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空気を読むファシリテーション

日本人には言葉を発せずとも話し手の意図を感じ取ることができる不思議な力が備わっています。それは以下のような表現の存在が証明しています。
 
空気を読む、
顔色をうかがう、
暗黙の了解、
状況を察する、
相手の意を汲み取る、
事情を推し量る、皆まで言うな……など

英語でも似たような表現はありますが、日本人独特の場の空気を読んで行動をするというニュアンスは含まれていません。
そもそも英語圏では「全部言わないと伝わらない」と考えるのが普通です。

場の空気を読んで皆の意見を代弁する

日本人の特殊能力をファシリテーションに活かさない手はありません。
「場の空気を読んで代弁する」というのが、その方法の一つです。

例えばA案とB案、どちらを採用すべきか、という議論。
会議が終盤になると、必ずどちらか一方に意見が偏ってきます。
どちらも半々、五分五分ということはまずありません。
ただ、一握りの少数派の意見が会議を長引かせてしまっている、ということがよくあります。
ほとんどの人は既に結論が出ていると感じているにも拘わらず。
そんな時、ファシリテーターは勇気を出してこう伝えましょう。

「皆さんの意見を聞いていると、なんだかんだ言って、結局B案を支持していると思うのですが、違いますか?」

すると多数の参加者からは「うん、そうですね」という返答があるはずです。
もし、偉い人が別の案を支持しているがために、言葉に発して賛成することができない状況だとしても、「ウンウン(よく言ってくれた!)」という無言の後押しが返ってきます。その空気感を読み取った上で、
「ではB案で進めるということを前提に、B案のデメリットをどう解消していくのか?ということについて議論を先に進めたいと思います。」

こうすれば、永遠に続く「A案とB案どちらが良いか?」という論点から脱することができ「どうすればB案を成功させることができるのか?」という前向きな論点に議論を進めることができるのです。

場の空気を読んで休憩を入れる

会議も1時間以上経過すると、皆の集中力が途切れ出し「空気」が淀んでくるのが分かると思います。そんなときは、
「ちょっと煮詰まってきましたね。一度、休憩を入れましょう」と、タイミングよく休憩を入れる。これもファシリテーターの重要な役割の一つです。誰か一人でも居眠りをしているような人を見かけたら要注意です。
休憩を入れて頭をリフレッシュしてもらいましょう。

休憩中のファシリテーション

ファシリテーターは休憩中も本当に休憩していてはいけません。
むしろ、休憩時間をいかに有効に活用できるか?が、ファシリテーターの腕の見せどころです。

例えば、もし頑固なドイツ人タイプの人が反対しているせいでなかなか議論が進まなかったら、すかさず根回しです。その人にこっそり話しかけて二人で「芝居」を打ちましょう。

ファシリテーター:お疲れさまです。いやぁなかなか決まりませんね。
頑固なドイツ人タイプ:うん。そうだね。疲れてきたよ。
ファシリテーター:(ヒソヒソ声で)ちょっと相談なんですけど、休憩の後、私がお話を振りますので、皆に○○さんのご経験に基づき、B案で進めるデメリットをお伝え頂けないでしょうか。その上でどうすればB案を上手く進められるか、という議論に進めるというのはいかがでしょうか?
頑固なドイツ人タイプ:そうだね。このまま議論し続けても埒が明かないし。分かった。じゃあ、休憩後よろしく!

他にも、なかなか皆の前では発言してくれない日本人タイプには、休憩中にコーヒーを飲みながらでも、アイディアを聞き出してください。
一対一の会話であれば、堰(せき)を切ったように話してくれる人もいます。休憩中に思いもよらぬ良いアイディアが出てくるかも知れません。

休憩から帰ってきたあと会議を始めると、それまで煮詰まっていた議論が嘘のように活性化し、サクサク前に進められるということがよくあります。

空気が煮詰まってきたなと思ったら、すかさず休憩を入れる。
休憩中は会議のキーパンソンやあまり議論に参加できていない人に話しかける。これもファシリテーターの仕事ですね。

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