[モバイル&サウンド90]〜バグルズ/イエス/エイジアを渡り歩いたジェフ・ダウンズ2
今回の[モバイル&サウンド]は、バグルス、イエス、エイジアと渡り歩いたジェフ・ダウンズの「キーボード・サウンド・ヒストリー」その2。
圧巻のキーボード・ミュージアムの本編。
バグルス時の機材
ジェフのバグルスでの機材は、1979年のヒット曲「ラジオスターの悲劇」のMVが参考になる。それと聞こえてくる音とインタビューからすると。。。機材は5台ほど。
アンドロイドみたいな人も弾いてるけど、バグルスは銀色のスーツの2人なので。。。関係ない人なはず。。。
機材リストは。。。
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ソリーナ・アンサンブル
ヤマハCP70エレクトリック・ピアノ
シーケンシャル・プロフェット5
ローズ・エレクトリック・ピアノ
ミニモーグ
(ローズ)
MVのカットによって、2ブロックと3ブロックになってるけど、3ブロックの時にソリーナ/CPの上に乗ってるのは何か不明。。。
曲はヤマハのCPエレクトリック・グランド・ピアノを基本にして、シンセで彩りを添えている。CPはこの時代、数多くのミュージシャンが使用していた。
イントロの印象的なストリングスはソリーナ、ってのはどこかの記事で見た記憶。
5台ほどって言っても、狭いライブハウスじゃセッティング+置き場にも困る物量なんだけど、プログレ界隈(バグルスはプログレではないけど。。。)ではさほどの量でもない!?
イエス(1980年)での機材
ポップ・ユニットが。。。いきなりプログレッシブ・ロック・バンドのイエスに加入。
このMV曲"Tempus Fugit"(ラテン語で「光陰矢の如し」の意味)で、ジェフも含めた演奏メンバーはカッコよくスリリングなプレイをしているけど、ボーカルのトレバー・ホーンのルックスが。。。なんとも違和感を感じる。。。(笑
これ。。。オフィシャルなのに、ぶーんってノイズが乗ってて、モノトラックなのが残念だけど。。。ジェフの機材は、ほぼライブ・セットかと。
イントロ(+曲中の同フレーズ)、歌のAメロ等はギターとのユニゾン・フレーズをハモンド・オルガンでクールに決めてる。2分55秒ぐらいからのオルガン・フレーズからモーグでのソロも、ずっとギターとユニゾンしてる。
バグルスっぽいボコーダーも随所に登場する。
イエスでの機材は、この映像からの通り。。。バグルスの時の倍の10台。
ハモンドB3オルガン
ヤマハCP70エレクトリック・ピアノ
ミニ・モーグ2台
フェアライトCMI
モーグ・ポリモーグ
メロトロン
シーケンシャル・プロフェット5
ホーナー・クラヴィネットD6
ローズ・エレクトリック・ピアノ
という3ブロックのセット。
エイジアでの機材はキーボードの要塞
そして。。。エイジアでは鍵盤が要塞のように積み上げられ。。。
ファースト・ツアーでは、以下のvintagesynthのトークコーナーの写真のように。。。その数は16台。
さらに。。。MTVの企画として、全米に衛星生中継された1983年の武道館ライブでは。。。遂に圧巻の20台近くに。。。
どうしてボーカル&ベースがジョン・ウェットンじゃなくてグレック・レイクなんだとか、カタカナの垂れ幕がイけてないとか。。。そういうのは置いておいて。。。ひたすら鍵盤の要塞とジェフのプレイを注視。
バグルス〜イエス〜エイジアの機材の流れからこの映像を見てると、核になるのは。。。
・ミニモーグ・・・ソロ・フレーズ
・プロフェット・・・ストリングス
・ハモンド・オルガン・・・迫力のあるバッキング
辺り。
これらが左右ワンセットづつある。この曲でもそれらのコア・サウンドにCPエレピやローズのピアノで色付け。
さらに。。。センターのフェアライトやメロトロンでトッピング(3分あたりからの間奏)。
3分30秒頃からはモーグのソロ・フレーズ(+CPエレピ)。
この当時は。。。シンセのプリセット数も限られていたり(出来ないものも。。。)、まだMIDI的なことは普及してなくて(規格が策定されたのは1981年)、「この音が欲しい!」って場合はその鍵盤を並べるしかなかった。
にしても、この数。。。
ネットの情報+このライブ映像を何度も見返して、解析したところ、その全機材はファースト・ツアーの鍵盤にさらに数台積み足して、20台近くに。。。
Korg MonoPoly
Moog Memorymoog
Yamaha CS80
Sequential Circuits Prophet 5
Hammond J-122 organ
Yamaha CP-70B electric piano
two Moog Minimoogs
Fairlight master and slave keyboards
Moog Polymoog
Mellotron
Sequential Circuits Prophet 10
Solina String Ensemble
Hohner Clavinet D6
Rhodes electric piano
Korg Polysix
Hammond B-3 organ
Moog liberation
Grand Piano
KorgのMono/PolyとPolysixは日本で手に入れたばかりで、ただ並べただけ!?みたいっぽいけど。。。
Moog liberationはショルダー・シンセ。ショーの中でのジェフのソロ・コーナーでは、グランド・ピアノも弾いていた。
これらのピアノ/オルガン/シンセサイザーは、今の時代のハード&ソフト・シンセ音源にも受け継がれているので、シンセ触ったりDTMとかやるのにも。。。知ってると音色の判別をするのに色々と役に立つ。
ショーを強く意識したセッティング
このセット。。。ショー/エンターテイメントを強く意識。。。!?
とにかく、激弾き難い!
ステージを。。。右に左に、絶え間なく動き回り、時にはダッシュ!で移動したり。。。
で。。。3段積みの最上段の鍵盤ととなりの最下段の鍵盤と。。。って、まるでボルダリング!?のような姿勢で演奏するっていう。。。
1時間ほどのショーの間のほとんどを。。。このスタイルで弾き続ける。。。
左右セットのオルガンとプロフェット弾くのに、最初はこっちで、次はあっちで、その次はまたこっちで。。。とか。。。さらに、客席の方に身体を捻った姿勢でと。。。そして、コーラスも。。。。
演奏自体は。。。難易度の高いプレイをしているわけでもないんだけど。。。「鍵盤を弾く」という本質とは違うところの「エンタメ」部分の過酷さに。。。脱帽。
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