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【令和の闇経済学】相撲部屋はなぜ潰れないのか◎前編

多くの力士たちを抱え相撲部屋はいかに運営されているのか? お金の出どころは一体どうなっているのか? 一般人にはよくわからない角界ビジネスの裏側を探ってみた──

「ある種の貧困ビジネスではないか」(後援会会員)


マスコミでも度々角界のカネにまつわる黒い噂が飛び交う


表向きは力士ファースト

 相撲部屋は、大勢の若い力士たちを抱えて、いかに運営しているのだろうか──。
 ある相撲部屋は、設立から30年ほど経っているにもかかわらず関取誕生はわずか1人。その後引退してるので現在はゼロ。最高位は3段目。21人もの力士がいながら関取がおらず、どんぐりの背比べ。そのため仲良クラブなどと揶揄され、本気で関取を育てる気があるのかといった疑問や不信の声も聞こえてくる。
 しかし、この部屋の親方は方針を見直すつもりはなさそうだ。
「ただ厳しいだけではダメ。力士ひとりひとりのやる気と自主性を尊重する」
 これが同部屋のモットー、とある後援会会員も語っている。だがその結果、ひとりの関取もいない。親方としてはたしていかがなものだろうか。
 力士は序の口であれ横綱であれ基本的に相撲協会に所属している。そのため親方は協会から力士を預かったものなのだ。預かった以上親方には力士を月給が取れる一人前の関取に育て上げる義務と責任がある。そのため、この部屋に対してこんな声さえささやかれている。
「これはある種の貧困ビジネスではないか。親方は関取を育てるより弟子を多く集めれば協会から、『力士養成費』という名目の給付金が入るからです。もちろんこのカネは親方に入る。だから力士ばかりでも台所事情は潤沢、親方もホクホク。関取がいなくても部屋がつぶれないのはこうした事情があるからなんですよ」(前出の後援会会員)
(後編に続く)


取材・文◎岡村青