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プロジェクト・ヘイル・メアリーの感想文(ヘイル・メアリー号の話)

今回は表紙にもなっているヘイル・メアリー号についてのお話です。
今回もネタバレの話をたっぷりしますので、下に警告を入れておきます。

ネタバレ警報

本作品は確実にネタバレでダメージを受けます。
未読の人は、ぜひとも本を読んでから来てください。

もういいかな?

もうちょっと??

減速から姿勢制御の謎

例のタウメーバを採取するために、軌道上で大アクロバットな操艦をするのですが、その姿勢が微妙にわかりにくいので、本文と自分の手書きを交えながら整理したいと思います。

〝姿勢制御〟パネルを呼び出して、回転を開始する。船を逆方向へ向けて、下の大地と平行になるようにしていく。そして平行になったら回転を止める。いまぼくらは船尾を先にして秒速一二キロで飛んでいるが、それをゼロにする必要がある。

アンディ ウィアー. プロジェクト・ヘイル・メアリー 下 (Japanese Edition) (p.97). Kindle版.

つまり軌道上で逆噴射をすると。減速していくのでどんどん軌道は下がり、そのままでは大気圏に突入するのですが、その前に機首を上向きにして高度を維持する必要があるんです・・・が、上記の文ではゼロにするとか恐ろしいことを言ってます。

〈ヘイル・メアリー〉の速度が落ちるにつれ、ぼくらは軌道上にいられなくなってくる。〝レーダー〟パネルをちらっと見て高度が落ちてきていることを確認。船の姿勢を水平からほんの少しだけ上を向いたかたちに調整する。上を向いたといっても一度の何分の一かの角度だ。そんなわずかな角度なのに、やりすぎだった!

アンディ ウィアー. プロジェクト・ヘイル・メアリー 下 (Japanese Edition) (pp.97-98).Kindle 版.

ここの上を向けるのが高度を維持する話になるんですが、この状態だと、すでに船尾は進行方向向いていないはずになるんですよね。次の引用文と、また手書き図で整理します。

姿勢を表示するスクリーンに水平から九度と出ている。これを六〇度までもっていかなくてはならない。右のほうになにか目を引くものがある。外部カメラからの映像だ。下の惑星が……真っ赤になっている。

アンディ ウィアー. プロジェクト・ヘイル・メアリー 下 (Japanese Edition) (p.98). Kindle版.

このように進行方向を向きながらホバリングしながら進むんですよね。なので、10kmの鎖もぶら下げられるし、例の輻射熱で破損する状態にもなるという。

なので、最初の逆噴射から、この姿勢になるまでの過程が微妙な書き方で良く分からない。例の誤訳の話にも繋がるのかもしれないので、いつか原文で読んでみたいです。

映画用アクションシーン

ここの船外活動を含めて映画的に美味しい絵が沢山有るので、ここは盛り上がるんだろうな~。次の落書きシーンも含めて、映えること間違いなし。映画が今から楽しみです。

「船の左舷に大きな穴が開いている。長さ二〇メートル、幅はその半分くらい だろうか。穴の縁がすべてを物語っている──船体が溶けたのだ。」


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