義姉の反撃開始

本当に良くなる玄関チャイム🎶

その家は玄関がすりガラスで来客が薄っすら分かる

出勤前に誰かと思えばそのシルエットは義姉だ
正直面倒くさい

私は出勤時間はゆとりを持っているので多少は融通が効く
が、この人と出勤前に関わるのは碌なことがない

仕方無い、出るか
“おはよう“声が明るい
目が笑っていない
怖いんですが
『おはようございます、今から会社なんですが』
“へぇー何処の会社?有名なの“
あー出た出た面倒くさい女だ
釘を刺す意味で返事した
『〇〇ガスです』
“えっ何処の営業所“
『いえ、本社です』

義姉の沈黙
そしてそっと紙袋を渡してきた
“丁度よかった、この服ね私には縦も横も合わなからあげる“
開けてびっくり
BIGサイズのスーツが出てきた

確かにこの頃はポッチャリ体型でしたが

断るのも面倒なので頂く
では、失礼しますとドアを閉めようとしたら
阻止してきた
あー面倒くさい女

笑顔で『ごめんなさい、時間がないので』

彼女は自称デザイナー
服装は20代
実年齢はご想像にお任せします

太目の手足を出すのがお気に入り
夏はホットパンツを良く着ていた
そしてお尻を良く破いていたらしい
これも義母が楽しそうに報告して来た

そんな姿を義父は恥ずかしい、みっともないと嘆いていた

私は他人事
どうでも良いし、ぽっちゃり体型の私を馬鹿にしてるのも周知の事

しかし、このスーツはあまりにもデカい
なので、その週末に義実家が揃っている最中に服を返しに行った
『お姉さん先日はありがとうございました』と
頂いた服ですが、私にはかなり大きくて誰か他の方に差し上げてください

固まっていた
顔が高揚していた
怒ってるようだ
横で旦那が笑いを堪えている

そこで登場、事を大きくする義母
実に良い仕事をして下さる

あらー、ごめんね失礼よね
あらー、こんなおデブちゃんじゃないわよね

もう、旦那が堪えきれなく爆笑
私も大爆笑、義姉は顔が真っ赤だ

友人が来るので失礼しますと退散
勿論、今夜の酒の肴はこの話題

当然、近所に聞こえていたと思う
みんな酒が入り声がデカい
旦那は義母の血が濃いのか話を盛る

隣のスピーカーにも聞こえてるはず
お隣と義母は仲良しさん

次の日、車を取りに行った旦那がすぐに帰って来た
婆さん達の井戸端会議が始まった、捕まるから迅速に動くぞと

昨日の話で盛り上がっている
仕方無い、捕まると長い
携帯で話しているフリで玄関の鍵を掛ける
タイミングよく車が来た
セーフ脱出成功だ

本当にこのメンバーは噂話が大好きだ
しかも話が大きくなる
元の話に尾鰭は鰭が追加される

これは、彼女たちと仲良くしておくのが得策

早く出たい、引っ越したい

書くことが楽しくって読んでいただけて更に嬉しぃ