこと自体は真っ当なのですが、その前に付け加えてほしいことがあります。
それは、「●●(日時)までにほしいのですが」という言葉です。
先に希望納期を明示してほしい、ということです。

私が何もやることがなく暇でいるならば話は別ですが、まずそんなことはなく、何かしらの依頼を同時並行で抱えていることがほとんどです。
そこに新しい依頼が来た際には、既存の依頼との調整が必要になります。
(ここからは既存の依頼をA、新規の依頼をBとして話を進めます。)
Aが終わってからBに着手しても間に合うかもしれませんし、Aの納期よりBの納期の方が早ければBを先に終わらせてしまうこともあります。
もしAとBの納期が近ければ、優先度を考慮してどちらかの納期をずらす必要が出てきます。
こういった調整はすべて、AとBの両方の納期がわからないとできないのです。
なので希望納期を明示してほしい、ということですね。

「なる早」は納期ではない

希望納期として「なる早で」と伝えてくる人もいるのですが、これも困ります。
なるべく早く欲しいという気持ちはわかるのですが、ではいつまでならOKでいつを過ぎるとNGなのか、が結局わからないからです
納期がわからなければ他の依頼との調整のしようがない、というのは前述の通りです。
なる早で欲しいのであれば、自分でなる早だと思う希望納期を設定して伝えるべきです。

もちろん、その希望どおりになるかどうかはこちらの調整しだいですが、例えば希望納期は難しくともそれより1日遅れなら間に合いそうです、といったケースもあります。
なる早の希望納期を伝えて、それより1日遅くなったとしても、結果的に元々想定していた納期よりも早まればそれはOKなはずです。
こういった交渉も、希望納期を明示しているからこそできるもの、なのです。

納期を設定できない人は仕事の分解ができていない

納期の設定ができない、苦手だという人は、仕事の分解ができていないのが原因です。
例えば「会議で報告する」という仕事があったとすると、それは

会議で報告する

説明資料を修正して完成させる

上司や関係部署のチェック

説明資料を作成する

資料の根拠となるデータをもらう

のように分解できます。
会議の日時が決まっていて、かつ資料作成やチェックにかかる時間を見積もることができれば、いつまでにデータをもらわなければならないかは逆算で自然と決まります。
分解ができていない人は最終的な会議の日時しか見えていないので、何をいつまでに終えればいいか、がわからないから納期を設定することができないのです。

各工程にかかる時間の見積もりについて経験が必要ですが、ざっくりでもよいのでかかった時間をどこかに記録しておくと、見える化されたものが蓄積されていってやがて感覚として身につくので記録を続けることがおすすめです。


極論を言うと、
納期がない仕事=やらなくてよい仕事
です。
いつ終わらせてもいい、ということは、いつまで経っても終わらせなくてもよい、ということでもあります。
そうならないように、仕事を依頼する立場の人は必ず納期を設定しましょう!
そして、依頼を受ける側の人は、必ず納期を確認するようにしましょう!

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