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グッドオーメンズ シーズン2

柳さんと見た!
一緒に悲鳴をあげながら見た。

すごい愛の話だ。
ずっとクロウリーとアジラフェル間の愛の話してない?してる。

第一章:到着

1話から世界の創造をするクロウリーの隣に既にいたアジラフェルを見てそんな時代から一緒にいたんですか!?と驚愕した。アダムとイブに火の剣を渡した時点で仲が深かったんだ……

全裸中年男性(元上司 ガブリエル)や大して悪いことしてないのにアジラフェルに謝罪のダンスを要求されるクロウリーなど良いものを見た。
謝罪のダンスって何?鳥類の儀式?

ジム(ガブリエル)は現時点で謎しかないんだけど、全てを忘れてとびきりチャーミングになっていた。
全裸の状態で店に招き入れて、全裸のままでいさせるのもな……と思ったアジラフェルがとりあえずブランケットをかけてあげるの好き。
前のパワハラ上司のような性格よりも今の何もかもわからなくて底抜けに明るくて謎の自信に溢れている性格の方がいいよ。
そしてジムが底抜けに明るいので元ガブリエルとして不審に思ってとにかくジムを威嚇するクロウリーが好き。アジラフェルの訊き方は甘いんだ!って怒って自分で尋ね直す男。
そして捨て猫よろしく遠い遠い場所にジムを捨てに行こうとするところも良い。記憶喪失の元天使の扱いは猫以下なのかもしれない。

電話口の声のトーンで既にアジラフェルに何か問題があると察して車をかっ飛ばして2分で到着してくれるクロウリーは良い男だよ。アジラフェルは大切にしなよ。

「大事なのはここで俺が築いた平和で壊れやすい生活を守ることだ」「2人で築き上げたと思ってたが!」「俺もだよ!」の会話がかなり好き。
2人で築き上げた平和な生活をアジラフェルが持ち前の善意で壊そうとしているので怒り心頭のクロウリー。
そして呼び出しておいて「君が嫌なら帰っても良い!いや帰ってほしくない!助けを求めてる!でももう良い!」って拗ねるアジラフェルは完全にめんどくさい時の彼女だった。
クロウリーがアジラフェルのことを今まで散々甘やかしたから学習しておそらくこうなったんだぞ。

その後クロウリーがわざわざ戻って来たのに拗ねた態度をとるアジラフェル、かなり面倒で愛おしかった。謝罪が欲しいアジラフェル。
それにイライラしつつも「お前が正しいィ〜……」と呻くクロウリーに、それじゃ納得できないので謝罪のダンスを要求するアジラフェル。そこで歌いながら謝罪のダンスをしてあげるクロウリーは優しいな。
というか当たり前のように言ってやってるけど謝罪のダンスって何?
あの文化1000年くらい続いてるみたいだけど、どこから生まれたの?アジラフェルの謝罪ダンスも見せてよ。

天国の天使たちのビジュアルが多様性にとんでいるのってすごく良いなと思う。
天使は倫理は欠けているが差別という概念はないので、たとえ天使がどんな姿であっても天使には関係がない。お互いに無頓着であるのかもしれない。

第二章 手がかり

ヨブ記のこと全然知らなかったんだけど神、めちゃくちゃしてた。
持ちうる畑や家畜や子どもを全て殺してもヨブは神を愛してくれるのか?という試し行為をする神。神ともあろうものが試し行為をすな。
そして58歳の妻を身籠らせようとすな。死ぬど。
めちゃくちゃだよ。

著者という概念を知らないので一番最初のページで本をアルファベット順に並べようとするジム。
しかし善意でやってるので怒れないアジラフェルは不憫だよ。
大概の本はITからはじまる。
2話目で服を着ていたのでアジラフェルが合うサイズのものを用意してあげたんだろうか。自分の服を着せるにしてもガタイが違いすぎるだろうしな……
でもジムの服は完全にアジラフェルチョイスのハッピーなセーターだった。可愛くて良いね。似合ってるねそれ。
ずっとそのままでいて……

ロンドンの街って結構段差があるから車椅子の移動は大変じゃないか?と思いながら見ていたら、奇跡で段差をスーッと無くしたのでおぉ!と感動した。
奇跡って便利だ。

音楽を聴きながらジム(ガブリエル)の似顔絵を描くアジラフェル、かなり上手で驚いた。
天使だからなのか?天使はみんな絵が上手いんですか?

地下にあるヨブ家のワインを飲み始めるクロウリーに最初は怪訝な顔をしていたアジラフェルだけど、牛肉を勧められて食べてから思わずその美味しさに止まらなくなってしまう場面、かなり見てはいけないものを見ている気持ちになった。
初っ端から牛を殺してその肉を食うというのはハードルが高くないか?と思ったけど、最初から牛肉をクリアした上で味にハマってガツガツ食べていたアジラフェルは食への適性があったのかもしれない。
食事の必要がない天使が食事の楽しさを知ってしまった瞬間。欲を知った瞬間。クロウリーにとってはたいそう甘美だっただろうな。
クロウリーが食べ物の美味しさや食事の楽しさを教えたんだ。
となるとアジラフェルの食事シーンの意味合いが変わってきますが……

この地下で「俺は天国の味方じゃない。地獄になるべく従おうとしてるだけ。俺は俺の味方だ」というクロウリーに「それは……孤独だな」と返すアジラフェル。まさか最後にこの言葉がガツンときいてくるとは思わなかった。

クロウリーの車を「貸して」と言わずに「我々の車だ」と断言して乗ろうとするアジラフェル、クロウリーに全力で甘えていて愛おしい。普段はクロウリーが乗り回してるんだから素直に貸してって言いなよ。
こんなわがまま言いたい放題のアジラフェルはおそらくクロウリーが育てたんであろうことも含めて愛おしい。

神の判断とはいえ子どもを殺すことをよく思わないアジラフェルが思わず嘘をついてしまってシクシクし、このままクロウリーに連れられて地獄に行くと思っていたところで「きっと(アジラフェルが地獄を)気に入らない」という理由で堕天をそそのかさないクロウリー。
天使の身分でなるべく正しくあろうとしているアジラフェルのことを愛おしく思っているのかな。
神に従おうとしているが嘘をついてしまい、自分は天使失格だと思っているアジラフェルが“孤独”を感じていると吐露するシーンで、隣には同じく“孤独”であるクロウリーがいることで、お互いにはお互いがいて、決してひとりぼっちではないというのが示唆される終わり方があまりにも美しくて叫んでしまった。すごくないか?

第三章 行き着く先

ジム、ココアやマグカップまで買ってもらって自分用の寝巻きまで揃えてもらってかなり至れり尽くせりの生活をしている。
よかったね。ココア美味しい?いっぱい飲みなね。

天使ちゃんが人間の警察のフリをしてアジラフェルの古書店を訪れる。
視察のために天国から送られたことをなんとなく察しているけど、天使ちゃんの頭がそんなに良くないのでとりあえず適当に口裏を合わせているアジラフェル、かなりスルースキルと善性が高かった。
天国はどうしてよりにもよって天使ちゃんを遣わせようと思ったんだ?と考えたけど、一番まともなのがあの子だったのかもしれない。
天国は学ぶつもりがないがなぜか自信だけはある人たちの集まりだろうし……
そして巡査になりきれていると思っている天使ちゃんはかなりキュート。あまりにも無垢で純粋。
そんな天使に意地悪な質問をして明らかに人間の警察じゃない言動を引きだすクロウリーは安定して我が道をいっていた。

生きるために死体を掘り起こして売っている貧困の少女に「悪いことをしている自覚はないのか!」「人間は善か悪かを選べる。彼女は邪悪だ」っていうアジラフェル、机上の空論、貴族の善性という感じでかなりよかった。そりゃ難しいのよ〜
それに「あんな生まれのやつが貴族と同じように生きるのは無理だ」と言うクロウリーはものすごく真っ当なんだけど、当時の貴族社会のイギリスではアジラフェルのような言説が一般的にまかり通っていたのかもしれない。
全て適当にいっているのでたぶん間違っている。

クロウリーの車に乗り速度30キロでトロトロ走ってクラシックを流し、クラクションをぱふぱふ音にし、ミルキーな黄色にしたアジラフェル、趣味が良い。かわいいよその車。車も可愛くしてもらって嬉しいんじゃないかな。

引力に気付いて何度も本を落とすジム、かなりキュートだったんだけど、しっかりした男性が幼めの言動をしているのが個人的に好きなのかもしれないという発見があった。

貧困の少女が死体を売ることに倫理がないと感じたアジラフェルが死体をぐずぐずにして売り物にできなくして、その上で死体の買い手も潰そうとしたけど人間の医学の発展のためには解剖が必要不可欠だと気付いた時のアジラフェルの手のひらくるくるっぷりはすごかった。
でもその後墓場で新しい死体を集めてくる過程で少女の友人が死んでしまって、その死体すら売らざるを得なかった少女を見た時はアジラフェルにとってかなり刺激が強い社会勉強だったろうなと思う。
理解ができないと共感も手助けもできない。

キリスト教でおそらく自殺は禁忌で、禁忌ということは自殺者は死んだら地獄に行くと思うんだけど、それでも少女の自殺を止めたクロウリーは悪魔としては出来損ないだけど人間としては至極真っ当であまりにも立派。
少女はお金さえあれば救うことができるとわかっていたから自殺を止めたのかな。
清貧の美徳もキリスト教的な価値観だと思うけど、清貧の美徳というのは満たされた生活を知っているが故にわかることだから、少女に多額の現金を与えたクロウリーの行動はものすごく正しい。そりゃ地獄でお説教もされる。

クロウリーの他人への怒り・ポイントはアジラフェルへ危害が及ぶかどうかというのがよくわかった。

第四章 ヒッチハイカー

車に乗りたそうなヒッチハイカーに「ごめん!ごめんね!急いでるから!」って言いながらスルーするアジラフェル、とりあえず謝罪するのは忘れない姿勢がやっぱり善良。そうしないとおそらく自分のことを許せないからだと思うんだけど。
そして無理やり車の前に出て来たヒッチハイカー(シャックス)が乗り込んできたら文句が言えなくなってしまう。
善良さと流されやすさって紙一重なのに、このアジラフェルがクロウリーに対してはワガママだらけである関係性なのがお見事。

シャックスが今の地獄の全権大使で、その先任がクロウリーで、シャックスは今クロウリーが元々住んでいた家に住んでいて、だからクロウリーは家がなく車生活なのか!と2回見てようやく気付いた。気付くのが遅い。
地獄にも職業に応じた家とかあるんだ。福利厚生という概念があるんだな。

アジラフェルに会話で揺さぶりをかけるシャックス、対人ではアジラフェルの一枚も二枚も上手だ。
そりゃ悪魔なんだから口がうまいんだけど。

アジラフェルがクロウリーに「優しいんだな君は」と言ったのがクロウリーに言霊としてずっと効いている気がする。
いやまぁ元々殺せと言われたヤギをカラスにして生かしておいたり、ヨブの子どもをトカゲにしていたりして優しい男ではあったんだけど。
だってクロウリーってぶっきらぼうで乱暴ではあるけどあまりにも優しい。

フルフルさんかわいいね。いかにも真面目そう。フルフルって名前もいい。LINEのIDが交換できそう。吹き替えが宮本充なのも良い。
その真面目さ故にゾンビになってクロウリーのことを調査しないと拷問を永遠に受けることになるぞと脅す悪魔の残忍さも持ち合わせている。
この蜘蛛に喰われ続ける拷問の映像、蜘蛛や世界がコラージュっぽく、実写の人間一緒に見るとなんだかチグハグに見えて映像としてかなり好き。この映像だけ配信してくれないかな。しばらく見ていたい。

クロウリーが仕事で運搬したウイスキーが全部割れており、依頼人にこっぴどく叱られている最中に「これはクロウリーに恩を返せるチャンスだ!」と意気揚々とマジックできます!経験あります!やらせてください!って名乗り出るアジラフェルはかわいい。
インターン先でなんでもできます!って張り切る就活生みたいだ。

ウェストエンドの出演が決まった後、クロウリーに助かったと目論見通りお礼を言われたアジラフェルが「感謝なんて必要ない!私たち──友達……だろ?」という場面、どうして友達と言った後一回言葉尻が尻すぼみになったんだろう?
友達ということに抵抗があったんだろうけど、それはクロウリーが自分のことを友達と思ってくれているのかがわからないから友達と呼ぶのを躊躇しているのか、友達と呼ぶには自分たちは親しい関係であると思っているのか。

クロウリーのためとはいえ、ウェストエンドの舞台に立つことをウキウキワクワクしているアジラフェル、目立つのもあながち満更ではないのかな。
そんなにマジックの経験が豊富なわけではないのになぜか目立ちたがりの天使さん、かわいいね。タネも仕掛けもない奇跡でなんとかしようとしている。

ゾンビが読唇術できるの、知能が高くて偉くてすごいな〜と思っていたらうん……うん……

近場にマジックショップはあるけどあそこはプロの手品師が行くところだし……とうじうじするアジラフェルに「古代エジプト王妃を騙し、ウェストエンドの舞台に立つお前がプロの手品師でないのなら、誰がプロなんだ?」と発破をかけるクロウリーはあまりにもアジラフェルの性質を理解している。おだてられたら調子に乗るタイプだ。
そしておだてられたら調子に乗って後に引き返せない性格であるアジラフェルだからこそ、このシーズン2はああいう終わり方をしたんだろうな……

手品ショップでびっくり箱を開けた時、アジラフェルはハラハラした顔をしていたのにクロウリーはニコニコご満悦な顔をしているの、性格の差が出ている。スリルを楽しめる男クロウリー。
そしてアジラフェルが手品用の道具を調達するだけで良いはずなのに、わざわざ手品ショップにまで付き添ってくれるクロウリーはやさしいな。
アジラフェルをおだてた手前放って置けなかったのかもしれない。

アジラフェルに「この道具はあなたのような優秀な素人さんにぴったりですよ!」と言って接客する店員、ビジネストークとしてはバッチリなんだけどアジラフェルはここに来る過程で自分はプロのマジシャンであるという洗脳をかけられているのでアジラフェルに怒られてしまう。
しかもマジックで使うライフルを買おうとした時に、明らかにそれを売った方が儲けが出るのに貴方の命はこの商品の金額よりも価値があると言って止めてくれるのでかなり良い人ではある。結果27ポンド5シリングで買収されてしまう上にゾンビに食べられてしまいますが……

「悪魔なんだから銃は撃ったことあるだろ?」というアジラフェルの言葉に、まぁ奇跡使えばいいしな……と思って承諾をするクロウリー。
実際はこれまで銃を使ったことがないのは意外だった。アジラフェルは銃の免許も持っていて、古書店に常に拳銃も置いているのに……

舞台に立つので看板も作ってもらったけど、いざ舞台の上にいると緊張してガチガチになってしまうアジラフェル、描かれたおヒゲもあいまって愛おしい。
お客さんが軍人だらけだったのも関係してるのかな。
もしアジラフェルがマジックの最初にカブをインク壺に変えなかったらクロウリーがアジラフェルのこと撃ち抜いてたかと思うとかなり危機一髪だったのかも。
それに気付いて舞台袖でサングラスをずらして慌てて説明書を読むクロウリー、付け焼き刃にも程がある。
そしてなんとかマジックを成功させるクロウリー。2回くらい見たけどいまだにあのマジックがどういう仕組みでできてるのかがわからない。危ないということはわかる。

戦いの中でクロウリーに背中にベスト着せた猿を乗せられたのに忘れられているフルフル、不憫だ。
「あなたその冊子はどこで……現役のプロの手品師しか手に入らないはずだ……私のような」というアジラフェル、マジックを成功させたことによってマジシャンとしての自覚がカンストしている。

ここで実際の写真をアジラフェルの手に取らせて確認させているの、フルフルの真面目なところが出ていた。悪魔に向いてない真面目さが……
そのせいでまんまと天使さんからはめられてしまう。アジラフェルがこういうずるいことできるようになったのもクロウリーの影響なんだろうな。

奇跡ブロッカー、広告を排除するやつみたいなネーミングで聞くたびにじわじわ来る。

アジラフェルを言葉の魔法でプロのマジシャンにしたクロウリーが「お前は本当に手品が下手だな。舞台に立つのはもうやめよう」と言うことでアジラフェルをただの天使のアジラフェルに戻すの、お見事。
しかもおそらくアジラフェルの身の安全を守るためのことだろうし。

シャックスからガブリエルは古書店にいるという報告を受け、「ガブリエルを見つけてそれからどうします?」と訊かれたベルゼブブ、はじめ見た時はやけに歯切れが悪い返事をするな……ノープランだったのか?と思っていたけど、今思うとシャックスをはじめとした悪魔たちに知られないようにガブリエルを迎えに行こうとしていてたんだな。
そりゃ歯切れの悪い返事もする。シャックスはガブリエルをサタンへの貢ぎ物にしようとしているので。

アジラフェルがエディンバラから帰って来て早々「戻ったか!何かあったのかと思ったぞ」と言い、平穏だったよと返されれば「良かった。安心したよ」って言うクロウリー、アジラフェルに対する言葉にしてはなんの皮肉も混じっていないのでおそらく車に向けて言っている。
4割アジラフェル、6割車くらいかな。

第五章 舞踏会

フルフルに総勢1万の兵士を寄越すのだ!と言ったシャックス、あの狭い通りに1万連れて行ってなんとかなると思っているのでだいぶ予想がガバガバ。
あそこに1万連れて行ったらいくら天使が来てても内輪揉めで全滅しますよ。

月例会の人集めに奮闘するアジラフェルにとりあえず付き添うクロウリー、本当について行くの好きだから。アジラフェルのことが好きなのか、アジラフェルがどうやって人を集めるか興味があるのか。
その方法が大事な本を渡すだったので、ニーナとマギーのためにそこまでする!?ってびっくりする。
でも店長たちを説得している最中のアジラフェルの前では本を譲るなんて本気か!?と言わない。良心的。
ついでに手品店では帽子をかぶって水晶こねこねして楽しんでいるので気ままにやっていて良いね。

まつ毛がバッサバサの下級悪魔君、S1でもS2でも痛い目にあっており不憫。今回痛い目にあった理由はクソリプ入れまくったからですが。

マギーとニーナをくっつけよう大作戦で当の本人を月例会に誘うのに「なんの魂胆もなく完全に普通の集会だ」というアジラフェルのシーンを見て私はなんの変哲もない人間の警官です!って言うウリエルちゃんのシーン思い出したんだけど、天使って本来はこういう風に嘘をつくのが下手なんだろうな。アジラフェルは色々誤魔化すのうまくなってきているけど。

本屋さんは浮気相手?と訊かれて「あいつは浮気相手じゃない!心がピュアすぎて浮気相手になんかなれない!あいつは天使だ、ある意味」と返すクロウリー、「浮気相手にならない」じゃなくて「なれない」って言っているのが良い。
そもそもあの天使さん以外本命いないでしょあなた。
そして天使だ、「ある意味」と付けたことによって、クロウリーはアジラフェルが文字通りの天使であることを誤魔化したつもりなんだろうけど、相手からしたら人間的な「純粋無垢で優しく慈しみ溢れる性格である」という意味の天使であるという受け取り方をされているだろうなと思うと愉快。
こういう会話、クロウリーは多数あるんだけど、アジラフェルはシャックスとしかしてない(それも心理戦みたいな感じだった)ので、クロウリーとアジラフェルの間にはお互いのことをどう思っているかという隔たりがこの時点で結構ある。
性愛的なパートナーとして見ているのはクロウリーだけだったのかもしれない。

ガブリエルと話し合ってみたら?と言われて皮肉たっぷりにそうだな!と言いながら書店に向かって、クロウリーは尋問のトーンでジムと話し出すけど、クロウリーがジム(ガブリエル)に向かってずっと怒ってるのってやっぱり唯一の友達であるアジラフェル(の姿をした自分)に「黙ってさっさと死ね」と言ったことがずっとあるからなんだな。
アジラフェルを傷付けたことが許せない。
でも「窓から飛び降りろ」と言ったら「わかった」と返して大きい身体を小さい窓枠にぎゅむぎゅむと収めようとしながら実際に飛び降りるのも許せない。ここで多分ジムにはガブリエルとしての自覚や記憶が本当に無いんだと理解したんだろうな〜
そしてない記憶を一生懸命思い出そうとするジムを見て「よかったらホットチョコレート飲むか?」と訊くクロウリーはアジラフェルのこと言えないくらいお人よしだよ。優しいを通り越してお人よし。
多分こっちもこっちでアジラフェルに感化されている。
クロウリーはヨブの次女のことも、ウリエルのことも気に入っていたのでおそらく純粋無垢で朗らかな人がお気に入りだし、その過程でジムのことも嫌いになれない(性格だけ見てると割と好き寄り)んだろうなと思う。

ニーナとマギーをくっつけるために月例会を舞踏会にしよう!って考えに至るアジラフェル、すごい突飛だけど、クロウリーが失敗した今それ以外の手段がないのでクロウリーもリマインドのために街をてくてく歩いてニーナとマギーに声をかけに行く。
律儀だなぁ。

なんというか、全体を通して今シーズンのエピソードはクロウリーの優しさが際立つものであり、クロウリーが人から「優しいね」と言われる回数もかなり多い。そしてシーズン2の最初の3話でいかにアジラフェルの中でクロウリーの存在が大きいかというエピソードをやったので、今回はお互いがお互いの人生にしかに巨大な影響を与えているかを5話かけてじっくり描きたかったんだな〜と思いながら見ていた。
その結果が離別なわけですけど。

舞踏会のためにキラキラした青いタキシードのようなおべべを着せてもらいさんさんと輝く笑顔をして料理を配り歩いているジムが可愛い。
とんでもない服ではあるんだけど、ジムが着てたらなんか似合っている気がしてくる。
良い身体をしていると褒められて「良い身体でしょう!この身体で何ができるかずっと考えてる!昨日もベッドで開発してたんです!みてて!みてて!」と言ってほっぺをむんにゅむんにゅ伸ばして音を立てるところ可愛すぎてびっくりした。性愛とかとかけ離れているジム。

ガブリエルを引き渡さないと人間を殺す!と言われて自分から出て行ったジム、なぜかプロレスラーが登場する時に着ているようなふわっふわな上着を身につけていて、この一瞬で何?どうして?という気持ちで頭がいっぱいになった。ただ可愛いことしかわからない。
自分のことを天使として認めてもらえないからふわふわの上着で天使アピールをしたのかな。
いやそのふわふわの上着ってどこにあったんだ。誰のなんだ。店内に戻って来たら上着を脱ぐシステムはなんなんだ。

地獄の戦闘の法律を覚えているクロウリー、すごいね〜!かっこいいね〜!と思っていたら全てでっちあげだったのでいっそうメロメロになった。
人間を助けるために口が回るの、クールだよ。

「もうちょっとでクロウリーが戻ってくる。クロウリーには作戦があるんだ」と言うアジラフェルは「あなたはどうして自分でなんとかしようとしないの?」と言われてしまうけど、「してるよ!でも彼は私を助けたいんだ」と言い返すのでクロウリーが自分を傷付けようとする相手にはひどく厳しいという自覚があるんだ……この天使さんは……と思いながら見ていた。末恐ろしいな。

自分を逮捕して天国に連れて行けと言ったらまんまと口車にのせられてクロウリーを天国に連れて行っちゃうウリエルちゃん、詐欺とかに遭わないか心配になる。
その悪魔勝算があって天国に行こうとしているし、性格が良いから良いけどさ……

第六章 エヴリデイ

「踊らせたら君がマギーの愛に気付くかなって!そして恋人同士になると思ったんだ!オースティンの小説では簡単に見えた」というアジラフェル、全部暴露する。
この間プライドと偏見を見たのでしたり顔で語れるんだけど、確かにあの作品では舞踏会のダンスで険悪な人同士が仲を深めていたもんね……

天国スタイルクローリー、カチューシャをつけてもみあげの部分にあるタトゥー?がゴールドになっているのがキュートで良い。サングラスも淡い色にしてほしかったな〜!
アジラフェルはこの姿を見たことあるのかな。

アジラフェルの古書店に悪魔たちが入れなかったのってやっぱり招き入れられないと敷居を跨ぐことができないのかな。

防御手段を整えたと言っていたアジラフェルは最後まで本に入れた拳銃を使うことがなかったな。
てっきり悪魔を処分する時に使うのかと思っていた。拳銃をぶっ放すエンジェル、見てみたかった。

ウリエルちゃんずっと可愛いな。
もう招き入れてしまったのでクロウリーの言うことを素直にきく。
パスワードを変更していないので過去天使として位が高かったであろうクロウリーが資料にアクセスできるの、天国って……天国ってガバガバだ……と思ってヒヤヒヤする。
というか天使時代のクロウリーって一体何者なんだ。宇宙を創造するくらい偉かったんだものな。

ハルマゲドンによって世界を一回0にする会議の時、「だめ〜!」と言うガブリエル、言い方が適当で笑ってしまう。
これ、なぜハルマゲドンがダメなのかという質問への返事がめちゃくちゃだったのでガブリエルなのに……?と疑問に思いながら見ていたけど、実はベルゼブブとの約束があったから絶対に首を縦に触れないし、その約束のことをもちろん人に言えるわけがないというのがグッとくる。

消化器に押し負ける悪魔弱くない?下級悪魔って全体的にこうなのかな……

ハルマゲドンはNG!って言ったら天使をクビになる天国、おそろし……
ガブリエルが書記見習い天使38級になるときいて「嬉しい!私は37級だからまだ下があるなんて!」と喜ぶウリエルちゃんにやったじゃんみたいな感じでグーでコツンとするクロウリーのところ、かなり可愛くて好き。やっぱりクロウリーは素直で明るい子のことがお気に入りだよな。

ガブリエルはデスクを持ってないのにデスクの片付けに行かせるの、かなり天国らしい。信頼というか……人の意見を鵜呑みにしすぎるというか……疑うことを知らないというか……

アジラフェルの頭の輪っか外せるの、どういう仕組み?すぎる。孫悟空の頭の輪っかみたいな感じ?
その輪っかで悪魔が木っ端微塵になって戦争が始まるの、一体なんなんだ……

クロウリーとお偉い天使さんたちとでミチミチになってエレベーター乗って降りていくシーン、シュールで笑っちゃう。
みんな話すことなくて“無”の顔をしている。

悪魔も天使も古書店に集まっている時にシュン……と困った顔をしているジム、可愛すぎるな。ラブラドールレトリーバーという感じ。ずっとその顔してて欲しい。

あっ!記憶!?ハエ!?あっ、ハエずっと古書店にいたなそういえば!?えっ!?なに〜!?と思っていたらガブリエルとベルゼブブのロマンスが始まったのでびっくり仰天してしまった。
不意のロマンス、大好きです!ありがとう!
ベルゼブブがバー?パブ?喫茶店?で口からハエを出すシーンがセクシーで好き。

ハルマゲドンを使わないという結論が出て、現状維持、今のまま、変わらないことを選んだ結果がベルゼブブとガブリエルの関係性構築のきっかけになったの、やっぱりアジラフェルとクロウリーと対になっているのかな……
そしてエヴリデイを聴いて「この歌好き」とこぼすベルゼブブにガブリエルが「じゃあ私も好きだ」と言った後曲の「君の愛は確かに僕の元に来る」が聞こえるの、ロマンスとしてとてつもなく美しい演出でメロメロになってしまった。ベルゼブブとガブリエルってもうすでにお互いを愛していたんじゃん……

ベルゼブブに付き合って酒を頼むガブリエル、好きな人の好きなものは自分も好いていたいの、愛じゃん……愛の話、大好き。
そしてジュークボックスに奇跡を使って何をかけてもずっとエヴリデイが流れるようにしていたの、あまりにも素敵だ。ベルゼブブが好きな曲がずっと流れるようにする。
それにベルゼブブはお返しとして自分の一部でもあるはずのハエを返す……ここ何度見てもうっとりしてしまう。
二人とも愛してるとはお互いに言ってないけど、その言動でお互いを思い遣っていて、自分がしたことで相手が喜んで欲しいという気持ちがずっと一貫しているのが伝わってくる。これを愛と呼ばずしてなんと呼ぶのか。
ジムがガブリエルになってしまったけど、流れがあまりにも美しかったので何もいえない。ジムのままがよかったというより、ジムはジムとしていて欲しかったけど、でもジムの記憶がここで戻ってこなければこれ以上いいシーンなんてないでしょうと思うくらい素敵な流れだった。

ベルゼブブが「自分は天国と手を組んではいない、ガブリエルも地獄と手を組んではいない」と言った時、ヨブ記の2人のことを思い出していた。
クロウリーは良いことをしたし、アジラフェルは嘘をついたけどお互い反対組織と手を組んでいるわけではなくて、天使と悪魔でい続けたこと。

ベルゼブブとガブリエルが手を繋いだとき、アジラフェルは驚いたような顔をしてクロウリーの肩より少し下の腕のあたりにそっと手をかけていたんだけど、これはどういう気持ちだったんだ?
衝撃を緩和させるための添え手なのかな……

フルフルさんがヨブのことを「会ったことないけどイイ奴」と言っていて笑ってしまった。これ文脈的に皮肉とかじゃなさそうだよね。

「ベルゼブブがいるところが私の天国」「あなたがいるところが私の永遠の地獄よ」というやりとり、良い。
あなたがいるだけでどこでも素晴らしい場所になるというのを表すのに「永遠の地獄」って言葉を使えるのはベルゼブブだからこそだもんな。
それに対して「ケンタウルス座アルファ星はいいぞ。俺はずっと行きたい」と言った後にアジラフェルの顔をチラと見るクロウリー、アジラフェルと行きたいと暗に言っているじゃん……
そしてエヴリデイを歌いながら消えていくガブリエルとベルゼブブ、お幸せに……

ベルゼブブがいなくなったらシャックスが昇進するので家を返してくれ!というクロウリーのシーンでアジラフェルは初めてクロウリーに家がなかったこと、車で暮らしていたことを知るのか。
なんで言ってくれなかったんだ?って思いそうだけど、この後クロウリーの家問題について言及はないな……

「裏切り者を暴いたシャックスはおそらく議会から歓迎されるだろう」と言うフルフルさんに対してシャー!と言いながら手をゆるく握ったグーにして顔の横に持ってきた後、同じ手の形をしたフルフルさんとゆるいグータッチをするところ、可愛くて好き

メタトロン、怪しいおじいちゃんだな〜
優しいような、アジラフェルとクロウリーが離別することになった要因のような。クロウリーを険しい顔で見ていたりもするし、うーん。謎が多い。
「私が必要かもって!」とウキウキするウリエルちゃんに「良かったな。星のシールをやろう」と言うクロウリー、めちゃくちゃ可愛かった。ウリエルのことを完全に子ども扱いしている。自分が星を作りだしたのとかけてるのか?

窓から光が差し込んでくるところに椅子を置いて、そこに腰を浅くかけて背もたれにもたれるクロウリー、猫ちゃんみたいで良い。

クロウリーにはアジラフェルのことが大事ならアジラフェルとしっかり話して!という助言がたくさんあったけど、アジラフェルにはそういう助言はなくて、この作品通してアジラフェルがクロウリーの優しさに甘えていることしかわからない。
アジラフェルはクロウリーのことをどう思っているのか想像するしかないよな……

アジラフェルに大事なことを話そうとしている時、クロウリーがサングラスを外していて驚いた。
クロウリーの目の表情が見えることって少ないから。だからこそ本当に大事なことを話そうとしているのが伝わってくる。

キリスト再臨のプロジェクトって何!?よくわからないけどアジラフェルに偉い立場って向いてないんじゃないかな……

クロウリーを天使に戻せるときいて嬉々として伝えにくるアジラフェル、うーん!うーん……ままならない。
クロウリーは天国に嫌気がさして、そんな天国に飽き飽きしていたから堕天したわけで……
そりゃクロウリーも怒るよねと思うし、アジラフェルはこの6000年クロウリーの何を見ていたんだ?という話でもある。そりゃため息もつく。

クロウリーの話の時、アジラフェルはずっと気が動転したような顔をして話を聞いている。
まさかクロウリーに一緒に天国に行こうという話を断られるとは思っていなかったんだろうな。

クロウリーの理想はベルゼブブとガブリエルだから、一緒に来て2人きりで暮らしたい。この考え方ってずっと一貫していて、シーズン1の頃から言ってるけど、それをアジラフェルがまともに相手してくれたことないんだよね……地球が好きだからというのもあるだろうけど。

天国に行く気満々のアジラフェルに「この本屋を放っていくのか?」と言った時「ハハ、クロウリー、何事にも終わりがある」とアジラフェルが返したのが決裂のきっかけになったんだろうな……クロウリーもそこから自分の表情が見られないようにサングラスをかけてシャットアウトしてしまうし。

ここでアジラフェルは勇気を出して「君が必要だ!」って言う。おそらくアジラフェルからこういうことを言う機会ってすごく少ないんだろうな。

ベルゼブブとガブリエルが「これまでのまま」を選んだのに対して、アジラフェルはクロウリーに天使になって変わって欲しいと思っているのがクロウリーにとってはショックだったんだな……
それを言った後プイとそっぽを向くアジラフェルの胸ぐらを掴んで無理矢理キスをするクロウリー。
アジラフェルが苦しそうな表情をしているのに対してクロウリーはサングラスのせいで表情が一切見えないのが象徴的。
「私……君を許そう」と言うけど、クロウリーっておそらくアジラフェルに許されたくないからこんな強引なキスをしたんだよ。

アジラフェルとクロウリーって距離は近いけどお互いに触れるようなことってかなり少なくて、スキンシップのハードルが高いのが一貫していたので、その壁をあえて強引にぶっ壊すような選択をクロウリーはしたかった。
自分の言うことを頑なに聞かないアジラフェルを傷つけたかったんだろうな。
そして自分の言うことを基本的になんでも受け入れてくれるクロウリーがまさかそんな自分を傷付けることがあるなんて信じられないから、アジラフェルはキスされたことにひどくショックを受ける。

そしてクロウリーが去った後メタトロンに行こうかと言われて「あ、でも書店が……」って今更言うアジラフェル!永遠はないってさっき言ったばかりなのに!
「やっぱり私!」って言いかけるけど、動揺を断ち切るようにニッコリと笑って「なんでもありません」と言うシーンは胸が苦しいし、その後外に出たらクロウリーは車の傍でちゃんと待っててくれているんだよ。強引にキスしたけど、アジラフェルがやっぱりクロウリーと一緒にいたい!と言って自分のところに来るのを微かに期待している。

結局アジラフェルはメタトロンに連れられて天国に行ってしまうし、大事な2人の書店はウリエルが引き継いだし、クロウリーは自分の車に乗って眉間に皺を寄せて走り出す……
こんな悲しい終わり方ある……?
も〜!2人ともお互いが大切なのは同じなのにどうしてこうなっちゃうの!

この後Twitterを見てなるほどな……と思ったけど、アジラフェルはおそらく星を作っていた頃のクロウリーがこの上なく好きで、願わくばあの頃のクロウリーとまた一緒にいたいと思っていたというのがかなりしっくりきた。
クロウリーは今の自分色に染まったアジラフェルのことを愛しているので、お互い相手のことを大事に思っているという点は共通しているけど、見ている姿が2人とも違うんだろうな。

は〜……
シーズン3をください。

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