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ご飯にありつく方法

ひもじいときに、よその家へ行って、「どうか一飯めぐんでください。そうすれば私は庭をはきましょう」と言っても、一飯をふるまってくれる者はない。空腹をがまんしてまず庭をはけば、あるいは一飯にありつくこともあろう。これは、おのれを捨てて人にしたがう道であって、物事すべてがうまくゆかなくなったようなときにも可能な道だ。

二宮尊徳「二宮翁夜話」『日本の名著 二宮尊徳』中央公論社