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AR2E メイジ作成編(中級者向け)

1. 初めに

 以前に投稿した「AR2E アコライト作成編(中級者向け)」の続編です。記事の主旨は「AR2E ウォーリア作成編(中級者向け)」と全く同じですので、そちらの方と併せてご覧ください。


2. メイジの役割

 まず初めに、メイジが担う事の出来る戦闘的な役割について大きなものを挙げます。基本的にはこれら2つのどちらかを選んでそれを特化気味に強化していく事になります。どちらも魔術を主体とした戦い方になり、魔術を使わないならメイジの強みはぐっと減ってしまいます。それなりのレベル帯になれば攻撃手段はもっていた方が活躍出来る場面が非常に多いため、アタッカーでなくても攻撃手段は確保しておきましょう。幸いにもメイジは少しのスキルで瞬時的な火力を確保できるスキルが用意されています。メイジがどちらを選択するかでパーティの戦い方ががらりと変わる事があるので、足りていないところを補填する形で作っていけばかなり活躍できると思います。どちらを選んでもセージ等による識別等と両立しやすいものメイジの利点です。

  • アタッカー
     メイジの花形的役割です。武器の更新による攻撃力の上昇はないですが、それをちゃらにするぐらいにメイジには火力を底上げするスキル、アイテムが豊富にあります。基本的には四大属性の攻撃魔術から1つ選択し、それを強化する《マジシャンズマイト》や《ファイアロード》といった高係数スキルで打点を確保します。もちろん、サポートクラスから攻撃魔術を取得するのもいいでしょう。これを範囲化して敵を一掃するのがメイジアタッカーの役割です。超高打点の範囲攻撃を戦場のどこにでも安定供給出来るのは、メイジでないと難しいでしょう。属性を1つ選択と言ったのはアリアンロッド2Eでは、複数の属性の攻撃魔術を使用するのは同属性や対抗属性に対する対応力よりも、1つの属性を強くする方が圧倒的に強いからです。2つ、3つと選択すると、火力を伸ばす手段も簡単には確保できなくなり、メイジの効率的なダメージ上昇のメリットを失う事になります。
     また、魔法ダメージが物理ダメージに比べて通りやすいダメージ種別である事もメイジアタッカーが重宝される理由の1つです。

  • サポート
     魔術での支援、回復、軽減を行うのがメイジの2つ目の役割です。注意点として、回復、軽減をする場合は他のサポートクラスのスキルから取得する必要があるため、アコライトやサモナー等と選択肢はそれなりに限られてきます。《エンチャントウェポン》や《フィジカルエンチャント》、サポートクラスの支援スキル等で味方と自分を強化していきます。魔術であるなら《マジックブラスト》で強化範囲を上げられるのもいい点です。これらにスキル枠を使うと、攻撃の火力が減るためメジャーアクションは1枠で十分効果を発揮する回復スキル等を取得しておくと活躍する場面も多いかもしれません。それから、サポート役は自分勝手に使いたいスキルを使用するわけではなく、味方が欲している支援をしっかりと選ばなければ最大限に活躍出来ない事を覚えておきましょう。
     ただし、メイジのシナリオ1回スキルである《リゼントメント》を使用しないのはあまり強くないため、支援スキルが十分に揃えば攻撃魔術と《リゼントメント》や《マジックフォージ》を取得して、局所的な高打点を持っておくと支援がすべて終わった後や、緊急性を要する場面で活躍出来ます。

4番の項目では、これらの役割を担うためにどうしても必要になってくるいわゆる必須スキルを並べていきます。


3. 必要な能力値

  • 【筋力】(多少)
    装備重量の条件を満たす程度まで。移動力もスクウェアルールで2マスは動けるようにしておく。

  • 【知力】(必須)
    魔術判定は攻撃の命中でも使用するため必須。

  • 【感知】(任意)
    ミドルの情報収集強化と行動値の確保。《ブーストマジック》を使うなら必須。

  • 【精神】(必須)
    コストの重い魔術を使用するためのMP確保。


4. 主軸となるスキル

 では、メイジを作成する上で主軸になっていくスキルを紹介します。

  • 《コンセントレイション》
     魔術判定を1D増やす事の出来るスキルです。メイジは魔術主体で戦うクラスなので、このスキルは自然重要になってきます。魔法攻撃なら命中+1Dされるので当然必要ですし、支援型で作成しても頻繁に使用する魔術のファンブル率をぐっと下げる事が出来ます。武器アタッカーの《アームズマスタリー》と同様に必須スキルになります。

  • 《リゼントメント》
     一時的に膨大な火力を生成する事が出来るスキルです。対象は単体※となりますが、《ボルテクスアタック》同様に厄介な雑魚を1手番で落としたり、ボスのHPを一気に削り切る事が出来ます。メイジの範囲攻撃とかみ合わせがそれほど良くない様にも見えますが、およそ2回分の攻撃を1回で叩き込めるこのスキルが不要となる事はまずないでしょう。メイジが支援型も少ない枠数で実用的な攻撃に転じられるのはこのスキルがあるからです。ただし、《ボルテクスアタック》同様に、1レベルでは少し価値が低くなります。取得の目安としてはアタッカーならCL2~3ぐらい、サポート役なら攻撃スキルを取ったタイミングです。条件を満たしたタイミングで《マジックフォージ》とこのスキルのどちらを取得するか迷った時は、よほどの理由がない限り、《リゼントメント》を取得してください。

  • 攻撃魔術(《ファイアボルト》等)
     魔法攻撃をするためにはスキルを取得する必要があります。魔術攻撃にはダメージが少し高いものやバッドステータスを与えるもの等、属性の他にもそれぞれの特徴を持っています。それぞれについては5番の項目で詳しく解説しますが、基本的には自分の構成と相談して、シナジーのある攻撃魔術を選ぶ事になります。サポートクラスに攻撃魔術があるなら、そちらを取ってみても面白いでしょう。

  • 《マジックブラスト》
     攻撃、支援問わず、魔術の対象を増やす事が出来るスキルです。移動の代わりに使用する事になりますが、多くの魔術には射程が設定されているため、そこまでのデメリットを被る事はないです。発生させるダメージが単純に数倍になりますし、味方を一気に支援する事も出来るため、魔術主体で戦うメイジには必須スキルとなる事は容易に想像できます。しかし、必須である一方、《マジックブラスト》は腐りやすいスキルでもあります。それは「対象:範囲(~~体)」は1つのエンゲージに固まっている場合のみ有効だからです。敵が何体も同じ場所に固まっている状況はランダムダンジョン以外ではあまりないですし、固まっていたとしても自分の手番までに散らばってしまう事も多々あります。また、味方が固まっている状況は作れても、そのためにエネミーの範囲攻撃を受けやすくなってしまう欠点もあります。そのため、使用できる場面で得られる爆発的なアドバンテージを得るために、ある程度腐るものと割り切って取得する事になります。SL1はCL3~4までには欲しく、そこから伸ばすかどうかは好みの問題だと思います。個人的にはSLを3まで上げる事はあまりオススメ出来ません。


5. その他スキル

 以降は必須スキル以外を一通り紹介していきます。前提として、魔法攻撃の命中/ダメージの上昇値だけで考えると、下級スキル1枠当たり+3/+5以上であれば相当強く、+2/+3.5が強い、+1/+2以下だと弱いというのが筆者の感覚です。評価の目安は以下の様になっていますが、すべてのスキルを一概に評価する事はできないため、参考程度にお考え下さい。
★0:取得しない方がいい
★1:特殊な状況でなければ取得する必要はない
★2:構成とかみ合っているなら取得価値あり
★3:構成とかみ合っているなら取得するべき
★4:取得するスキルで悩んでいるならこのスキルを取れば良い
★5:取得しない理由が必要
※評価は下級に絞ってつけています。

  • 《マジシャンズマイト》★★★★☆
     コンストラクションで必須スキルに設定されていますが、それも納得の性能です。属性を指定せず、魔法攻撃であればなんでもダメージを増やす事が出来ます。パッシブであるのも強力で武器攻撃では考えられない程、ダメージ上昇効率が良いスキルです。火力上昇手段として属性限定の4係数スキルの次に優先されるスキルです。

  • 《アースバレット》★★★★☆
     <地>属性の攻撃魔術です。追加効果は[スリップ]であり、かなり強力な部類と言えます。遠隔からダメージを与えた敵に[スリップ]を与えるため、遠隔攻撃手段がなく、[スリップ]対策をしていないエネミーを一方的に詰ませる事が出来ます。ただし慢心は禁物で、レベルが上がってくると白兵攻撃のみのエネミーは大抵[スリップ]への耐性は持ち合わせています。このバッドステータスは、PCが取得できるスキルに[スリップ]を無効にするスキルが多い事からもわかるように、高い詰ませ性能が故にその対策も多く用意されているのです。目を付けられやすいバッドステータスであるため、[スリップ]をそもそも無効にするスキルも多く、もし、《バッドステータス無効》による10点の打点確保まで見込みたいなら、他のスキルを取った方がいいと感じるかもしれません。

  • 《アースブレイカー》★★★★★
     アタッカーが<地>属性の攻撃魔術を使うなら一番最初に取るべき火力上昇スキルです。下級クラスにおいて、パッシブで4係数のダメージ上昇スキルはメイジにしかありません。魔法アタッカーが武器アタッカーの装備更新による火力上昇に追いつき、追い越せる理由になっているスキルですので、SL5まで取る事が推奨されます。
    L《ダオ・グラスプ》☆☆☆☆☆
     移動力減少が《アースバレット》の[スリップ]と全く嚙み合っていません。[スリップ]が効かないエネミーに対しても、スクウェアルールにおける1マスの差が大きく影響する場面はごくごく稀でしょう。また、ラウンド持続のため、先に攻撃する必要があります。敵より遅い場合、《二回行動》による2回目の行動には作用する可能性がありますが、1回目の行動で動きたい場所に移動されている事が多いため、有効とは言えないでしょう。

  • 《ウィンドバリア》★★☆☆☆
     限定的な条件ではありますが、上昇値は5で下級では考えられない程高いです。リターンが大きいため、スキル枠に余裕があるのなら取得の価値は十分にあるでしょう。ただし、使えない戦闘が何度も続く事も当然考えられるため、そのつもりで取得してください。

  • 《ウォーターシールド》★★☆☆☆
     こちらも《ウィンドバリア》同様に、限定的な条件で大きな効果を発揮するスキルです。最もメジャーなダメージ軽減スキルである《プロテクション》SL1の約3倍の効果であるのを見れば一目瞭然です。特殊攻撃と言えば、竜のブレス等がありますが、特殊攻撃の登場頻度の高さは割とGMによる好みの部分が大きそうなので、キャンペーンであれば雰囲気を見つつ取得を検討してみてもいいかも知れません。

  • 《ウォータースピア》★★★★☆
     <水>属性の攻撃魔術です。追加効果は[放心]であり、これも強力な部類でしょう。命中ダイスの減少は回避型の味方を大きくサポート出来ますし、代用判定等による一度限りの回避の成功率を上昇させる事も出来ます。また、上級になれば、《インターフィアレンス》等の攻撃を失敗させるスキルの援護にもなります。一見エネミーより先に行動しなければなんの効果もないバッドステータスにも見えますが、例え遅い場合でも、ボスクラスのエネミーは大概《二回行動》を取得しているため、見た目ほど完全に腐る場面は無いでしょう

  • 《ウォーターマスター》★★★★★
     アタッカーが<水>属性の攻撃魔術を使うなら一番最初に取るべき火力上昇スキルです。パッシブで4係数のダメージ上昇スキルの強さは《アースブレイカー》で示した通りです。こちらもSL5まで取る事が推奨されます。
    L《マリッド・ストリーム》★★★☆☆
     このスキルは自分が恩恵を受けるスキルではないので、味方の行動値と相談して取得するかどうかを決める事になると思います。自分より遅いアタッカーがいれば、取得を検討するスキルになります。エネミーが回避型でなければ有効でないと言うことはなく、2Dでもクリティカルしてしまえば回避されてしまう仕様上、敵の回避ダイスを1Dにしておく事には大きな意味があります。[スタン]とは違い《バッドステータス無効》で解除出来ない事や、味方の《ボルテクスアタック》を回避されるのをケア出来るのも非常に強い点です。

  • 《エアリアルスラッシュ》★★★★☆
     <風>属性の攻撃魔術です。追加効果は命中に+1Dで他とは少し毛色が違う効果です。バッドステータスではないので、敵に何かを強いると言うわけではありませんが、他に命中ダイスを増やす攻撃魔術は地方クラスのサロゲートの《ライトシュート》以外にはなく、レギュレーションを考えると、ほぼ唯一の性能であるため、それだけでも一定の強さはあります。クリティカル率が高くなる事から、ニンジャ等で命中判定クリティカルを狙う場合、攻撃魔術はこのスキル一択になります。

  • 《エアリアルセイバー》★★★★★
     アタッカーが<風>属性の攻撃魔術を使うなら一番最初に取るべき火力上昇スキルです。《アースブレイカー》《ウォーターマスター》で既に示したため、ここでの説明は割愛します。
    L《ディジニ・ブリーズ》★★★☆☆
     自分より行動値の低い武器アタッカーが恩恵を受けるスキルです。魔法化、もしくは防御0参照の手段を持たない該当のアタッカーが1人でもいるなら、一気に10点分のダメージ上昇を見込めるため、強いスキルとなります。序盤のエネミーは物理防御力が低く、その効果を最大限に発揮する事は出来ませんが、中盤以降は問題ないでしょう。

  • 《エキスパート》★★☆☆☆
     魔術判定のダイスを増やす事が出来ます。《コンセントレイション》を取ってそれでも足りなければ取得する事になると思いますが、武器による命中ペナルティがないメイジでは少し価値が落ちてしまいます。攻撃以外の魔術判定をマイナーアクションで上昇させるのは唯一の効果であるため、敵に悪影響を与える魔術を使用する場合には活躍できるかもしれません。しかし、そういったスキルはあまりなく、《レインボーカラー》等が存在する上級クラスのソーサラーには《カーススペル》があるため、活躍の機会は少なくなってしまうかもしれません。一方で、命中判定でクリティカルを狙う構成なら、このスキルは必須レベルに評価が跳ね上がります。

  • 《エラプション》★★☆☆☆
     <火>属性の攻撃魔術を使うキャラクターが《ファイアロード》《マジシャンズマイト》を取り終えて、更なる火力を求めて取得するスキルです。<火>属性魔法を取得するキャラクターは高打点を求めている事が多いため、選択肢には入ります。ただし、ラウンド中しか持続せず、セットアッププロセスはサポートクラス、上級クラスで空けておきたいタイミングのため、そちらを優先した方が良い事が多いです。特に火力を求めるウィザードに進む場合は《インクリーズデバイス》との競合が最もネックになります。

  • 《エンチャントウェポン》★★☆☆☆
     基本的にはサポート役が取得するスキルになります。魔法防御力より物理防御力の方が高いエネミーが非常に多く、味方の武器攻撃を魔法ダメージ化するこのスキルはダメージの通りをよくする優秀なスキルです。特に「分類:機械」のエネミーには絶大な効果を発揮します。ただし、アリアンロッドには理力符や聖水といったマイナーアクションでの魔法ダメージ化アイテムが存在するため、そちらでいい場面も当然存在します。武器アタッカーがマイナーアクションを空けづらい場合や、金銭が不足している場合なら十分に価値のあるスキルといっていいでしょう。《エンチャントウェポン:無》と比較されますが、パーティの戦い方を考えたときに射程が必要かどうかで判断すれば良いと思います。クラスロールの《エンチャンター》を取得するのなら、《エンチャントウェポン:無》で十分です。

  • 《ストーンスキン》★★☆☆☆
     1枠あたりの防御上昇力がかなり高いので、セットアップを使用し続けても問題ない構成のサポート役なら、強く使えるスキルです。基本的にはダメージを肩代わりしてくれる《カバーリング》を取得しているキャラクターに使ってあげましょう。この一連の記事ではウォーリアは《カバーリング》を必須としているので、狙われなくなる等の議論はしませんが、攻撃誘導が出来たならそれだけで価値のあるスキルでしょう。《マジックコート》とどちらを取得するか迷うと思いますが、基本的には弱みを潰す形でとればいいのかなと思います。対応力を上げるために、《マジックコート》も併せて取得するのもいいでしょう。

  • 《デトックス》☆☆☆☆☆
     コストを払って2係数でロスを減少させるスキルです。条件は限定的であるにも拘わらず、効果はミジンコ程しかありません。一応、[毒]や[衰弱]に対して一定の耐性らしきものを得られますが、強度1を完全に消し去るためには3枠も必要で、しかも1回1回に払うコストとしては高すぎます。使用した事によるMPコストの方が悪影響を及ぼす場面の方が多い気がします。トラップにも効果はありますが、あまりにも微々たる効果とそれを得るためのコストが釣り合っていません。

  • 《ファイアボルト》★★★★☆
     <火>属性の攻撃魔術です。追加効果はなく、他の攻撃魔術より5点だけ素点が高く設定されています。純粋なダメージの数値を求める時に取得しますが、《バッドステータス無効》を考慮するとバッドステータスは10点相当なので、結果的には他に劣る可能性が出てきてしまいます。しかし、敵に左右されず高いダメージを安定供給できるのは1つの大きな強みです。《ファイアロード》のリミットスキルである《イフリート・シマー》がかなり強いスキルなので、そこまで取得してしまえば、他の攻撃魔術との追加効果の差はむしろ逆転するかもしれません。

  • 《ファイアロード》★★★★★
     アタッカーが<風>属性の攻撃魔術を使うなら一番最初に取るべき火力上昇スキルです。《アースブレイカー》等と同じ説明になるため詳細は省略します。
    L《イフリート・シマー》★★★★★
     命中判定をラウンド終了時まで1D減少させます。[放心]と似たような効果ですが、こちらは攻撃限定です。ただし、この効果は《バッドステータス無効》で取り消す事が出来ないのが非常に強いです。《ウォータースピア》でも説明しましたが、この手の効果は《二回行動》でも有効であるため、先制しなくても必ず腐ると言うわけではありません。そして、《二回行動》をする様なボスエネミーのほとんどはメジャーアクションで攻撃を行います。この事からほぼほぼ[放心]の上位互換と言っても差し支えないでしょう。追加効果を持たない《ファイアロード》を大幅に強化するスキルです。

  • 《フィジカルエンチャント》★★★★☆
     アタッカーは取得する機会はないですが、サポート役でメジャーアクションに迷っているならこれを取りましょう。取得するならSL3まで伸ばし、+6の恩恵を与える事で真価が発揮されます。このスキルは3つの能力値から使用する際に選べるため、状況に応じた効果を得る事が出来ます。基本的に選択するのは命中判定で使用する【器用】か、回避判定で使用する【敏捷】となります。命中が+6もされれば大抵の攻撃は当たりますし、回避が+6されれば回避型のキャラクターもかなり避け易くなるでしょう。また、下級の中盤までなら回避型でないキャラクターにもフェイトの使用で避ける可能性を生み出す事が出来ます。更に、能力値判定を上昇させるこのスキルはFS判定でも約半分の判定をカバー出来るため、かなり楽に突破出来るでしょう。上級スキルの《リミットブレイク》による拡張性の高さも良いですね。

  • 《ブーストマジック》★★★★☆
     メインプロセス毎にマイナーアクションを使用しますが、1枠当たりのダメージ上昇効率の高さは他には無いものがあります。ウォーリアの《スマッシュ》同様に、[威圧]等で使用出来なくてもそのメインプロセスで腐っているのはこのスキルの1枠分だけなのも強いところです。取得するなら、【感知】を伸ばしていきましょう。

  • 《フライト》★★★☆☆
     他人を飛行状態にさせる希少なスキルです。飛行状態であれば、そうでないエネミーに対して自由に移動する事が出来るため、戦略の幅が一気に広がります。飛行状態のエネミーを足止めできる面でもかなり大きな効果を見込めるでしょう。それだけではなく、飛行状態であるだけでダンジョンのトラップやギミック等を突破できてしまう事も多々あります。また、移動力がスクウェアルール1マス分上昇するのも地味ですが動きやすくなります。ただし、1マスは1マスのため、SLを2以上に上昇させても、それが有効に働く場面が頻繁に来るわけではないのでSL1で止めておくのが無難でしょう。射程が至近と少し使いづらい点は《スペシャリストⅢ》で味方がどこにいても一気に飛ばす事が出来、弱点を補強出来る事は覚えておいて損はないでしょう。

  • 《マジックコート》★★☆☆☆
     《ストーンスキン》の魔法防御力版です。タイミングの制約や効果量もそれと同じですが、魔法防御力を上昇させるスキルはそれほど多くないため、パーティの相性を考慮してもどちらか迷った時は、こちらを優先する方が良いかも知れません。その分《ストーンスキン》よりコストが少し重く設定されているので、自分の燃費と相談する必要があります。

  • 《マジックフォージ》★★★☆☆
     シーン中に1回しか使えませんが、《マジシャンズマイト》の倍の効果量を持っています。すべてのラウンドで攻撃するなら、2ラウンドで《マジシャンズマイト》に追いつかれ、3ラウンドで追い抜かれてしまうため、恒常的な打点が欲しいアタッカーは別のスキルを選択した方がいいでしょう。しかし、最初のラウンドで瞬時的な火力を出す事が出来るため、範囲攻撃に合わせやすいメイジの場合、このスキルによる火力の前寄せの価値が、ウォーリアにおける《スラッシュブロウ》より高くなります。また、1回の戦闘中に何度も攻撃する機会のない支援主体のメイジにとっては、《マジシャンズマイト》よりも優先して取得するスキルになります。ただし、CL1以外のレベル帯では《リゼントメント》より優先される事は間違ってもないです。

  • 《マジックロック》★☆☆☆☆
     鍵Aを設置する事はあまりないですし、シナリオ的に詰み要素になる様な設置をする場合はGMに拒否される事になるのでこちらの効果はあまり使わないです。このスキルの効果の本体はトラップ解除を魔術判定で代用出来る事です。しかし、ほとんどの場合は【器用】の高いウォーリアかシーフがトラップ解除を担うため、一般スキルでそれが出来てしまうキャラクターに任せてしまった方が良い事が多いです。ただし、魔術判定はトラップ解除判定より達成値を上昇させやすい傾向にあるので、どうしても高い達成値が必要な場合は活躍する事があるかも知れません。多くのトラップはトラップ解除の難易度より、トラップ探知の難易度の方が高く設定されているため、その場面があまり来ない事も頭の片隅に置いておいてください。

  • 《マテリアルコンポーネント》★★★☆☆
     得られる恩恵だけを見れば戦闘中に何度も使えるため、《マジックフォージ》や《マジシャンズマイト》の上位互換スキルとなります。ただし、1度攻撃するのに200G以上が消費されるため、序盤だとまず使い物にならないスキルです。逆にお金が余り気味な状況や、高レベルになって200Gの価値がそこまで高くなくなったのなら、積極的に取得するしてもいいスキルでしょう。基本的に他のスキルとタイミングが被らないので遠慮なく取れるのも強いところです。


6. 最後に

 この記事ではメイジの構成について筆者の考え方をざっくりと紹介してみました。ひと月に1記事を書く事をこっそり目標にしていたのですが、今月の分は早めに書きあげる事が出来て、ほっとしております。さて、毎度の事ですが改めて確認を。ここで記したのは、あくまでもデータ的によりたくさん活躍出来るキャラクター、またその役割に求められている事に対して筆者の個人的な考えをまとめたものです。そのため、所謂最適化されたビルドを書いているつもりは一切ない事をご理解いただけると幸いです。アリアンロッド2Eプレイヤーにデータを考える楽しさの入り口としてこの記事を使っていただけていれば嬉しいなという願望を胸に、ここで筆を置こうと思います。ここまで駄文を読んでいただきありがとうございました。
2021/10/05

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