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高校「化学」を最初にのりこえていくうえでまずやりたいこと


はじめに

 先日、記事のなかで高校生が「化学」をまなぶうえでぜひとも身につけたいところについてとりあげた。

どんなものにもマスターするうえでコツと言うかかんどころがある。化学についてもそうでここをのりこえられればあとはなんとかなるというところがある。そのひとつをとりあげたい。

きょうはそんな話。

元素と周期表

 身のまわりの物質はどこをみわたしてももとをたどればさまざまな元素や分子からなる。たった100種ほど、そのうち主要なものはかぎられた元素の組み合わせのちがいでさまざまな物質がかたちづくられる。わたしたちのからだですらおなじ。

その元素を規則にしたがってならべたのが化学のテキストの裏表紙にある周期表。これなしでは化学のものがたりははじまらない。科学者のはしくれのわたしは月に何度かお世話になる表。なぜこの表が化学をまなぶうえで欠かせないか。

それはここに化学の本質があらわれているから。19世紀の学者メンデレーエフやその同時代の科学者たちはあまたある元素の規則性に気づいた。そしてある規則にそって元素をならべる。さぞかしことの重大さに胸おどらせたことだろう。化学が学問としてひとりだちするきっかけといっていいほどの発見。

いいかえると

 周期表をあらためてみると元素が規則ただしくならんでいることに気づく。みつけやすいの原子量のちがい。ほぼ一定の増分にしたがって小さいものから大きいものへ。それらはほぼ質量の同程度の陽子や中性子から構成され、それらとは比較にならないほど質量のちいさい電子の数もくわわる。そして性質の似た元素が原子量が増すにつれて周期的にあらわれる。

周期表はただちにいまのととのったかたちになったわけではないが、その周期的な元素の類似性からまだ未発見の元素の存在の予測までおこなわれるほど威力を発揮する。実際、のちの時代にメンデレーエフの予言した元素がつぎつぎにみつかる。つまりは周期表には化学の本質を内にもっているとはこのこと。

ある規則にしたがって元素はならんでいる。これはまさに現在でもかわりなく通用する。この「規則」をまずは身につけてもらいたい。

興味・関心からはじまる

 数学のひとつの単元である「確率」がかけごとのあたりやすさ、たとえばサイコロのおのおのの目がでる確からしさなどの算段からはじまったそうだ。おなじように化学はもとをただせば錬金術などヒトの欲を発端にしたといってもいい。いずれもなかなか人間味があっていい。

それらはいずれもおおもとは興味や関心をひく事象。その発端は何であれ、追求した結果、ものごとの本質をさぐり究め、たどりついた業績はすごい。結果的としてどの自然科学の化学や生物などいずれの分野でも高校の段階ではその発見・発明の経緯を系統的に効率よくたどっていく。

おわりに

 こうした歴史的な人間味あふれた背景をたどりながらまなべると興味深いはず。当時の社会や経済のあり方も反映した結果でうまれてきたのはまちがいなさそう。並行して歴史もまなべばなおのこと学びが深まりそう。

まずは周期表に示された数値の意味や理解をおすすめしたい。とっかかりとしてまずはそこからはじめたい。つまり化学の初学者にとってわかりやすいテキストを選ぶとすれば、「周期表をわかりやすく案内しているもの」をといいたい。


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