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【エッセイ】コンビニ妄想話

自分の生活圏内には、セブンイレブンもローソンもファミリーマートもある。個人的な話だが、コンビニには飲み物を買いに行くことが多く、どのコンビニに何の飲み物が売っているのか、通ううちになんとなくだがわかってきた。

自宅から少し離れた所にあるセブンイレブンでの話。コロナが五類に移行され、感染者数が表に出てきにくくなって数か月経つ現在も、あらゆる店舗に消毒液は置いてある。そのセブンイレブンも例外ではない。

店内に入り、手の消毒をするために消毒液を使おうとすると、消毒液の設置用の装置(足で踏むもの)に、何やら注意書きがしてあった。

「当店ではポケモンカードの販売は行っておりません」

これを読んだ瞬間は、上手いやり方だと思った。五類になったとはいえ、予防のために消毒液は誰でも使うから、ここに一番店が伝えたいことを書けば、「ポケモンカードはありますか?」と聞かれる前に伝えることが出来る。賢いなと思った。

それと同時に、ポケモンカードの人気は恐ろしいなと思った。おそらくこの消毒液に「販売は行っておりません」と書くまでに、様々な試行錯誤があったのだろう。毎日のように「ありますか?」と聞かれ、うんざりしていた店員。張り紙をわかりやすい箇所に貼っても、自分には関係ないと見向きもされない。

そこで目に付いたのが消毒液。ここに書けば誰でも目に入る!そう思ってからは早かった。装置の余白に張り紙を貼るだけで良いのだから。

この一文を見た瞬間は「賢いな」と思ったけど、「取り扱っていないのだからもう聞くな!」という店員さんたちの怒りのようなものも感じられる。

別のコンビニの話。こっちはさっきのセブンイレブンよりも近所。店に入り、商品を物色していると、何か違和感があった。「この店には何かが足りない」そう感じていた矢先、とある張り紙が目に入った。

「当店ではタバコの販売を一時中止しております。販売再開時期は未定です」

詳しい事情は知らないが、余程のことがあったのではないか。ちなみに、このコンビニでは消毒液の装置が撤去されたので、ポケモンカードを取り扱っていないセブンイレブンと同じ作戦に出ることは出来ないようだった。

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