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川崎ブレイブサンダースの映画、「OVER TIME」を観てきました。

日曜日に、川崎はチネチッタまで出向き、映画を観てきました。
プロバスケBリーグ、川崎ブレイブサンダースの映画「OVER TIME」
Bリーグのチームとしては、初の映画になるようです。(この作品制作にもBリーグは名を連ねています)

親会社が東芝からDeNAになり初めてのシーズン。
コートだけでなくその舞台裏にもスタッフが密着して撮り続けてきた映像から凝縮された89分のドキュメンタリー。
…と書くと、ピンと来る人も少なくないかもしれません。
すごく端的に言うとこの映画、横浜DeNAベイスターズが過去に7年間で6度制作しているドキュメンタリー映画、「ダグアウトの向こう」⇒「FOR REAL」のコンセプトを、ほぼ引き継いでいるものです。
(実際に「FOR REAL」のスタッフロールでお見かけした名前を、この映画でも何人か見かけています)

この文を書いている私もまたベイスターズファンで、ベイスターズからブレイブサンダースに移られたお知り合いの職員の人もいらしたりで、
そこからのつながりで昨季から、ブレイブサンダースの試合を観始めました。
2018-19シーズンは、とどろきアリーナに10回ぐらい行ったかな、というぐらいです。

そしてこの映画もやはり「FOR REAL」…ベイスターズの映画と、競技が違うとどう変わるんだろう?
そんな興味もあり、川崎の現地まで赴いて観てきました。
なにしろチネチッタのみでの公開で、それもわずか1週間限定の上映なので。
劇場に足を運んだのは日曜のお昼でしたが、客席はほぼ満杯になっていました。

結論から言えば、この映画、やっぱり、熱い。そして、痛みが伝わってくる。そんなフィルムでした。
シーズンの結果を知っていても、映画に映し出されたその内容は、まさに知られざる光景。
シーズン前の激しい練習、監督からの激しいゲキ(かなり!)、選手控室でのミーティング、選手のいらだち、試合中のタイムアウトでの切迫した雰囲気(選手たちにカメラ、近すぎる!)、etc…
どれもこれも、まさに観たことのない光景が、スクリーンの中に広がっていました。

競技は違いますがお互いにDeNA出自ということで、従来の、ベイスターズの映画とあえて比べるならば、バスケに比べると野球は試合数も多いし(野球は143、バスケは60+天皇杯)、チームの人数も多い(野球は約70、バスケは昨年だと13人ぐらい)というところもあり、バスケの比較的、焦点が絞りやすい部分もあったかもしれません。
そこがこの映画の「わかりやすさ」を、私の中に生み出してくれたところかも。

そう、この映画、かなり「わかりやすい」内容でした。
しっかりと1年の物語の中で、メインどころとなる選手たちがいて、そしてサブメンバーがいて、と。
バスケのチームは人数がそれほど多くない、ということもあり、登場人物がギュっと絞られていて、物語の進行にも、すっきりしたまとまりがありました。
おそらくブレイブサンダースを知らない人でも、この映画を観れば、少なくとも3人の選手の顔と名前はすぐに覚えられると思います。
そこからサブメンバーなど、幹となる選手たちのこともちゃんと描かれている。
もちろん、ヘッドコーチたちスタッフの姿も。

野球とバスケという競技自体、やはり違いすぎるところもあって、どんな部分に価値の重きが置かれるか、どんなところで選手はチームの変化(悪化)を感じ取るのか、ということも全く違いました。
強く印象に残るシーンの中で一つ言うならば、「数字は雄弁である」、ということでしょうか。こういうセリフではないんですけれども。
そして映画を観た後で考えると、意外と野球は個人競技、なのかもしれないな、とも。
そんな違いも感じ取れましたね。

シーズンの初めから終わりまで、寄り道しすぎることもなく、しっかりと一本道で進んでくれているところもまた明確で。
その中での肝となる試合を抽出してくれていたところも、わかりやすさを強めてくれました。

そしてもう一つ、ベイスターズの映画と圧倒的に違った部分がありました。
それは、映画を彩ったBGM。
実はベイスターズの映画は、ハマスタで使用されている音というのは、ほとんど使用されていません。
強いて言えば山崎康晃投手の"ヤスアキジャンプ"、「kernkraft400/ZOMBIE NATION」が、かすかに聞こえるぐらいでしょうか。
しかしこの「OVER TIME」では、普段とどろきアリーナで使用されている、スチャダラパープロデュースの音楽が、ふんだんに使われておりました。
オープニングのところから、サンダース好きな人には、「おおっ!」音で入り込める仕掛けがあります。
あ、あの曲!この曲!と、耳に覚えのある音たちに勝手に脳が反応してくれる。それがさらに映画に引き込んでくれる一要素かもしれません。やっぱり音楽って重要だなと。
そういえば、今年ハマスタの音楽にはLDHがプロデュースで明確に絡んでいるので、もしかしたら今年からベイスターズの映画も、音の方面で、臨場感が増してくるかもしれません(映画やるかはまだわからないけど)。

それと、観ている側としては、「ベイスターズでやってきた手法」と身構えられるいう考え方はありましたが、それまで68年続いてきたブレイブサンダースというチームにとっては、初めての試み。
ヘッドコーチやスタッフも、そして選手たちも、「常時、カメラが回っている状況」に、戸惑ってるんじゃないかな…と思いながら観始めておりましたが、意外にもすんなりと状況になじんでいた雰囲気が見受けられました。
もちろん、表に出せないような場面も中にはあったと思いますが、サンダースの選手たちが、この状況を受け入れている、ということがありがたかったですね。
※今さらながら、昨年のベイスターズの映画はそれを表に出し過ぎたかもしれませんね。倉本、戸柱、ロペス…生々しすぎた。

東芝時代からサンダースを観続けているブースターの皆さんには、この映画はどう映ったんだろう?ということも、機会があればお聞きしてみたいところです。
意外とSNSを検索してみても、この映画の感想、出てなかったりだし、映画を上映している事自体、知らない人も多いような気がします。

いろいろと書いてきましたが、この映画、バスケを全く知らない人でも十分に楽しめる映画です。
前述のように、ブレイブサンダースを知らない人でも、映画を観終わった時には、間違いなく、最低でも3人の選手の顔と名前は覚えると思います。
十分に、バスケを観に行ってみよう!と思えるような、そんなつくりになっています。
とりあえずもう上映期間も残りわずかなので(これを書いている時点であと4日)、ぜひぜひチネチッタへ足を運んでみてください。
上映期間、延長してくれるといいんだけどなあ、

私も野球ファンというベースはありますが、野球のオフシーズンである寒い季節には、アリーナへ、バスケを観に行く。
自分の人生のサイクルが、そんな風に変わっていくような気がしてなりません。2019-20シーズン、楽しみです!

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