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ゴミ問題と貧困、そして高齢化社会

この記事を読んでくださる皆さんの中に、近所でお金になるゴミを集めている人を見たことはありますか?
お金になるゴミ、つまりは資源ごみです。
昔は日本でもリアカーで廃品回収をして生計を立てていたことは知っていましたが、昔々の話だったわけです。

しかし、韓国では今なお廃品回収や資源ごみを集めて生計を立てている方々がいます。
華やかな韓国のイメージとは程遠いようで、すぐ近くに存在する現実。
特に、高齢者が多いように感じます。

日本でいうマンションでは管理されており、無断でゴミをどうこうすることはできませんので、住宅街でよく見かけます。
大きなリアカーを引きながら、何倍にもなるような段ボールの山を運ぶおじいちゃんもいれば、壊れたベビーカーのシートを外して小さく集めるおばあちゃん。
車を走らせていると、車道をすすむ姿も珍しくないものです。
ドキュメンタリー番組では空き瓶を集めてお小遣いをためる男の子なども放送されたりします。

高齢社会と貧困はよく問題にあがりますが、韓国は他の国々よりもとくに高齢層の貧困率が高いことが指摘されています。

韓国国内でどれぐらいの方々が廃品回収で生計を立て、業者ではどのくらいの規模で回収しているのか、研究や調査がされているのかも疑問ですが…
というのも、触れてはいけないような反応があるからです。
完璧に行政がゴミを管理下におくと、その人たちの仕事を奪うことになるというのです。
道端のゴミを拾う人たち(環境美化員)がいるから、ポイ捨てしても大丈夫だと子供に教える母親を目撃したこともあります。
今週ゴミに関する講義をしてくださった講師も、言及はするものの言葉を濁して終わってしまいました。

ゴミを拾わなくても暮らしていける方法はないのでしょうか?
残りの余生を、ゴミ拾いで終わってしまう人生でいいのでしょうか?
ゼロウェイスト運動でゴミ処理用の予算が余り、よりウェルビーイングな社会のために予算をまわせる自治体もあります。

集めた段ボールが雨でぬれてしまい、道端に広げて乾かしているおじいちゃんを近所で見かけました。
冷たい雨が、もっと冷たく感じた日でした。

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