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悩まない写真家はいない


実は2023年の8月から、週に1回写真を撮っている人と1対1でお会いする機会を作っています。

お陰様で毎回多くの申し込みを頂き、自分にしては珍しくとりあえず8ヶ月くらい続けています。


きっかけは「私が撮りたかった女優展」に参加したいと言ってくれているフォトグラファーともっと出会いたかったから。それまでも自薦で参加表明をしてくれる人はたくさんいましたが、それができない人も多分たくさんいて、そういう人こそいい写真を撮れたりするもの。少しでも間口を広げるべく、「作品見せ」と題して毎週木曜日に行っています。

と言ってもあってあれこれ批評する資格もないので、個人的感想を言ったり、聞かれたことに答えたり、ディスカッションしたりしてます。

悩んでいないフォトグラファーはいないんですね。全員が悩みを持っていて、だからこそ話しに来てくれている。


特にいい写真を撮る人ほど悩んでたりする。
写真の外側では社会人なので、溢れる個性や常識がこの社会で通用しないんでしょうね。それこそが才能なのにと背中を押したりします。

悩まなくていいことに悩み続ける姿勢こそが写真にあらわれると言っても過言ではない、と思う。

逆に、ポジティブ過ぎる人の写真はあまり感動を生まなかったりする傾向がある。良さがわからないと思った写真を撮る人ほど、コメントしてもすーっと受け流される。まあそれも才能..突き進んで欲しいとは..思うかな。

一方で、諦める才能もとても大事だと思っている。それは「写真を」ではなく「撮ること以外を諦める」ということ。(一部のすごい人は除いて)ほとんどの人が撮ること以外のことも自分で背負うでしょう。

仕事のやりとり、セレクト、レタッチ、レイアウト、プリント、額装、販売、本造り、営業、ブランディング、、、

そもそもフォトグラファーには撮ること以外の付帯作業があまりに多いですよね。会社員であれば部署が違って自分がやらなくていい専門外のことも、フォトグラファーはやらなければならない。そうじゃないと回らないですしね...。でも本当は任せたほうがいいと思うんです。


写真がすごくいいのにそこに付帯する部分がお粗末だったり気が回らなかったり、洗練されていないせいで逃しているチャンスや評価は結構あると思います。

まずやってみて大変さを知ったあとは、人を頼るのが個人的には正解で、ちゃっかりいろんな人に頼ってうまくいっている人が実は結構います。

それは誰かを使うとか、そう意味ではなく、真ん中にいるイメージ。

その人の写真に突き動かされるようにそれに関連する職業の人が動いてくれる環境が理想だと思います。


具体的に例を挙げるなら「眠っている作品を形にしたい!」とき、
あなたならどうしますか?

「写真集 自費出版」「ZINE 作り方」「写真展 会場」
とかググる人が多いのではと思います。

ではなく、「こういう作品が眠っているんですが、何か使い道とか出しどころないですかね?」と出版関係者やキュレーターなど(いなければデザイナーやディレクターやプロデューサー、ミュージシャンとか)に言って回る。

その作品や人に力があれば誰か動いてくれるもんです。
すぐには難しくても、あるとき「あれってまだ眠ってる?」って聞かれたり。

そういうイメージです。

もっと先も一緒です。
本を作るときも「自費出版 デザイン」とか調べて自分でやらない。
デザインはデザイナーに任せ、ページネーションは第三者とやる。

それが僕のいう「あきらめる」です。


一応言いますが、全部1人でできる人もいます。そういう人はおいておいて、こういうスタンスが「撮ること」「作ること」に集中し、結果的に「自分らしさ」にもつながる。そして、悩みを減らす第一歩な気がします。

その作品見せをしているオフィス


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