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「好き」をカタチにする手法「こだわりの住まい」を叶える情報収集法

住まいと暮らしに関心が高いユーザーが集まるRoomClipの投稿を見ていると、多種多様なこだわりを目にします。最近のこだわり傾向についての解説と、こだわりの住まいを叶えるための効率的な情報収集の方法を、RoomClip住文化研究所の水上淳史さんにご紹介いただきました。

高断熱住宅専門誌「だん」13より

住まいづくりの2つの「こだわりタイプ」
「こだわりの住まい」といっても、どんなところにこだわりポイントがあるのかは人それぞれですが、投稿の内容を分析すると、近頃は大きく分けて2つの傾向/タイプがあると言えそうです。
 
1つ目は、暮らしの「よろこび」を増やすことにこだわる住まいづくりの傾向です。自身や家族の趣味、日々の楽しみにしている時間を、より豊かに、より楽しめるよう住まいを考えていくタイプです。

例えばペットと暮らすためなら、市販のペットグッズの活用に留まらず、間取りや設備といった住まいそのもののつくりから考えられていきます。猫なら、壁や天井にキャットウォークを張り巡らせる、人間のトイレの隣にネコ用トイレスペースを配置するなどの工夫が見られますし、犬なら、自由に走り回れるドッグランを庭に設けたり、滑らず歩きやすい床材を選んだりする工夫が見られます。

ペット以外にも「音楽」「園芸」「サウナ」「読書」「アウトドア」など、様々な趣味や楽しみをより充実させるための住まいづくりが目指されています。これらは一般的には日常生活に不可欠なものではない、いわば付加的なものですが、だからこそ、各々のこだわりポイントが無数に存在するのです。
 
2つ目は、暑い・寒い、めんどうなど、日々の暮らしの中で感じているストレスポイント=「つらみ*」を減らすことに重点を置いた住まいづくりです。

*SNS世代に多用される表現。暮らしの中の「きつい」という感情が高い状態を表す

少し目を閉じて、今の日常生活を思い起こしてみてください。本当はイヤだけど見て見ぬフリをしている、あるいは慣れてしまっている「つらみ」ポイントはありませんか?

例えば、室内の温度や湿度の快適性が一定でないことをつらいと感じることはないでしょうか。コロナ禍で真夏に在宅ワークをした人の中には、ワークエリアが暑くてつらい・集中できないと感じた人もいたようです。冬の脱衣所の寒さを我慢している方も多いかもしれません。

炊事・掃除・洗濯・片付けといった家事に至っては、毎日めんどうに感じている人もきっと大勢いますよね。そういったストレスをなくしていく方法を、生活動線を考慮した間取りや専用の設備などで解決しようと取り組むのが「つらみ」を減らすことにこだわるタイプの特徴です。

つらみが「暑さ・寒さ」なら、断熱性能の高い窓を用いたり空調にこだわったり、「掃除」なら、ロボット掃除機の導入を前提とした充電ドック専用場所・通称「ロボット掃除機の基地」の導入だったり、「洗濯」なら、洗う・干す・取り込む・畳む・しまう、といった洗濯の全工程を一つの部屋に集約することで時短・改善を目指す「ランドリールーム」の導入などがあります。

単独世帯や夫婦のみの世帯、共働きやひとり親世帯の増加により、世帯構造は変化しています。ますますライフスタイルや価値観が多様化するなかで、自分なりのこだわりポイントを明確にしていくことが、より心地よく暮らすための重要なポイントになってきます。

同じこだわりを持つ人の住まいを見つける
こだわりポイントが明確になったら、どのように情報収集を進めていけば良いのでしょうか。具体的なエリアを例にとってみましょう。例えば「料理のしやすいキッチン」にこだわりたいとします。最初に行う情報収集の行動として、まずは関連するブランドから調べてみることを思いつくかもしれません。ところが、いざ始めると具体的なブランド名は思いつかない場合がほとんどなのです。「キッチン ブランド」と抽象度の高いキーワードで検索しても、なかなか理想的な答えにたどり着けません。

そのような場合、SNSで自分の好みにあった住まいを実現している「人」を視覚的に探すのが効率的です。

つづきは「だん」13でお読みいただけます。