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3つの「C」、書きこなせていますか?

こんにちは、noteコーディネーターの玉岡です。
本日紹介する書籍はこちら!


第1章「ライティングの基本」では、本書の要となる「3C」が紹介されています。
この3C、何を意味しているか分かりますか?

正解は Correct / Clear / Concise  です。
日本語では 正確/明確/簡潔 となります。
読み手が内容を取り違えることなく、正しく情報を受けとるための文章にはこの3Cが不可欠であると本書は説きます。
英語に限らず、すべての言語における技術文書でも共通する要素だと思いますが、英語では「技術英語」という特有のジャンルがあり、その文法や書き方のコツがあるのだそうです。

その目次はこちら。


【目次】
第1章 ライティングの基本
1. 3つのCの概念
2. Correct
3. Clear & Concise
4. センテンス
5. パラグラフ
6. 文書
7. 知っておきたい表記法

第2章 ライティングの英文法Ⅰ
1. 名詞の取り扱い―数
2. 名詞の取り扱い―冠詞
3. 主語と動詞
4. 文型
5. 時制
6. 能動態と受動態

第3章 ライティングの英文法Ⅱ
1. 助動詞
2. 前置詞
3. to不定詞と動名詞
4. 現在分詞と過去分詞
5. 比較
6. 関係代名詞と関係副詞

第4章 ライティングの応用
1. 技術論文
2. プロポーザル(提案書)
3. マニュアル(説明書)
4. 仕様書
5. 技術報告書


3つのCを理解するための練習問題群

「Correct」のテクニックを見ると、技術文書における英文の誤りには、次の5つがあるとしています。

本書では、各チャプターの冒頭に学習すべきエッセンスが提示され、それを細かく見ていくスタイルを取ります。そしてチャプターの最後に、必ず「練習問題」が設定されています。この問題が大変優れています。設問とその解説がまさに「明確」で、非常に分かりやすいです。一例をあげると、このような感じです。

次の英文の太字部分を正しく書き直しましょう。
〈 〉内に誤りの内容を示します。
(a) Iron melt at temperature of approximately 1538 degree Celsius. 〈文法〉  (鉄は約1538℃で溶ける。)
答[                         ]


解 答 (a) Iron melts at a temperature of approximately 1538 degrees Celsius. <解説>
時制・三単現・複数形の-sに注意 主語が三人称(私とあなた以外)、単数、そして時制が現在形のため、動詞meltに三単現の-sを使います。可算・不可算両方の用法を有するtemperature(気温)は、直後に1538℃という具体的な値が出てきているため可算名詞として扱い、単数形を表すaを必要とします。degreeは1538が複数のため複数形の-sが必要です。

こうした形での技術英文に関する設問がふんだんに盛り込まれているのが、本書最大の特長でしょう。

今のトレンドを反映したスキルアップコラム


本書は「改訂版」の名の通り、好評を博した既刊書を今の時代に合わせて内容を更新していったものです。「スキルアップコラム」には、生成AIを使った英語学習、英文チェックの方法なども記載されています。
ChatGPTとDeepLでの「文法上のエラーチェック」比較など、改訂版ならではの内容ですね。こうした内容は初学者だけでなく、技術英文のベテランにも読み応えがあるのではないでしょうか。

「技術英文」が用いられる場所とは

第2,3章は「ライティングの英文法」として、その名のとおり文法技術をしっかり学ぶための章です。その詳細は本書にゆだねるとして、本書のタイトルにもある「技術」にかかわる第4章を見ていきます。
いわゆる「技術英文」が用いられる場面には、次の5つがあるとしています。

1 技術論文
2 プロポーザル(提案書)
3 マニュアル(説明書)
4 仕様書
5 技術報告書

各文書の解説は「概要」「特徴」「練習問題」で構成され、この「概要」を読むだけでも多くの学びがあります。一例をあげてみましょう。



実務の現場で英文を駆使するビジネスパーソンだけでなく、より正しく、ネイティブにも通用するようなクリアな英語を書きたいと思っている人にはうってつけの一冊です。学習の順番も、本書ではこのように親切に案内されていますよ。

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