透明なものが好き

みていると落ち着く

小さな頃は

ガラス細工が大好きだった

お祭りへいくと

露店で、動物園や靴、花、果物を

毎年おねだりをしていた

出張に行った父のおみやげが

動物の親子のガラス細工だったことがある

嬉しくて飛び上がったのを覚えている

キラキラをみているだけでワクワクする

部屋で、じっと眺め飾っていた

繊細で壊れやすい

満足すると、紙につつんで箱に仕舞う

今も大事にしまってあるもの

透明なものが

そんなになぜ好きなのかは

自分でもわからない

透けているものが心地いい

昨日降った雨も、好き

降りかけの時は

空を見上げて、楽しむ

空をみると

雨が私に寄ってくるみたいに

とても綺麗に集まってくれる

キラキラの小さな玉を集める私

傘も差さずに

肌に、雨が当たる瞬間瞬間

私の中で、何かが弾けていく

閉じ込められているところから

解放されていく

不思議と息がしやすくなる

深い呼吸につながる

身体を緩めていく

まるで、クリスタルボウルだと思う

音が響くたびに

心地よく、やわらかくなる自分

何かが始まる

ゆっくりと細い流れが

大きなうねりとなっていく

そこは透明な空間

雨が降ってくるように

キラキラと透けていく

今日も心地よい

私をほどいてくれるもの

クリスタルボウル