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【大喜利】「発達障害の診断を受けたJナカノは大喜利を楽しめているのか」という記事が書けなかった理由

広島から全国へ、Jナカノです。
私は2022年の夏に、発達障害の検査を受けました。

元々2015年12月の大学4年生の時に体調を崩し、心療内科に駆け込んだ所、統合失調症の初期症状だと言われました。その後も統合失調症患者として病院に通い、治療を進めていたのですが、去年の上半期から、統合失調症とはまた違う症状が出ていたため、別の病院で診てもらった所「統合失調症の可能性は低い」「発達障害の検査をこの病院で受けて欲しい」の2点を伝えられました。検査を受けた結果、ASD(自閉症スペクトラム)という発達障害の傾向にあるという結果が出ました。

現在は、就労継続支援B型事業所に、週に4日、一日1時間だけ通い、働くことに慣れていっている最中です。

さて、私は2016年6月から、生、ネット、スプレッドシート、投稿など、様々な形で大喜利をしています。ASDの人間が、大喜利を心から楽しむことが出来るのか、様々なケースを出しながら検証していきたいと思います。「発達障害でも大喜利は出来るのか?」を考えるとなると、「大喜利が出来る」とはどういう状態なのか、定義が難しいため、あくまで「Jナカノ個人が大喜利を楽しめる状態にあるかどうか」を検証します。

という内容の記事を書こうとしていたのですが、書いているうちに「これは難しい」となって頓挫してしまいました。書けなかった理由をいくつか列挙していきます。

①ASDでも人それぞれ症状が違う

ASDには「曖昧な指示が苦手」「想定外の事態に対応出来ない」といった具合に、いくつか日常生活を送るうえで困ることがあります。

これらの症状は、ネットで調べれば出てくるので、簡単に知ることは出来ますが、やはり人によって症状の重さや、症状が出てしまう場面が異なります。私に関して言うと、大喜利をする場に身を置いている間は、ASDの症状にそこまで悩まされることも無いので、「こういう場面ではこういうことが起こりうるからこういう風に乗り切りましょう」といったアドバイスが出来ません。

「ASD」と限定はしていますが、それでも症状は幅広く、私も知らない症状、さらには発達障害が引き起こす二次障害なども存在するため、全てのASDの人のために記事を書くのは難しいと判断させて頂きました。

②結局大喜利会も社会と同じ

職場や学校など、いわゆる「社会」とされている場はいくつもあります。そこで空気が読めなかったり、人のために行動出来ない場合は、厄介者のレッテルを貼られてしまいます。会社なんかは、そのために「障がい者雇用」などの配慮があるわけです。

大喜利の場は趣味を楽しむ空間とはいえ「人との関わりがある」「それぞれ役割が与えられる」といったことを考えたら、これはもう一般的に「社会」とされている場と同じなわけです。周りのことを考えない言動を取れば当然迷惑になるし、「大喜利の審査をしてくださいと言われたのにしなかった」といった具合に、与えられた役割を放棄すれば周りも困ります。

私が伝えたいのは「一般社会では気を付けなくてはいけないけど、大喜利会では別に気を付けなくて良いこと」は無い、ということです。「会社ではこうだけど、大喜利会ではこうですよ。気を付けてくださいね」と言えることが無いのです。

では、大喜利の場は参加自体が難しい場所なのかというと、そんなことはありません。現状私が知る範囲内では、大喜利初心者のための場は、初心者のための配慮がなされているし、大喜利大会も事前にルールが詳細に公表されているものがほとんどです。ルールや大会要項が曖昧だった場合、Twitterのリプライで、周りに見える形で質問している方も見受けられます。わからないことを聞く機会はいくらでもあるわけです。

お題に対して回答を出して、大爆笑を取ることは容易ではないかもしれませんが、その場に参加すること、その空間にいること自体は簡単だと私は思います。そのために主催者は動いている場合がほとんどです。(主催者が意図的に会を初心者向けにしていない場合ももちろんあります)

③どうしても配慮を「求める」形の文章になってしまう

当初の予定では、「大喜利大会で過去に起きた事例を振り返りながら、こういうことが起こりうるからこう対策してください」といった章も書く予定でした。

ただ、実際にあった事例を書こうとすると、大会主催者に対するクレームのようになってしまううえに、前書きに書いていた「私は発達障害だから皆さん気を遣ってくださいという意図は一切ありません」の一文に反することになります。

よって、大会主催者に個人的な配慮を求めるような文章は書けないと判断し、実際にあった事例を書くのを止めました。

以上が、「ASDの私は大喜利を楽しめているのか?」という検証記事を書けなかった理由です。せっかくなので「大会を主催する際は、出場者のキャンセルが出ても焦ったり傷ついたりする必要はない」「音声配信や執筆など、大喜利以外の活動をする場合は、ペースを考える」などの具体的なアドバイスも書きたかったのですが、やはり置かれている境遇が違うので、詳細には書きません。読んでいただき、ありがとうございました。

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