Jin Nihei(仁平 宏)

世界中を半世紀遊歴。VN戦争生還者。慶大からIBM-HQに30年勤務、後、㈱大和コンピ…

Jin Nihei(仁平 宏)

世界中を半世紀遊歴。VN戦争生還者。慶大からIBM-HQに30年勤務、後、㈱大和コンピュータへ。SW QCの世界標準CMMの 日本第一人者。'98年からMETI官僚、大臣等とVNのICT業界育成。現、サイゴンに定住10年。NPO法人”キルギス農業”理事長。

最近の記事

カザフスタン 4 of 5

では、この国の歴史を遡ってみよう。 カザフスタンは、地形的にウズベキスタンの北~東側に広がる国なので、一部は、歴史を共有している。けれどもカザフスタンの方がウズベキスタンより、さらにロシアや中国に近いためロシアや中国の影響を強く受けた。 一方のウズベキスタンは、イランなどのペルシアの影響を受けたが、両国ともトルコやモンゴル民族の支配を受けた。 BC20C、ステップでの遊牧生活が始まる。 BC3C~1C頃、カザフスタン周辺に最初の氏族制の共同体が出現する。 6Cから8C、テ

    • カザフスタン 3 of 5

      さて、カザフスタンは、中国に1,783キロ、キルギスに1,242キロ、トルクメニスタンに426キロ、ウズベキスタンに2,351キロ、ロシアに7,591キロの長さにわたって国境を接している。 西のウラル川に接する低地から、東のアルタイ山脈に連なる山岳地帯まで、3,000キロの広がりがあり(二つの時間帯をカバーする距離)、北部の西シベリア低地帯から南部のキジルクム砂漠と天山山脈の山岳地帯まで、2,000キロほどの距離がある。 カザフスタンの最北端は北緯55.26度。東ヨーロッパ平

      • カザフスタン 2of 5

        世界に知られるバイコヌール宇宙基地(Baikonur Cosmodrome)はアラル海東方にあり、ロシア宇宙庁が租借する。 「バイコヌール」とはカザフ語でカザフ語で「草本植物豊かな砂地」を意味する。アラル海から東方に広がる砂漠の名称だ。 この地域に暮らす遊牧民の間には、何世紀にも亘り、“黒い牧夫”という伝説が存在していた。 黒い牧夫は子牛の皮から巨大な投石具を造り、地平線に敵が現れると、これを使って燃えさかる石を空中に放ったという。 石が落下した場所には何も生えず、動物も死に

        • カザフスタン 1of 5

          カザフスタンの国名は、カザフ人の自称民族名、カザク(Qazaq)と、ペルシア語で「~の国、~の多いところ」を意味する スタン(-stān/-estān)との合成語である。 ソ連邦崩壊後の1991年12月16日、「カザフスタン共和国」として独立し、1991年12月21日に独立国家共同体(CIS)に加盟した。 ユーラシア大陸の中心に位置しており、世界第9位の広大な国土面積 (旧ソ連ではロシアに次ぎ、アジアでは、中国、インドに次いで第3位)を有し、同時に世界最大の内陸国でもある

        カザフスタン 4 of 5

          タジキスタン 5of 5

          1995年制定された国旗の意味は、赤は国家統合、白はタジキスタンで産出される綿と国民統合、緑は国土の自然を表している。 1993年に制定された国章は、円形で、中央にある王冠はタジキスタンの国旗に使われているものと同じものも国民を表している。下に太陽、上には7つの星があり、これは天国にあるという7つの果樹園を表している。底部には開いた本があり、その上にははパミール高原の山々が描かれている。エンブレムの周囲は、左には綿の実、右には小麦が、赤、白、緑という国の色のリボンで巻かれてい

          タジキスタン 5of 5

          タジキスタン 4of 5

          ここで、タジキスタンの主要観光地を調べてみよう。 まず、世界遺産から紹介しておこう。 文化遺産と自然遺産がそれぞれ一つずつある。 ● 2010年に指定された文化遺産のサラズムの原始都市遺跡があり、紀元前4000~3000年に人々が生活していた集落跡などを見ることができる。 サラズムの位置は、ソグド州とウズベキスタンとの国境付近、ザラフシャン渓谷内に位置する街ドゥルマン(英語版)の付近に位置する。 約5000年前、サラズムは中央アジアにおける金属製品生産の中心地とな

          タジキスタン 4of 5

          タジキスタン 3of 5

          さて、漠々として不可知なタジキスタンという国を数行で鳥瞰してみると、 国土の9割が山脈地帯で、灌漑)地は7%。人口は800万人で、人口の3分の2が農業に従事する。出稼ぎ労働者は100万人、出稼ぎ先は主にロシア。出稼ぎ労働者が国内総生産(GDP)の半分を占める。 首都はドゥシャンベで、標高700mに位置し、緯度的には日本の仙台あたり当たる。 タジキスタン共和国、通称タジキスタンは、中央アジアに位置する共和制国家である。タジク(ペルシア語ではタージークtājīk)の語

          タジキスタン 3of 5

          タジキスタン 2of 5

          次に、タジキスタン女性のユニークな美意識を語ってみよう。 タジキスタンの町を歩くと、普通に眉毛が一本に繋がっている女性を見かける。 これはタジク女性の昔からの化粧法の一つである。 タジキスタンのパミール地方(「パミール」は、タジク語で「世界の屋根」を意味するといわれタジキスタン、アフガニスタン、中国などにまたがる平均標高5,000mに達する)には、16~17歳の成人になると、男女とも眉毛にまゆ墨を書く習慣があった。それは成人になったことの衆知のシンボルであった。 この伝統

          タジキスタン 2of 5

          タジキスタン 1of 5

          タジキスタンは中央アジア5ヵ国の中で最貧国である。 中央アジア諸国の中で唯一内戦を経験している国でもあり、失業率は高く、国民一人当たりのGDPが877$('19)と中央アジア5ヶ国の中では最も低い。 タジキスタンにおいて,大規模な国際移民が生じていることは広く知られる。 受入外国送金の規模は対GDP比で50%近くに達し,その比率は世界で最も高いものとなっている。 こうした中でのジェンダーの多様化を考察すると,イスラム圏の規範が強く見られると想定される。しかし家計内に

          タジキスタン 1of 5

          キルギス 7of 8

          最後になるが、雌飛した女性たちを挙げてみよう。 ● 杢尾(もくお)雪絵UNICEFキルギス共和国事務所代表 私は、このブログの中で、国際結婚して国連で働く日本女性たちに焦点を合わせてその飛翔(雌飛)ぶりを描いている。 私が中央アジアの名を耳にすると、必ずと言っていい程に、中央アジアのタジク人と結婚し、この地で奮闘する杢尾雪絵女史が彷彿されるのである。 もう一度、杢尾女史の略歴を述べてみよう。 1960年  東京都生まれ。日本女子大学家政学部住居学科卒業

          キルギス 6of 8

          ここで、首都のビシュケク(Bishkek)の市内外の見どころを活写してみよう。 観光客にとって首都ビシュケクはキルギス旅行の出発点であり、ここからスタートするからである。 首都であるから政治、文化、経済などの中心地であり、人口は約87万人。標高800mと面積124平方キロメートルに位置する。 1991年までの旧名はフルンゼ(露語、司令官の名)で、独立後のビシュケクという都市名は、キルギスの国民酒である馬乳酒を作る時の撹拌器の名前に由来するという。 なお、攪拌するとは、

          旧CIS ;キルギス (5 of 8 )

          次は、キリギスの世界遺産に入ろう。 騎馬民族のキルギスにも今世紀に入り世界遺産に3ヶ所が認定されている。 ● 聖山スライマントーオ(Sulaiman-Too Sacred Mountain) スライマン・トーは、スライマンの山のことで、スライマンは、コーランに出てくる「聖人」を意味する。 キルギス第2の都市「オシュ」近郊にある山で、初めて2009年に世界文化遺産登録された。 スライマン・トーは18世紀に預言者スライマーンが逗留したという伝説に従い、名付けられた。中央ア

          旧CIS ;キルギス (5 of 8 )

          キルギス (4 of 8)

          キルギスの伝統的かつ有名なスポーツは馬術と競馬である。 キルギス人は生活の中で、子供の時から馬に親しんでおり、皆素晴らしい騎手になる。 この国では、馬は自由のシンボルとして認識され、「馬は人間の翼である」という諺がある。 子供の頃から馬に乗るのは当たり前で、14歳になると自転車を買ってもらうのと同じ感覚で、馬を与えられるという。 そしてキルギス共和国で最も憧れの的になっている競技は、「コック・ボル(Kok-Boru)」、ペルシャ語の『ブズカシ(Buzkashi)』である。

          旧CIS ;キルギス (3of 8)

          ●キルギスで最も有名な日本人として演歌歌手の三田りょう 彼がキルギスを訪れることになったきっかけは、彼の後援者の方がキルギスへの農業支援の計画を進めていた縁で、現地のキルギス人とふれあう機縁であったという。 彼は、豊かな自然に感銘を受けためキルギス友好イメージソング「風の旅人」という歌を作る。 2013年(平成25年)8月に『キルギス共和国22周年独立記念コンサート』で観客約5万人を前に新曲『風の旅人』を発表、大歓声を浴びた。 後にこのコンサートの動画がYouTubeで再生1

          旧CIS ;キルギス (3of 8)

          旧ソ連邦CIS編 ;キルギス (2of 8)

          キルギス共和国(Kyrgyz Republic)、通称キルギスは、中央アジアに位置する旧ソ連邦の共和制国家。首都はビシュケク(Bishkek、旧名フルンゼ)である。 かつての正式国名はキルギスタン (Kyrgyzstan)であり、現在でもこの通称が公式に認められている。 キルギスの国土面積は日本の53%で、全体の40%が標高3000mを超える山国であり、93%が1,500m以上の高地である。 キルギス人は、主にキルギス共和国を中心として中央アジアに分布するテュルク系民族で、ク

          旧ソ連邦CIS編 ;キルギス (2of 8)

          CIS編 ;キルギス (1 of 8)

          下記は、イバラットというキルギス人女性が日本で自己紹介するときの実情である。 -「こんにちは、皆さん!」 -「イバラットと申します、キルギス人です」 -「イギリス人?」 -「いいえ、いいえキルギス人です」 -「へえ、キリギリス人?どこの国ですか??」 -「中央アジアにあるキールーギースーです! 旧ソ連の国です」 -「ああ、分かった!ロシア人ですね!」 -「・・・ですから・・あの・・キルギス人です!」 「これは、私が日本で何百回、何千回も繰り返した自己紹介です」というの

          CIS編 ;キルギス (1 of 8)